国が「被爆２世」への援護措置を怠ってきたことは憲法に違反するとして被爆２世が国に損害賠償を求めた裁判の控訴審で、広島高裁は一審判決を不服とした原告の訴えを退けました。

訴えを起こしているのは広島や山口などに住む被爆２世の男女２７人です。
訴状などによりますと、原告は、原爆の『遺伝的影響』の可能性について、「否定できない」と主張。援護の対象としないのは憲法に違反するとして、国に損害賠償を求めています。

一審の広島地裁は『遺伝的影響』の可能性について「通説的見解や有力な見解となっていない」と原告側の訴えを棄却しました。

１３日の裁判で広島高裁の高宮健二裁判長は「放射線を直接浴びた被爆者と被爆二世とでは放射線の影響は医学的・科学的知見に顕著な違いがある」として一審判決を支持し、原告の訴えを退けました。

【原告団・寺中正樹副団長】
「私たちがどれだけ苦しんで生きてきたかということに全く向き合ってないっていうのがとても許せない」

原告団は最高裁に上告する方針です。