「ノーベル平和賞」授賞式 日本被団協・田中熙巳代表委員が演説「核兵器は非人道的な殺りく兵器」 

12/11(水) 11:02

ノーベル平和賞の授賞式が日本時間の10日夜、ノルウェーの首都オスロで開かれ、長年、核兵器廃絶を訴えてきた「日本被団協」が受賞しました。

【若木記者】
「こちら、まもなく授賞式が行われるオスロ市庁舎のホールです。すでに準備は完了していて、たくさんのメディアがかけつけています。日本被団協代表委員の3人は、ステージ右側の椅子に座るということです」

日本時間の10日午後9時…授賞式が始まり、日本被団協を代表して田中熙巳さん、田中重光さん、箕牧智之さんら代表委員3人が入場しました。

【ノーベル委員会・フリードネス委員長】
「日本被団協と、広島と長崎の被爆者たちの絶え間ない努力が、核兵器使用から私たちを守るための道徳的・国際法上の防波堤を築く過程に強く貢献してきました」

フリードネス委員長は被爆者たちの長年の活動を評価した上で、「被爆者の体験談に耳を傾けましょう」と呼びかけました。

その後、壇上では日本被団協を代表し、田中熙巳さんら代表委員3人がメダルと賞状を受け取りました。

会場では13歳の時に長崎で被爆した田中熙巳さんが自身の被爆体験を交えながら20分間の演説を行いました。

【日本被団協・田中熙巳代表委員】
「一発の原子爆弾は私の身内5人を無残な姿に変え一挙に命を奪ったのです。その時目にした人々の死にざまは、人間の死とはとても言えないありさまでした」

演説で田中さんは「核兵器は極めて非人道的な殺りく兵器であり、人類とは共存させてはならない」と核兵器廃絶を強く訴えるとともに、「私たちがやってきた運動を次の世代のみなさんが工夫して築いていくことを期待している」と強調しました。

スピーチが終わると参列者はスタンディングオベーションで応え、会場は割れんばかりの拍手に包まれました。