3割がチャイルドシートを誤装着 子どもの命守るため 身長150センチまで、正しく装着を 

11/14(木) 20:00

育児の話題をお伝えする3940のコーナーです。
秋の行楽シーズン、車を使って子連れでのお出かけをする方も多いと思います。
きょうはこちらの話題です。

《VTR》
今年8月、福岡市で起きた交通事故。
後部座席でチャイルドシートではなくシートベルトをしていた5歳と7歳の姉妹が出血性ショックで死亡しました。
警察庁とJAFの調査によると、3割以上の人がチャイルドシートを正しく使用できていないことが判明。
それは、事故での致死率を一気に高めます。
命を守るために子育て世代が今、知っておきたいこととは?

《スタジオ》
スタジオには取材にあたった石井記者です。

【石井記者】
チャイルドシートと言えば、子育て世代なら一度は嫌がる子供を無理やり乗せて泣かせたという人がいらっしゃると思います。
安部さんは2児のパパですが、いかがですか?

【コメンテーター:元カープ・安部友裕さん】
「まさに同じ経験あります。もう1時間2時間泣かせてしまってかわそうに思うんですけど、命に関わるので絶対につけないといけないですね 」

【石井記者】
改めて法律で定める基準を確認しておきましょう。
道路交通法では6歳未満に義務付けしていて、さらに、JAFでは、これまで身長140センチ未満までは(ジュニアシートの)使用を推奨していました。
それを、今年9月12日からは10センチ引き上げて、身長150センチ未満まで
としました。
理由としては、大人のシートベルトを子どもがつけてしまうと、首の部分やおなかの部分の柔らかい部分にベルトがあたり、命を守るはずのシートベルトが体を傷つけてしまう、内臓破裂などの事故が起きてしまうことがあります。
JAFの基準変更から2カ月たち変化も起きているようです。
チャイルドシートを作るメーカーが組織する団体に話を聞きました。

《VTR》
【日本自動車部品工業協会安全装置部会PRワーキングリーダー・細谷周史さん】
「ジュニアシートと言われる身長が100センチぐらいから使用するチャイルドシートの売り上げが伸びております。なかなかない動きだと思います。業界団体としては、少なくとも、今基準で法律で決められている6歳未満という間に関しては、必ずチャイルドシートを使っていただきたいですし、150センチになるまでは、チャイルドシートを使おうというところに関しても努力していただきたいなというところはお伝えしたいことです」

こちらは、JAFの実験映像です。
時速55キロ走行ですが、チャイルドシートをしていない場合は…
前の席に激しく衝突した後、宙を舞って落下。
様々な場所にぶつけたことが分かります。
頭部に重大な損傷が発生するレベルの衝撃でした。

一方、正しくチャイルドシートを付けていると…
しっかりと身体が固定されているのが分かりました。

《スタジオ》
55キロ走行であの衝撃ですから、高速道路だともっと速いから衝撃はもっと強くなりますね。

映像を見るとこれよりさらにと思うともっと怖いですね。
警察庁のデータでは、チャイルドシートを使用しているかしていないかで
6歳以下の致死率を表しています。
6歳以下が事故に遭った場合、0.09%と0.36%と実に4.2倍も違うんです。
一方で、チャイルドシート使用率は、1歳未満は91.7%と比較的高い中、5歳になると57.9%と一気に低くなります。

およそ半数近くがつけていないということになりますね。

おそらく体に合わなくなった時期に大人のシートベルトを使おうと判断しているのではないかとJAFの方は話していました。
そのために体格に合わせた適正利用を呼び掛けています。
では正しい使い方とは?

《VTR》
まず、チャイルドシートを取り付ける場所については?

【JAF事業課・平岡桃子さん】
「助手席側にチャイルドシートを取り付けてしまうと、実際事故が起きてエアバッグが展開した際に、お子様の顔であったり体にぶつかってしまうので、JAFとしては助手席後ろをお薦めしています。運転席の後ろでも大丈夫なんですけど、どうしても乗せおろしの時に車道側になってしまいますので、そういった危険を減らすためにも助手席の後ろを推奨しています」

では、取り付ける際のポイントは?

【JAF事業課・平岡桃子さん】
「一度、座席にチャイルドシートを載せていただいて、背もたれの部分と座面の部分にチャイルドシートがぴったり合うことを確認してください。おひとりでつけるときには、膝などを使っていただいてぐっと抑えつけながら、まずシートベルトを留めます。このときも緩みだったりたるみがあるぐらつきの原因に直結してしまうので、そういったのがないように抑えながら引きます」

ヘッドレストも取り外しておくことがおすすめです。
子供を乗せる際ベルトは肩かその少し上の位置に。

【JAF事業課・平岡桃子さん】
「今の状態だとかなり緩くなっているので、事故の際、衝撃でお子さんがするっと抜けてしまって大きな事故につながりかねないので、大人の指一本ぐらいを通して調整します」

調査では、こうした締め付け不足など間違った使い方をしている人は、全体の30.2%もいることが分かっています。
子供用シートも種類は多様です。
お子さんの体格の変化に合わせジュニアシートへ移行します。
使用のポイントは?こちらは悪い例です。

【JAF事業課・平岡桃子さん】
「人形の顔と首にシートベルトがかかっていると思います。おなかも柔らかい部分のところにかかっていますので、こういった状態で事故の衝撃が加わってしまいますと重大事故につながってしまいます」

正しいつけ方は?

【JAF事業課・平岡桃子さん】
「鎖骨・胸骨・肋骨の部分ですね。ここで肩ベルトを通します。おなかの所にかかっていた腰ベルトの部分はしっかりと骨盤のあたりを通していただいて硬い骨でシートベルトを受けるような形になります」

《スタジオ》
JAFのホームページにはさらに詳しく出ていますが、こんなことも平岡さんは、「お子さんの命を守れるのは、大人のドライバーや保護者です。きちんとルールを守ってお子さんを守ってください」と話していました。

チャイルドシートを置くだけでなく使い方も意識したいですね。
安部さんどうですか?

【コメンテーター:元カープ・安部友裕さん】
「装着してもミスで事故につながる。チャイルドシートが体格に合わなくなってつけなくなって子どもを失うこともある。金額のことも家庭によってあるでしょうが、考えていきたい」

値段が高いという人には、広島県交通安全協会は年間500円の会員費を払えば2週間の無料貸し出しをしていたり、民間企業が半年間で平均6000円前後の値段でレンタルを行っているところもあります。
上手に活用してみてください。
以上3940のコーナーでした。