本人が参加する「葬儀」映像で生前の“思い”や“生き様”を伝える 【老いゆく社会】
11/19(火) 20:00
番組がシリーズで地域課題に向き合う「老いゆく社会」。
その第3弾、近年、大きく変化する葬儀の形や遺言に注目します。
広島県東広島市の葬儀場で営まれたお別れの会。
故人の姿がプロジェクションマッピングで映し出され、参列者は、映像で、故人の生前の様子を偲ぶことができます。
【故人の家族】
「家族として社会的な父の姿を見る機会をもらえたことは、それはそれで新しい発見もあった」
社会の高齢化が急速に進んでゆく現代。
人生の終え方や、葬儀への考え方が、変わり始めています。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「昔の葬式というのは(喪主の)希望はなかった。しきたりやルールやこの地域はこうしなければならないとか、やり方はこうだとか」
今、高齢化は、急速に進んでいます。
日本人の平均寿命は、男性で、およそ81歳、女性では、およそ87歳です。
人口のボリュームゾーンである「団塊世代」と呼ばれる人たちは、今年、75歳以上の後期高齢者となります。
その子供たちの「団塊ジュニア」も含めて、50歳以上が、人口の半分以上を占める時代になっています。
人生の後半をどう生きて、どう終えるのか。様々な価値観が今、生まれ始めています。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「参列する人から声をもらったのが、その人の生きざまがよく分かる葬式がいい。映像の葬式に参列した人が帰る時に『きょうの葬式はよかった』と言われた、昔はそういうことはなかった」
東広島市で菓子店を営む世羅大志さん。
今年、3月、お父さんを亡くしました。
【世羅大志さん】
「父がここで饅頭を作って、私が反対側で、真向いで、ここに立つといったら、一人前にならないと立てないというか」
Q:お父さんの場所?
「ここは父の居場所だったので」
世羅さんのお父さんは、広島市で修業したあと、20歳の時にこの店を始めました。
世羅さんのお父さん 「世羅勝也さん 享年 87歳」
世羅さんは、動画を使った葬儀で、お父さんを送りました。
葬儀のために集めた映像には、世羅さんの知らないお父さんが映っていたといいます。
【世羅大志さん】
「明るい父ではあったのですが、リーダー的なこともしていたんだなぁという、そこも私は知らなかったので、こういうところもあったんだなと思えば知らない部分が多かった」
世羅さんは、会合に出席するお父さんをよく送り迎えしたといいます。
【世羅大志さん】
「行き帰りの車の中とか、歩いて行くときに話はしていたんですが、それは家のことではなくて、会員の話や会の話とか、そういう話ばかりで、親子の話ではないですね」
今年、還暦を迎える世良さんには、子どもたちに伝えておきたい思いがありました。
【世羅大志さん】
「息子と娘がいるんですが、大事なところというか、私の思いというのは面と向かっては話がしづらい部分があって」
さて、何をどうやって伝えればいいのか。
【世羅大志さん】
Q:息子さんは店を継いだりは?
「ビデオに残そうかなと。今、面と向かってどうも言えないなと思って・・・」
「自分の思いを伝えたい」そう思う人たちが、今、増えているといいます。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「自分の考え方を伝えたいとか、残したい人は昔からいたと思うが、自身でSNSを発信しているとかブログを書いている人はうちのサービスにものすごく興味を持ってもらっています」
世羅さんの遺言は、まだ、撮影できていません。
【世羅大志さん】
Q:ビデオをとりましたか。
「まだとっていないです。今まとめているところというか・・・どう伝えていこうかなというので」
動画を使った葬儀を始めて1年。
新たな葬儀は、さらに進化しました。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「プライベートな部分の映像は流さないで、直接、喪主に渡す。葬儀屋は葬儀だけしておけばいいのではなくて(亡くなる)前のことから、亡くなったあとのことまでサポートする業界になっています」
世羅さんは、動画の遺言を残すことに、もう一つの意味を見つけていました。
【世羅大志さん】
「新しい遺言かもしれないです。自分に対しても伝えることができるので」
未来の自分に伝える遺言をとろうというのです。
【世羅大志さん】
「10年後にとってもまたいいのかなと思う。節目節目でとって、70歳になったときにまたどうだったのかと」
時々の思いを遺言として残すことは、高齢化社会を生きる「自分の道しるべになる」
世羅さんは、生きていくための遺言を残そうとしています。
【世羅大志さん】
Q:10年前の自分の遺言を見るのも楽しみ?
「楽しみですね。こんなこと言っていたのかって」
<スタジオ>
遺言が自分自身と向き合うそんな機会にもなっているのかもしれませんね。
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田 篤 准教授】(社会情報・メディア論が専門)
「そうですね。日頃から動画をみる。または、自分たちで撮ることをしているからこそ、こういう時代になってきたんだと思います。そして、遺言として動画というのは説得力があるので、残す方としても、動画というのは選択肢として、今後、広がりそうですね」
その第3弾、近年、大きく変化する葬儀の形や遺言に注目します。
広島県東広島市の葬儀場で営まれたお別れの会。
故人の姿がプロジェクションマッピングで映し出され、参列者は、映像で、故人の生前の様子を偲ぶことができます。
【故人の家族】
「家族として社会的な父の姿を見る機会をもらえたことは、それはそれで新しい発見もあった」
社会の高齢化が急速に進んでゆく現代。
人生の終え方や、葬儀への考え方が、変わり始めています。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「昔の葬式というのは(喪主の)希望はなかった。しきたりやルールやこの地域はこうしなければならないとか、やり方はこうだとか」
今、高齢化は、急速に進んでいます。
日本人の平均寿命は、男性で、およそ81歳、女性では、およそ87歳です。
人口のボリュームゾーンである「団塊世代」と呼ばれる人たちは、今年、75歳以上の後期高齢者となります。
その子供たちの「団塊ジュニア」も含めて、50歳以上が、人口の半分以上を占める時代になっています。
人生の後半をどう生きて、どう終えるのか。様々な価値観が今、生まれ始めています。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「参列する人から声をもらったのが、その人の生きざまがよく分かる葬式がいい。映像の葬式に参列した人が帰る時に『きょうの葬式はよかった』と言われた、昔はそういうことはなかった」
東広島市で菓子店を営む世羅大志さん。
今年、3月、お父さんを亡くしました。
【世羅大志さん】
「父がここで饅頭を作って、私が反対側で、真向いで、ここに立つといったら、一人前にならないと立てないというか」
Q:お父さんの場所?
「ここは父の居場所だったので」
世羅さんのお父さんは、広島市で修業したあと、20歳の時にこの店を始めました。
世羅さんのお父さん 「世羅勝也さん 享年 87歳」
世羅さんは、動画を使った葬儀で、お父さんを送りました。
葬儀のために集めた映像には、世羅さんの知らないお父さんが映っていたといいます。
【世羅大志さん】
「明るい父ではあったのですが、リーダー的なこともしていたんだなぁという、そこも私は知らなかったので、こういうところもあったんだなと思えば知らない部分が多かった」
世羅さんは、会合に出席するお父さんをよく送り迎えしたといいます。
【世羅大志さん】
「行き帰りの車の中とか、歩いて行くときに話はしていたんですが、それは家のことではなくて、会員の話や会の話とか、そういう話ばかりで、親子の話ではないですね」
今年、還暦を迎える世良さんには、子どもたちに伝えておきたい思いがありました。
【世羅大志さん】
「息子と娘がいるんですが、大事なところというか、私の思いというのは面と向かっては話がしづらい部分があって」
さて、何をどうやって伝えればいいのか。
【世羅大志さん】
Q:息子さんは店を継いだりは?
「ビデオに残そうかなと。今、面と向かってどうも言えないなと思って・・・」
「自分の思いを伝えたい」そう思う人たちが、今、増えているといいます。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「自分の考え方を伝えたいとか、残したい人は昔からいたと思うが、自身でSNSを発信しているとかブログを書いている人はうちのサービスにものすごく興味を持ってもらっています」
世羅さんの遺言は、まだ、撮影できていません。
【世羅大志さん】
Q:ビデオをとりましたか。
「まだとっていないです。今まとめているところというか・・・どう伝えていこうかなというので」
動画を使った葬儀を始めて1年。
新たな葬儀は、さらに進化しました。
【さいき葬祭・柚木力 社長】
「プライベートな部分の映像は流さないで、直接、喪主に渡す。葬儀屋は葬儀だけしておけばいいのではなくて(亡くなる)前のことから、亡くなったあとのことまでサポートする業界になっています」
世羅さんは、動画の遺言を残すことに、もう一つの意味を見つけていました。
【世羅大志さん】
「新しい遺言かもしれないです。自分に対しても伝えることができるので」
未来の自分に伝える遺言をとろうというのです。
【世羅大志さん】
「10年後にとってもまたいいのかなと思う。節目節目でとって、70歳になったときにまたどうだったのかと」
時々の思いを遺言として残すことは、高齢化社会を生きる「自分の道しるべになる」
世羅さんは、生きていくための遺言を残そうとしています。
【世羅大志さん】
Q:10年前の自分の遺言を見るのも楽しみ?
「楽しみですね。こんなこと言っていたのかって」
<スタジオ>
遺言が自分自身と向き合うそんな機会にもなっているのかもしれませんね。
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田 篤 准教授】(社会情報・メディア論が専門)
「そうですね。日頃から動画をみる。または、自分たちで撮ることをしているからこそ、こういう時代になってきたんだと思います。そして、遺言として動画というのは説得力があるので、残す方としても、動画というのは選択肢として、今後、広がりそうですね」