ノーベル平和賞授賞式 広島でも喜びの声 核兵器廃絶に向けて「決意を固める」機会に

12/11(水) 12:00

ノーベル平和賞の授賞式が日本時間の昨夜、ノルウェーの首都オスロで開かれ、長年、核兵器廃絶を訴えてきた「日本被団協」が受賞しました。

日本時間の10日午後9時、授賞式が始まり、日本被団協を代表して田中熙巳さん、田中重光さん、箕牧智之さんの代表委員3人が入場しました。
壇上では日本被団協を代表し、代表委員3人がメダルと賞状を受け取りました。

【日本被団協・田中熙巳代表委員】
「一発の原子爆弾は私の身内5人を無残な姿に変え一挙に命を奪ったのです。その時目にした人々の死にざまは人間の死とはとても言えないありさまでした」

会場では13歳の時に長崎で被爆した田中熙巳さんが自身の被爆体験を交えながら演説しました。

田中さんは「核兵器は極めて非人道的な殺りく兵器であり、人類とは共存させてはならない」と核兵器廃絶を強く訴えるとともに、「私たちがやってきた運動を次の世代のみなさんが工夫して築いていくことを期待している」と強調しました。
スピーチが終わると会場は割れんばかりの拍手に包まれました。

一方、同じ時刻に広島市内では…

【久保田千晶記者】
「原爆資料館の会場には授賞式を前に多くの人がつめかけています」

祝賀式典には、被爆者や市民、観光客などおよそ300人が参加しました。

【茨城から来た中学2年生】
「(被爆者が)長い間思いを伝えてきたことが形になったのを見られてとてもうれしかった」

日本被団協の結成に尽力した森瀧市郎さんの娘で自身も平和活動に携わる春子さんは、核廃絶に向けて「決意を固める」機会にしなければと考えています。

【森瀧春子さん】
「実は非常に感動しました。連帯してともに頑張っていこうという姿勢が非常に強く打ち出されていたんですね。(父が)この現代に生きていたら(受賞は)かなり評価すると思います」