美食の街パリから海外市場へ! 「寿司、ラーメンの次はお好み焼き」 日本の食や文化を売り込む

12/18(水) 20:30

日本文化の魅力を世界に発信するイベントが先日、フランス・パリで開催されました広島や山口の自治体や企業の取組みに注目します。

食の都・フランス・パリ食文化を中心にさまざまな分野で、日本の企業が多く進出しています。
広島に本社を構えるオタフクソースも今年6月、パリに拠点を構えました。
パリ支店の朝倉さんと宇佐川さんです。
2人に課せられた使命、それは、ヨーロッパでお好み焼きの味を広めることです。

【オタフクソース・宇佐川絢子さん】
「広島から出張で1~2カ月に一回ヨーロッパに来て営業活動をしていたが、パリに支店を置くことでお客様との距離が近くなるので、訪問する機会も増えますし、お好み焼きを食べていただく機会もぐんと増えると思うので、ここに支店を開設してよかったんじゃないかと思う」

営業ツールとして欠かせないのは、現地で日本の味を知ってもらうためのサンプル。

【オタフクソース・宇佐川絢子さん】
「天かすの事例なんですが、天かすをどういうメニューに使えるかを写真で見える化して、お客様にイメージしてもらいやすいように工夫しています」

この日、2人が訪れたのは、パリで開業して10年のお好み焼き店「OKOMUSU」。
日本の味はそのままに鉄板はベジタリアン用を用意するなど、その土地の風習に合わせたお好み焼きをふるまっています。
パリでお好み焼きを提供している店は4軒。
思いは同じ。
日本食を世界に広めるためフランスでの成功がみんなの目標です。

【OKOMUSU・田淵寛子さん】
「(支店ができて)心強いです。普段から地元の人とか年配の方が来てくれるのは定着したという実感がありますね」

今月上旬、パリ市内の一角で行われた日本の食文化などを紹介するイベントに2人も参加しました。
イベントには広島市と廿日市市、そして山口県から岩国市や萩市が参加。
さらに、それぞれのエリアに拠点を置く4つの企業が協力します。
この取り組みにはパリ国際大学都市に留学中の日本人学生も参加しました。

【参加した日本人留学生は】
「楽しみですね。パリでもおにぎり売ってて結構人気なので行列できていたり」

課題は日本の文化をどうやって伝えるかです。

「味の表現とかフランス語で喋ってもらうかもしれない」

オタフクソースのほかに海産物を加工・販売する萩の井上商店。
日本酒「獺祭」の岩国・旭酒造、けん玉を展開する廿日市のイワタ木工などが出店しました。
海外での販路拡大を目指す企業にとってフランスの市場は大きな意味を持つといいます。

【在フランス日本国大使館・山谷裕幸公使】
「フランスにビジネス展開して、フランスに評価され受け入れられ、フランス人が飛びつくものはヨーロッパ市場全体さらに世界市場に向けて商品や魅力を発信するブランディングとして最適ではないか」

イベントに来たフランス人の反応は?

【フランスのお客さんは】
「新しい文化を紹介してもらえれてとても楽しい時間になりました」
「もともとは日本に行ってみたい国だったのですが、数年以内に必ず行きたいと思うイベントでした」
「すごく良かったです。広島の文化を発見できるのがすごくいいと思います」

会場ではオタフクソースの2人もお好み焼きをふるまいます。

【オタフクソース・宇佐川絢子さん】
「現地の味にローカライズするのではなく、基本的には日本のオリジナルなものを食べてもらいたい。おいしいと言ってもらえるものをこちらでも流行らせたい」

会場はお好み焼きのおいしそうな匂いだけでなく参加者の笑顔でいっぱいです。
フランスから海外の市場を切り開きたい。
ビジネスとしてだけでなく日本文化を広める取り組みはまだ始まったばかりです。

【旭酒造株式会社・山森健成さん】
「美食の街フランス・パリでどんどん認められて、いまのワインの立ち位置のように「獺祭」が広く色んな所で飲まれていく。そんな文化を作っていけたらといいなと」

【株式会社井上商店・柳井正司さん】
「吉田松陰が黒船に乗って海外を見たかったというストーリーもあるのですが、それをいま令和に生きる私たちがこういう商品を海外に届けるというのは、ひとつの意味があると思います」

【イワタ木工・岩田知真代表取締役】
「僕は英語が喋れないのですが、けん玉が成功したら喜ぶのはどこの国でも同じだなと思いました。楽しんでもらえる姿を見れてうれしいです」

【オタフクソース・宇佐川絢子さん】
「まだまだ知名度的には寿司とか天ぷらとかラーメンに比べるとかなり低いので、そこをネクストブームとしてお好み焼きを持ってこられるよう頑張っていきたい」

フランスから世界へ。
挑戦は続きます。