衆院選TSS世論調査 注目の広島4区・5区の情勢は 有権者は「経済対策」「政治とカネ」を重視

10/21(月) 19:13

衆議院議員選挙は後半戦に突入しました。
自民党派閥の裏金事件で失われた政治の信頼回復などを争点に論戦が交わされています。
TSSはこの週末、県内の有権者およそ1500人を対象に世論調査を行いました。

ここからは選挙担当の若木記者とお伝えします。
「政治とカネ」の問題で岸田政権が退陣し、石破新政権が誕生してから史上最短での総選挙となりました。今回の選挙への有権者の皆さんの関心の高さはいかがでしょうか。

【若木記者】
きのう、広島市内で有権者に聞いてきました。
まずは、こちらをご覧ください。

<VTR>
【有権者】
Q:投票は行かれますか?
「はい」
Q:何を基準に1票を投じたい?
「教育」

【有権者】
「政策も(大事)なんですけど、正しいことを正しくちゃんとやる風に信頼できそうな候補者の方がいれば投票したいなと」

【有権者】
Q:今回は何を基準に1票を投じる?
「お金のことじゃないですか。政治とカネ」

【有権者】
「日本を変えていただける方に1票を、と思っています」
Q:もう投票先は決めている?
「まだです。今からちょっと吟味させてもらってって思っています」

【有権者】
Q:今回は何を基準に投票?
「経済と裏金問題。広島県民こんな言い方したら悪いけど河井さんに配ったんじゃないのって思うじゃないですか。なので裏金を何に使ったのか、ちゃんとわからないと公認とか非公認の問題ではないと思う」

【有権者】
「税制改革とか経済改革みたいなところは僕は重視してる。政党政治もそうですし、個人の政策をみながらちょっと検討しようかなと思っています」

<スタジオ>
Q:投票に行く、という方が多そうですね。

そうですね。
インタビューした方は皆さん、投票に行く、とおっしゃっていました。
こちらをご覧ください。
世論調査でも「期日前投票に行った」もしくは「期日前投票に行く予定」と答えた人が42%、「投票日の27日に行く」と答えた人が52%で投票に前向きな人が94%と高い数字になっています。

ただ、前回3年前の衆院選で同様の調査を行ったときにも投票に前向きな人は96.6%でしたが、県内の投票率は52.13%でしたので、有権者の関心が高いか、という点では少し気がかりです。

そして、21日、県の選挙管理委員会が20日までに期日前投票をした人の数を発表しました。
選挙人名簿登録者数の3.22%に当たる7万3355人で前回2021年の衆院選の同じ時期と比べて6688人減りました。

Q:若木さん、こちらも気になりますね。

選挙日程が急に決まり、投票所で使用する「入場券」の配達が間に合っていない地域が前回より多いことが影響している可能性もあります。
県選管によりますと身分を確認できれば投票はできるということです。

Q:インタビューでは「政治とカネ」の問題や経済対策などを求める声が多かったですが有権者の皆さんはどんな政策を重視しているんでしょうか。

「景気や雇用などの経済対策」が38%と最も多く、暮らしに直結する政策を有権者は重視していると言えます。
次いで、「政治とカネの問題」が25%を占めました。
広島では2019年の参院選を巡る大規模買収事件の余波もあり、「政治とカネ」への有権者の不信感は根強く残っています。

Q:そうした状況の中、注目の選挙区はどこでしょうか。

広島4区と5区です。
広島4区は県内で区割りの変更を最も受けた選挙区で旧4区と旧5区を地盤とする与野党の前職が初めての一騎打ちとなっています。

呉市を中心とする旧5区を地盤とする自民党・前職の寺田稔さんは自民党支持層の8割近く、公明党支持層の4割近くの支持を固め、一歩リードしています。
東広島市を中心とする旧4区から前回立候補し、比例復活した日本維新の会・前職の空本誠喜さんは維新支持層の7割近く、また、立憲民主党支持層の7割以上に浸透し、追い上げる展開です。

Q:広島5区はどうでしょう?

広島5区は小選挙区で初当選を目指す自民党・前職の小島敏文さんが自民党支持層の8割弱、公明党支持層の7割以上の支持を固めています。
県内小選挙区で唯一、野党の議席を守ってきた立憲民主党・前職の佐藤公治さんは立憲支持層の8割以上、維新支持層の5割近くの支持を受けています。
5区は両者が激しく競り合っていて、予断を許さぬ情勢です。
共産党・新人の猪原真弓さんは共産党支持層に浸透しているものの伸び悩んでいます。

広島4区・5区ともに2割から3割の人が「まだ投票先を決めていない」と答えていて、この人たちの投票行動が結果を左右することになりそうです。

Q:20日、5区の取材に行っていたのですが、佐藤さん、小島さん、猪原さんの3人の候補のうち2人の候補の声がガラガラになっていて、話を聞くと、「最後の最後まで油断できない、特に区割変更で初めて会う人もいるし、初めて回る地域もある」と。このあたりの選挙戦が今までと違う展開ですよね。

候補者にとっても、新たな支持層を獲得しなければならないという点でも、非常に熱戦が繰り広げられています。

Q:3区の取材に行ったとき、今回「政治とカネの問題」がフィーチャーされている中で、住民の方から、「やっぱり政治とカネの問題をクリアにしてもらわないと困る。ただ、自民党・公明党の与党ではダメだという声もありながら、野党が一つになってくれないと変えられないでしょう」と野党に対する苦言も聞かれました。

3区に関しても、政治とカネの問題をめぐって、2019年の参院選・大規模買収事件の余波が非常に大きく響いていますので、そのあたりの有権者の投票行動も注目されます。

衆議院選挙の投票日は今月27日で即日開票されます。
選挙戦・終盤にかけて各党の幹部の広島入りも予定されているということで、最後まで熱戦が繰り広げられそうです。