瀬戸内のさかなをブランド化 広島県が「新しい競り」の実証実験をスタート 

10/22(火) 17:23

瀬戸内の魚の価値を高め流通を強化させようと、県が新たに始める実証実験の発表会が開かれました。

広島市中区の会場に集まったのは漁師や流通業者、料理人たちです。

瀬戸内海では季節によって多種多様なおいしい魚が育つとされていますが、漁獲量が年々落ち込み漁師が苦戦を強いられています。

この状況受けて県は瀬戸内海で獲れる魚介類「瀬戸内さかな」のブランド化を進め、「漁師のこだわり」を起点とした価値の向上に力を入れてきました。
喫緊の課題は市場での取引の活性化だといいます。

【県水産課・木村剛司参事】
「現状では漁師と飲食店との直接取引でなければ、特定漁師の魚を区分した形で流通させることは難しいのが現状です。また漁師のこだわりを飲食店に伝え評価してもらう機会もない」

市場でも値段がつかずまた、取引先も限られていることから、公平公正な場で”漁師のこだわり”に価値をつけて、必要とする飲食店に広く流通されるよう”新たな競り”の形を実現しようとしています。

課題解決に向けた実証実験は、来週行われる予定です。

《スタジオ》
【記者の目:鈴木崇義ディレクター】
一般的な競りは「魚の価値」を軸に取引されるが、新たに取り組む競りは評価軸を
「魚」から「人」にシフトして漁師のこだわりで価格をつける。

瀬戸内海は獲れる魚の種類や量が日々変化し、特定魚種の安定供給が難しいため、漁師の存続のためにもこの競りの形が注目されている。

【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「時期にとれた旬のものだけでなく、そこでしか獲れなかった、またはその人だけが獲った限定物は本当は人気がつくものなので、うまく流通にのるといい」