広島城の木造復元計画 現天守閣の解体の方向性まとまる「木造天守が広島の空にそびえ立つ第一歩」検討会議

11/7(木) 18:30

広島城の天守を木造で復元することを視野に技術的課題などを検討する3回目の会議が開かれました。木造で復元する場合の天守の解体範囲の方向性が決まり、復元計画が大きく前進することになります。

1592年頃に築造された広島城天守は原爆で倒壊した後、鉄筋コンクリート造で1958年に再建されました。
天守は耐震基準を満たしていないことから震度6強の地震に耐えられない可能性があります。

会議では「天守を解体し木造で復元」、「耐震改修をして現天守を残す」、「現天守を解体」の3つの案を軸に国の史跡に指定されている建設当初の石垣など貴重な文化財を守るための技術的な課題を検討してきました。

7日の会議では天守を木造復元する場合に、解体撤去する範囲を石垣内部にある基礎の一部までとする方針が取りまとめられました。
木造復元の際に課題となる天守の解体に方向性が示されたことで、議論は大きく前進しました。

【広島大学・三浦正幸名誉教授】
「まだ長い道のりにはなりますけど、木造の天守がこの広島の空に聳え立つ第一歩が出たんじゃないかと思います」

また解体に当たっては現天守に関する記録を適切に保存し、後世に継承していくことも重要として実物の保存管理や資料をデジタルデータで保存したり、VRやARでの活用も検討しています。

《スタジオ》
【崇徳高校新聞部・岸田紗耶子編集長】
「私の通学路の途中に広島城があり、すごく身近な場所でもあります。被爆80年を迎えますし、戦前に国宝に指定された広島城の天守閣がよみがえるということはとても意義深いことだと思いました。もしも木造になったら入ることはできるのか、中の展示がどうなるかがとても気になります」