広島カキの出荷開始 ブランド力を守るため20日遅れで…「待ってもらった分いいものに」

10/21(月) 19:03

【五十川記者】
「広島市の沖合にあるカキいかだに向かって船は進んでいます。今シーズンは例年より20日ずれ込んでのカキの季節到来です」

【米田海産・奥村崇さん】
「ドキドキというよりはやっと始まったなという感じ。みんなで頑張ろうという気持ちのほうが大きいです」

広島が生産量日本一を誇る冬の味覚「カキ」例年の水揚げは10月1日からですが、今シーズンは20日ずれ込み、きょう21日から出荷開始となりました。
その理由は“異例の猛暑”海水温が下がらず身が大きく育たないと予想されたため。

広島市の米田海産で水揚げされたカキは…

【五十川記者】
「水揚げされたばかりのカキですが…見てください。プリプリとしています。20日水揚げがずれ込んだという心配も吹き飛ぶような大きさにも見えるんですが、出来は実際のところどうなんでしょうか」

先月、広島湾の海水面の温度は一時、平年よりも5度高い29.9℃に。
この一か月で徐々に下がりましたが、それでも、猛暑の影響による水温の「高止まり」は続いています。

【米田海産・米田礼一郎 社長】
「夏が暑かったものですから、心配をしていたんですが、思っていたよりはよかったと思います。待ってもらった分身入りはよくなると思うので11月、12月になるにつれ例年よりいいものが提供できるのではと思っているんですけど…」

厳しい夏を乗り越えたカキは順調に育っていますが、新たな懸念も

【米田海産・米田礼一郎 社長】
「半分くらいは死んでいるかもしれないですね。(半分ですか)ひどい筏はそれくらい死んでいると思います。ある程度は毎年のことなので多少は覚悟しているんですが、最近は以前より増えているように思います」

水温のほかに水質など、自然環境の複合的な要因も絡み合う「カキ」の養殖。
生育を待って水揚げ・出荷をすることは広島のカキのブランド力を守る前向きな判断でもあります。

【米田海産・米田礼一郎 社長】
「決してカキ(の味)が悪いから20日ずれたわけじゃないんですけれども、待ってもらった分いいものが提供できると思いますので、広島産のカキは他県産のカキと比べても旨味が強いといわれているんで、その辺を楽しみに食べてもらえればと思います」

カキの水揚げは来年5月ごろまで続き、今シーズンも例年通りの2万トンの生産を目指します。

<スタジオ>
【記者の目】
取材した五十川ディレクターによりますと「これまでのカキの水揚げ開始も生育によって各業者によって異なり、必ずしも10月1日ではなかった。養殖業者は年末の贈答用の需要に間に合うよう備えている」とのことで、これから本格的なカキシーズンを迎えます。