「これは奇跡だ!」バズる外交官が探していたビデオを遂に発見 仲間と歌った祖国の歌に万感の思い【後編】

10/31(木) 20:35

バズる外交官″が探していた幼少期のビデオ。
探し求めていた30年前の映像が発見されました。
果たして、映像は見ることができるのでしょうか?

東広島市西条町の保育所に通っていた”バズる外交官”こと、ジョージアのティムラズ・レジャバ駐日大使。

【娘が同級生 ビデオを発見・上西恵子さん】
「もう至るところを探したんですけどこれだと思います」

SNSに投稿された1本の捜索願いからおよそ1か月…大使が探し求めてきた大切なビデオがようやく見つかりました!
ビデオの修復作業が終わりいざ大使が待つ東京へー
神宮球場などが並ぶメイン通りから一本入った閑静な場所に在日ジョージア大使館はあります。
出迎えてくれたのは…

【五十川記者・元大関 栃の心さん】
「こんにちは。大きいですね」
「元お相撲さんですから」
「え…」
「栃ノ心です」
「あ、栃ノ心さん。え、今大使館にいるんですか」
「9月から大使館の仕事をしています」

広島から大切に持ち運んだビデオテープを見せ、大使に会いに来た事情を説明すると…

【五十川記者・元大関 栃ノ心さん】
「東広島という広島の保育所に通っていたときのビデオが見つかったんですよ」
「探していたやつじゃないですか結構有名な話ですよ」
「栃ノ心さんにお会いできて光栄なんですけど、大使はどちらに?」
「大使はちょっときょうはいなくてですね」
「いないんですか?」
「すみません」
「大使はどこにいるんですか」
「いま、家のほうにいると思います」
「家ですか…」

元大関の栃ノ心さんに別れを告げ、今度こそ、大使がいる都内の自宅へと急ぎます。

【五十川記者・ジョージア ティムラズ・レジャバ駐日大使】
「いらっしゃいました」
「大使ようやく会えました」
「お待ちしていました」
「ビデオテープお持ちしました」
「例のビデオテープですね、どうぞ」

まずは、テープを修復して映像が見られるようになったことを報告しました。

【ジョージアティムラズ・レジャバ駐日大使・五十川記者】
「よく残っていましたね」
「たぶん映っていると思うんです」
「これにはすごいストーリーがあるんです」
「カビが生えていたんです」
「中のテープに?」
「最初は見られなかったんですね」
「直してもらいました」
「それを聞くと、なおさらすごいストーリーですね」

大使のたっての希望で愛娘3人と妻のアナさんと一緒に見ることにー

【ジョージア ティムラズ・レジャバ駐日大使・五十川記者】
「いまの活動の原点が当時に再発見できるんじゃないかなというのが一番の楽しみです。緊張するなあ」
「ここからです」

【ジョージアティムラズ・レジャバ駐日大使】
「発表会」

一番右奥に立っているのは幼き大使の姿。
さあ、30年前にタイムスリップです。

【ビデオ:園児たち】
「君と歌を歌い 君と遊ぼうみんなみんな友達だ。さあ頑張ろう。最後まで見てください」
【ビデオ:年長の大使】
「僕のふるさとジョージアの歌を歌います」

そこには、大使の記憶通り、ジョージア語で「蝶々」を合唱する、元気な園児たちの様子が…

【ジョージア ティムラズ・レジャバ駐日大使】
「目頭が熱くなるというか、非常にいろんな思いがこみ上げてきた感じですね…言葉にするのが難しい。もう本当に可能性は1%もないと思っていましたけど、それに協力してくださった皆さん本当にありがとうございます」

【妻・アナさん】
「当時から日本は他の文化に対する敬意をすごく持っていた。広島でもそうだったんだ」

慣れない異国の地で触れたやさしさとぬくもりーその記憶が鮮明によみがえります。

【ジョージア ティムラズ・レジャバ駐日大使・保育所時代の担任 渡邉芳枝さん・上西さん】
「先生、先生、テムカです」
「聞こえます?」
「見ました。見ました」
「これは奇跡ですよ。絶対に残っていないと思っていましたからもう奇跡です」
「よかった」
「先生、上西さん当時は本当にお世話になりました。本当にありがとうございました。当時はそういうお礼が言えませんでしたけど今改めて感謝しています」
「先生と皆さんがですねとっても優しくしてくれたんだなというのがいま自分の心に残っていますよ」
「そうですか?優しかった?よかった」

保育所の卒業から30年。
まだまだ話は尽きません。

【ジョージア ティムラズ・レジャバ駐日大使・保育所時代の担任 渡邉芳枝さん・上西恵子さん】
「立派になりましたね」
「おかげさまです。おかげさまです」
「ぜひお会いしたいと思います」
「うれしいです。会いたいです」
「広島に家族で遊びに行ってまた直接お会いしたいです。できるだけ早く行けるようにやってみたいと思います」

東広島市を直接訪れ、再会する約束を交わしました。

【同級生の母親・上西恵子さん】
「(ビデオを見てもらって)良かった。ありがとうございます。」
【保育所時代の担任・渡邉芳枝さん】
「今なんとなく気薄になりつつある中、こういうことがあるとね、仕事をしている保育士も一生懸命にこの子たちを育てないといけないという気持ちをもってくれれば、すごくうれしい」

さらに今回のビデオにはもうひとつ、おまけがありました。

【ビデオに映った大使】
「僕はジョージア代表のサッカー選手になりました」

そこには、流ちょうな日本語で意外な夢を語る大使の姿がー

【ビデオに映った大使】
「パス!パス!」

【ジョージア ティムラズ・レジャバ駐日大使】
「サッカー選手になりたかったですね。そのとき広島に住んでいたんですけど、ヴェルディの大ファンだったんですよ。熱中したのを確かに覚えています」

【長女・リカさん】「楽しかった」

大使の原体験となった東広島での忘れられない経験。
外交官となった今、混沌とした世界を明るく照らすヒントが詰まっているといいます。

【ジョージア ティムラズ・レジャバ駐日大使】
「優しさとか他の人のためになろうとか一生懸命やろうという気持ちは絶対に報われる。それはどこにも消えないですし平和にも貢献できる。
一人一人の持ち得る影響力というのが計り知れないそんな気持ちになります。
それが説得させられました。大使である私が1人の保育園の先生から学ばせていだだいたものです」

《スタジオ》
まさに色々な人の想い、気持ち、優しさを繋いだ縁でしたね。

【コメンテーター:JICA中国・新川美佐絵さん】
「広島でも沢山の外国につながるお子さんたちが増えてくる中で、日本語が分からないから教えてあげようとか、日本語で勉強してもらうと、こっちが発信することばかり考えてしまいがちですが、その子の母文化に周りが寄り添う姿勢がすごく大事です。小さい頃からその違う事に慣れていくことで違いが楽しいんだということが地球市民とかグローバル人材に繋がっていくんじゃないかと思います」