路線バスの利用者が年々減少する福山市で、バスに乗るきっかけを作ろうと、ほぼ全ての路線が運賃無料となる取り組みが始まりました。

【山北陸斗記者】
「ＪＲ福山駅前のバスターミナルです。きょうから１週間、画期的な取り組みが行われましてバスの運賃が無料になります」

この取り組みは福山市が路線バスに乗るきっかけを作ろうと初めて企画しました。
福山市内を走る路線バスは昨年度８５路線で、コロナ禍を機に１割以上減少し、誰もが安心して利用できる公共交通網づくりが課題となっています。

期間中は高速バスなどを除いた市内を発着するほぼ全ての路線で運賃が無料となり、誰でも、何度でも利用することができます。

【利用客は】
「バスはそんなに乗らないけど、この機会に府中や尾道に行ったりして色々したい」

【福山市都市交通課・荒平信行課長】
「地域の移動手段としてバスを残していきたいので、ぜひこの機会にバスに乗っていただきたい」

《スタジオ》
ここからは「ゲンバ推し」取材した山北記者です。
よろしくお願いします。
山北さん、それにしても太っ腹な取り組みですね。

【山北記者】
「１週間通しでやるのは全国的に見ても珍しい取り組みですが、ちなみに最もお得に乗れる区間はこちら。
福山駅前から庄原市東城まで向かう路線で片道１８２０円が無料になります。
また尾道市やお隣、岡山県笠岡市など市をまたぐ移動も無料となります」

インタビューでもおっしゃってましたけど、行ったことないところに行ってみようかなっていう気持ちになりますね。

【山北記者】
「今回の取り組みの理由ですが、バスの利用者が減っていることが大きく挙げられます。福山市によりますと、去年１０月から今年９月までのバスの利用者数はおよそ３５８万人で、１０年前と比べるとおよそ９５万人近く減少しています。
市は昨年度、バス事業者の赤字を補填するためにおよそ１億２７００万円の補助金を出すなど、公共交通を取り巻く環境は厳しくなっています」

運転士のなり手不足などで路線の維持が困難な状況にあるのは、全国的な問題となっていますよね。

【山北記者】
「そうですね。福山は車を使う方が多い地域ですが、慢性的な道路渋滞もありバスに頼る住民もやはり一定数います。こうした課題から路線バスの維持は必要なので、この取り組みで少しでも多くの方がバスに乗るきっかけとなってほしいです」