高校生が開発「レモンカレーパン」が人気 店舗での販売が決定「広島の名物になったら面白い」
12/19(木) 20:30
今月、広島市内で、高校生が開催した新商品を開発して販売するイベント。
ビジネスを学ぶ授業の一環として行われましたが、最後は意外な結果が待っていました。
今月、安佐北区の商業施設で、開催されたイベント。
高陽東高校でビジネスイノベーションの科目を学ぶ生徒たちが開催する「東市(あずまいち)」と呼ばれる販売実習です。
地域貢献を前提に行われ、売り上げの収益は地域に寄付されます。
去年までは既製品を仕入れて販売していましたが、今年から商品のほとんどを業者と共同開発したオリジナル商品にしました。
【高陽東高校・山村聡主幹教諭】
「商品開発と流通やマーケテイングの授業もあるので、実際に物を作るにはどのような苦労があるのかを学ぶことができればと考えました」
イベントの準備は、新商品の開発から始まります。
このチームは、カレーパンの販売を企画しました。
高校の近くにある広島カレーパン研究所。
宮島や広島市内で、カレーパンの専門店を経営しています。
【廣島カレーパン研究所 大瀬戸尚社長・高陽東高校3年 岡田大翔さん】
「何でうちを選んでくれたの?」
「最初にカレーパンを売りたいと決めた時にいろいろ調べていたら、カレーパン研究所があって研究してくれるかもと思った」
「そうなんだ」
実は、社長は高陽東高校のOB。
自身の高校時代を振り返って思うことがありました。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「僕は後悔している。高校の頃はダラダラやっていたので体育祭や文化祭は参加するけど、クラスみんなで何かやるとかあったが、あんまり参加していなかった」
高校時代の後悔が、大瀬戸社長の心に火をつけました。
つい厳しい言葉が飛び出します。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「俺がこの商品を宮島本店で売りますかと言ったら多分売らない。紙屋町店でも売らないと思う。結局きれいごとではないので、結局はお客さんが買ってくれるかどうかだし」
イベントとは言え、これはビジネスを学ぶ授業の一環です。
【高陽東高校3年 岡田大翔さん・廣島カレーパン研究所 大瀬戸尚社長】
「去年は10時開催にしていて9時半から開始した時に、10時から楽しみにして来たお客さんに(商品が)ないと言われた」
「その通りなんですよ」
社長の熱量に生徒の表情が変わっていきます。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「おいしいものを作るって思っていてお客さんできました。俺たち自信ありますって売ってせっかく(商品を)置いたのにさっさとなくなって足を運んでくれたお客さんに商品が渡せなかった。そんな悔しいことはない」
ビジネスの厳しさを知る。
商品開発は多難なスタートを切りました。
【高陽東高校3年・岡田大翔さん】
「提案した商品が「いいじゃん」みたいな感じになるという想定をしていたのですが、そううまくはいかないと思いました」
イベントに向けて、やることはたくさんあります。
チラシやポップ、プロモーションも商品販売には大切なポイントです。
今回、初めて地元の小学生と一緒に商品のポップ作りをすることにしました。
東市に出店するのは、カレーパンを含めて5チーム。
それぞれ店や企業と共同でオリジナル商品を作ります。
【シフォンケーキ担当】
Q:何を売るんですか?
「シフォンケーキを売ります」
Q:アイデア出しました?
「アイデアを先に自分たちが考えて出してお店の人が作ってくれた」
試作品完成の連絡が入りました。
開発したのは、3種類のカレーパンです。
【廣島カレーパン研究所 城迫秀和常務・工場長】
「何回か、3回4回カレーを変えたり味付けを変えてみたりして、最終的に自信のあるものができたので」
最大の課題だったのは、レモンカレーパン。
数々のカレーパンを作ってきた城迫さんもレモンを使うのは初めてでした。
【廣島カレーパン研究所・城迫秀和常務・工場長】
「レモンは意外とうまいなと思って、完成度が高いのではないか。それこそレモンが一番自信があった商品になったので」
提案した生徒たち、不安と期待が入り混じります。
もしかしたら、ヒット商品になるかも…
やってみなければ分からない。
これがビジネスの面白さです。
【廣島カレーパン研究所 城迫秀和常務・工場長】
「真新しさ、それがもしかしたら広島の名物になったら面白いなと」
【高陽東高校3年・岡田大翔さん】
「前回までは作りたいという頭の中でのものしかなかったが、今回こうやって形になってもっと熱意がわいてきました」
Q:これなら売れる?
「絶対売れます」
そして迎えた「東市」、当日。
一緒にポップを作った地元の小学生たちも手伝いにやってきました。
お客さんは、各ブースに並んだ新商品に興味津々です。
心配していたレモンカレーパン、1番人気です。
【高陽東高校3年・岡田大翔さん】
「ちょっとほっとしています。めちゃ不安だったんです売れるかどうか。スタートが良かったので」
【お客さん】
Q:レモンカレーパンはどう?
「おいしい。今まで見たことがありません」
Q:おいしい?
「おいしい」
この日は寒気が入り込んで、あいにくの寒さ。
さすがに、こちらの商品は苦戦中。
【アイス担当】
「もうちょっと暖かかったらいいですね。これからお昼にかけて追い上げていきます」
この状況に、すかさず小学生軍団が応援に入ります。
「シェイクが売れるように「いかかですか。シェイクいかがですか」ってシェイクの応援をしましょう」
スタートからしばらくして、大瀬戸社長と城迫さんがやってきました。
やっぱり後輩たちが気になります。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「早くに売り切れるんじゃない。レモンカレーパン大丈夫?」
(まだ裏にあります)
「追加で作れなんて言わないでよ」
レモンカレーパンの売れ行きに、社長も一安心です。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
Q:レモンカレーパンは売らないって言いましたよね。
「売らないって(言った)。今までパン屋人生を30年やってきたけど(レモンのパンは)売れたことがないからすぐはねた。こういう上司がだめなんです。何でもやってみようとやらせないと、それでもやりたいってやったので「うまい」ってなった。そこが大事です。勉強になります」
商品を開発する難しさ、販売する楽しさ。
高陽東高校の「東市」は、今年、新商品の開発と地元との連携という新たな一歩を踏み出しました。
さて、来年、後輩たちはどんな進化を見せてくれるのでしょうか。
《スタジオ》
高陽東高校の東市ですが、その後、新たな展開がありました。
高校生たちが提案して完成した「レモンカレーパン」。
打合せの段階で、「こんなの売らない」と反対していた社長が、なんと市内の店舗での販売を決定したというんです。
すでに販売されているということですが、社長曰く「僕も古くなったのかな?新しい発想をやってみることが大切です」ということです。
まさに、プロが[参りました」という感じです。
安部さん「反対されてもやり通す」。
新しいものを作り出す時には、そんな思いが大切なんでしょうね?
【コメンテーター:元カープ・安部友裕さん】
「本当にやらないとわからない。まさにこういうことですね。経験にもなりますし、もしダメだとしても次にどうしようかとなります。僕も起業した時にある方から、ビジネスをやる上でいい商品が売れるんじゃない。売れる商品が良い商品なんだと言われました。それが本質かなと思って今、模索しながら考えながらやっています」
ビジネスを学ぶ授業の一環として行われましたが、最後は意外な結果が待っていました。
今月、安佐北区の商業施設で、開催されたイベント。
高陽東高校でビジネスイノベーションの科目を学ぶ生徒たちが開催する「東市(あずまいち)」と呼ばれる販売実習です。
地域貢献を前提に行われ、売り上げの収益は地域に寄付されます。
去年までは既製品を仕入れて販売していましたが、今年から商品のほとんどを業者と共同開発したオリジナル商品にしました。
【高陽東高校・山村聡主幹教諭】
「商品開発と流通やマーケテイングの授業もあるので、実際に物を作るにはどのような苦労があるのかを学ぶことができればと考えました」
イベントの準備は、新商品の開発から始まります。
このチームは、カレーパンの販売を企画しました。
高校の近くにある広島カレーパン研究所。
宮島や広島市内で、カレーパンの専門店を経営しています。
【廣島カレーパン研究所 大瀬戸尚社長・高陽東高校3年 岡田大翔さん】
「何でうちを選んでくれたの?」
「最初にカレーパンを売りたいと決めた時にいろいろ調べていたら、カレーパン研究所があって研究してくれるかもと思った」
「そうなんだ」
実は、社長は高陽東高校のOB。
自身の高校時代を振り返って思うことがありました。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「僕は後悔している。高校の頃はダラダラやっていたので体育祭や文化祭は参加するけど、クラスみんなで何かやるとかあったが、あんまり参加していなかった」
高校時代の後悔が、大瀬戸社長の心に火をつけました。
つい厳しい言葉が飛び出します。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「俺がこの商品を宮島本店で売りますかと言ったら多分売らない。紙屋町店でも売らないと思う。結局きれいごとではないので、結局はお客さんが買ってくれるかどうかだし」
イベントとは言え、これはビジネスを学ぶ授業の一環です。
【高陽東高校3年 岡田大翔さん・廣島カレーパン研究所 大瀬戸尚社長】
「去年は10時開催にしていて9時半から開始した時に、10時から楽しみにして来たお客さんに(商品が)ないと言われた」
「その通りなんですよ」
社長の熱量に生徒の表情が変わっていきます。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「おいしいものを作るって思っていてお客さんできました。俺たち自信ありますって売ってせっかく(商品を)置いたのにさっさとなくなって足を運んでくれたお客さんに商品が渡せなかった。そんな悔しいことはない」
ビジネスの厳しさを知る。
商品開発は多難なスタートを切りました。
【高陽東高校3年・岡田大翔さん】
「提案した商品が「いいじゃん」みたいな感じになるという想定をしていたのですが、そううまくはいかないと思いました」
イベントに向けて、やることはたくさんあります。
チラシやポップ、プロモーションも商品販売には大切なポイントです。
今回、初めて地元の小学生と一緒に商品のポップ作りをすることにしました。
東市に出店するのは、カレーパンを含めて5チーム。
それぞれ店や企業と共同でオリジナル商品を作ります。
【シフォンケーキ担当】
Q:何を売るんですか?
「シフォンケーキを売ります」
Q:アイデア出しました?
「アイデアを先に自分たちが考えて出してお店の人が作ってくれた」
試作品完成の連絡が入りました。
開発したのは、3種類のカレーパンです。
【廣島カレーパン研究所 城迫秀和常務・工場長】
「何回か、3回4回カレーを変えたり味付けを変えてみたりして、最終的に自信のあるものができたので」
最大の課題だったのは、レモンカレーパン。
数々のカレーパンを作ってきた城迫さんもレモンを使うのは初めてでした。
【廣島カレーパン研究所・城迫秀和常務・工場長】
「レモンは意外とうまいなと思って、完成度が高いのではないか。それこそレモンが一番自信があった商品になったので」
提案した生徒たち、不安と期待が入り混じります。
もしかしたら、ヒット商品になるかも…
やってみなければ分からない。
これがビジネスの面白さです。
【廣島カレーパン研究所 城迫秀和常務・工場長】
「真新しさ、それがもしかしたら広島の名物になったら面白いなと」
【高陽東高校3年・岡田大翔さん】
「前回までは作りたいという頭の中でのものしかなかったが、今回こうやって形になってもっと熱意がわいてきました」
Q:これなら売れる?
「絶対売れます」
そして迎えた「東市」、当日。
一緒にポップを作った地元の小学生たちも手伝いにやってきました。
お客さんは、各ブースに並んだ新商品に興味津々です。
心配していたレモンカレーパン、1番人気です。
【高陽東高校3年・岡田大翔さん】
「ちょっとほっとしています。めちゃ不安だったんです売れるかどうか。スタートが良かったので」
【お客さん】
Q:レモンカレーパンはどう?
「おいしい。今まで見たことがありません」
Q:おいしい?
「おいしい」
この日は寒気が入り込んで、あいにくの寒さ。
さすがに、こちらの商品は苦戦中。
【アイス担当】
「もうちょっと暖かかったらいいですね。これからお昼にかけて追い上げていきます」
この状況に、すかさず小学生軍団が応援に入ります。
「シェイクが売れるように「いかかですか。シェイクいかがですか」ってシェイクの応援をしましょう」
スタートからしばらくして、大瀬戸社長と城迫さんがやってきました。
やっぱり後輩たちが気になります。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
「早くに売り切れるんじゃない。レモンカレーパン大丈夫?」
(まだ裏にあります)
「追加で作れなんて言わないでよ」
レモンカレーパンの売れ行きに、社長も一安心です。
【廣島カレーパン研究所・大瀬戸尚社長】
Q:レモンカレーパンは売らないって言いましたよね。
「売らないって(言った)。今までパン屋人生を30年やってきたけど(レモンのパンは)売れたことがないからすぐはねた。こういう上司がだめなんです。何でもやってみようとやらせないと、それでもやりたいってやったので「うまい」ってなった。そこが大事です。勉強になります」
商品を開発する難しさ、販売する楽しさ。
高陽東高校の「東市」は、今年、新商品の開発と地元との連携という新たな一歩を踏み出しました。
さて、来年、後輩たちはどんな進化を見せてくれるのでしょうか。
《スタジオ》
高陽東高校の東市ですが、その後、新たな展開がありました。
高校生たちが提案して完成した「レモンカレーパン」。
打合せの段階で、「こんなの売らない」と反対していた社長が、なんと市内の店舗での販売を決定したというんです。
すでに販売されているということですが、社長曰く「僕も古くなったのかな?新しい発想をやってみることが大切です」ということです。
まさに、プロが[参りました」という感じです。
安部さん「反対されてもやり通す」。
新しいものを作り出す時には、そんな思いが大切なんでしょうね?
【コメンテーター:元カープ・安部友裕さん】
「本当にやらないとわからない。まさにこういうことですね。経験にもなりますし、もしダメだとしても次にどうしようかとなります。僕も起業した時にある方から、ビジネスをやる上でいい商品が売れるんじゃない。売れる商品が良い商品なんだと言われました。それが本質かなと思って今、模索しながら考えながらやっています」