原爆資料館の混雑解消へ 外国人向けWEB予約サイトを猛プッシュ ノーベル平和賞で入館者増 広島市

10/17(木) 17:43

日本被団協がノーベル平和賞に選ばれたことで、来館者が増えることが予想される、原爆資料館では混雑解消に向けて広島市の取り組みが進んでいます。

【辰已麗アナウンサー】
「多くの観光客が使うこちらのホテルに今、広島市の職員が入ってきました。チラシの束を出してホテルの職員に手渡しました」

どっさりと用意されたチラシの束。
チラシの内容は…原爆資料館が力を入れているある取り組みです。

去年4月以降、来館者数が急増し、2時間待ちの日も出ていた原爆資料館。
混雑を緩和しようと広島市は今年3月から開館時間の延長やWEB予約を導入してきました。

しかし…

【観光客は】
Q:WEB予約しましたか?
「いいえ。予約必要なんですか?」
Q:今WEBでの予約もあるんですけど、知っていますか?
「知らないです!」
Q:予約は?
「インターネットで」
Q:わざわざWEB予約したのはなぜ?
「混んでいるかなと思って」

この半年間で入館者数はおよそ119万人と過去最高を記録する中、延長時間帯の利用は平均でおよそ26%、WEB予約は約4割ほどにとどまるなど、認知度の低さが課題となっています。

そこで広島市は国内外の人に広く知ってもらおうとチラシでの周知を始めました。

【辰已アナ】
「こちらが英語版のチラシなんですが、携帯でQRコードを読み取ってみるとそのまま英語版の予約サイトにいくので、外国人観光客も予約しやすいようになっています」

今回のノーベル平和賞決定で来館者数が増えることが見込まれ、広島市は、WEB予約のさらなる利用向上を目指します。

【広島市平和推進課・川本翼さん】
「日中の時間帯に集中するためWEB専用の時間帯に来館していただくことで分散をはかりたい。今後も入館状況を見ながらより多くの方に被爆の実相に触れていただけるように混雑対策にとりくんでまいりたい」

<スタジオ>
ノーベル平和賞決定という大きなトピックですから、新川さん、ますます来場者数が増えることが想定されますね。

【コメンテーター:JICA中国 新川美佐絵さん】(青年海外協力隊などを経験し現在はSDGsの啓発活動を行う)
「秋の修学旅行シーズンもありますから、特にピークになると思うんですけど、私もWEB予約やったことあるんですが、もし可能だったら例えば『ここ結構集中してますよ』とかがわかると、みんな分散できるのかなと思ったりもします」

WEB予約に関しては過去最多の昨年度の同期比では入館者数、15%増えているんですが、ただ入館待ちはかなり短縮されているということで、一定の効果はあるようなんですよね。ただ新川さんやっぱり平和を考える場所ですから、なるべくしっかり見てほしいという思いもありますね。

【コメンテーター:JICA中国 新川美佐絵さん】
「そうですね。資料館は当然行くと思うんですけど、記念公園の中には国立平和祈念館もありますし、周りには記念碑なんかもあったりしますから、一極集中を避けるためにも、そういったところから分散するような形のルートができるといいですね」