ノーベル平和賞決定 被団協の被爆者の通訳務めた小倉桂子さん「世界が核兵器はいらないと思うきっかけに」

10/21(月) 17:54

核兵器のない世界を目指す活動を続けてきた「日本被団協」が今年のノーベル平和賞に選ばれて10日が経ちました。
被団協の代表や被爆者の通訳を勤めていた被爆者の小倉桂子さんが思いを語りました。

週末、ある作品展が開かれていました。
場所は、広島県廿日市市宮島町の旅館「岩惣」の管絃の間。
去年5月、G7広島サミットで首脳たちによるワーキングディナーが行われた場所です。
首脳のパートナーへ贈られた作品が展示されるとともに、「平和の祈り」をテーマに作品が飾られました。
それに合わせ、平和に関する講演が行われる中、登壇したのは、G7サミットで首脳たちに、被爆証言した小倉桂子さんです。

<小倉桂子さん(87)講演>
「普通の一人一人が、自分ができることを探す。それで世界の平和のために何かをやっていく。それが本当の意味での世界平和つくる」

8歳で被爆した小倉さんは、いま、多くの外国人に向けて被爆証言をしていますが、以前は、被団協を中心に被爆者が外国人へ証言する通訳を担ってきました。

【被爆者・小倉桂子さん(87)】
Q:受賞のニュースはどう受け止めた?
「やはりうれしい。長い間、いつだろうというようなことも感じていました。日本被団協の皆さんには本当に心からおめでとうございますと申し上げたい」

小倉さんは、40年以上前から日本被団協の森瀧市郎さん、坪井直さんなど歴代の代表委員の通訳を務め、2003年、エノラゲイの復元展示に抗議した際も、ともにアメリカへ渡り、被団協の活動に寄り添い、時には行動を共にしてきました。

【被爆者・小倉桂子さん(87)】
「たくさんのご一緒させていただいた森瀧先生とか坪井さんとか、政府に向かってアピールしてこられた多くの方たち、もうお亡くなりになっているけれど、その方たちのことを思い出します。戦争は続いているし、悲しみは多いし、恐怖もたくさんありますけれども、でも、これはとてもいいスタートだと思いますね。こんなに世界の人が、核兵器はいらないと思うそのきっかけを作ってくれたのは、今回の受賞だと思いますので、もっともっとみんなで頑張りたいと思います」

<スタジオ>
小倉さんは被団協のこれまでの努力はもちろんのこと、名前のない大勢の方が同じ思いで営々として地道な活動をしてきていて、被爆地がもつそういう世界に伝えるパワーが動かした受賞ではないかとも語っていたそうです。