刑務所で保護犬を育てる 「優しい気持ちを思い出した」受刑者の社会復帰へ 全国初の試み
12/19(木) 18:35
尾道市の刑務所で始まった保護犬を育てることで受刑者の更生を支援する、全国初の取り組みを取材しました。
こちらの写真。何気ない犬の散歩の様子に見えますが…犬を連れて歩く男性は受刑者。そして、散歩しているのは受刑者を収容する刑務所の塀の近くです。
尾道刑支所では保護された犬を育てることで受刑者の更生を支援する取り組みをスタート。
広島矯正管区と犬の保護活動を行っているNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が連携して試験的に始めた全国初の取り組みです。
【尾道刑務支所・津村省吾看守部長】
「刑務所に入った中で、周りから指示される教育を受ける立場から、今度は傷ついている保護犬を支えてあげる、指導に役に立っていける」
今回参加した8人の受刑者が行うのは、人と保護犬の信頼関係を築くトレーニング。
「たぶん正面から来られると怖いので、そうですね。最初、こっちのほうがいいです。こうだと圧が、プレッシャーがある。こっちの手で触ってあげてください。そうです、そうです」
かわいらしい犬の様子に受刑者たちの表情も思わず緩みます。
犬にリードをつけて歩くトレーニングでは、犬の名前を呼んで振り向かせておやつをあげることにも挑戦。
「3、4歩進んだら(おやつを)あげましょう
※保護犬のロバートと散歩する受刑者
「素晴らしいですね」
※「ロバート」と声をかける受刑者
「今、すごくいいタイミングでしたね。ありがとうございます」
保護された犬を育てるという初めての取り組みに受刑者の心にも変化がー
【プログラムを受けた受刑者(30代)】
「思い出しましたね。自分がちゃんと外で生活できてたこととか。刑務所の中だと、こういう風に何かに対して優しい気持ちになることはあんまりないので」
参加した担当者も今回の取り組みを通じて受刑者たちの社会復帰に貢献したいとしています。
【NPO法人ピースウィンズ・ジャパン プロジェクトマネージャー・仁尾愛美さん】
「犬とかかかわっている時の皆さんの表情が本当に明るくてすごい笑顔なので。少しでも更生につながるように私たちも一緒にワンちゃんも含めてやりたいと思っています」
【尾道刑務支所・津村省吾看守部長】
「他者への共感性、思いやりの気持ち、そういった他人に優しくできるような人間的な成長と、社会復帰に向けた立ち直りの場としてのプログラムになればいいなと」
広島矯正管区は12回のプログラムを実施し、効果があると判断すれば正式なプログラムとして取り入れる予定にしています。
<スタジオ>
取材した毛利記者によると、受刑者は犬だけではなく、刑務官以外の人とも接することができるため、出所後の生活をイメージできるというメリットもあるようなんです。
一方で保護された犬は、野犬が多くて人に慣れていないということですから、今回の取り組みで、犬にとっても多くの人と触れ合うトレーニングになるということなんです。
この刑務所だけではなく、受刑者だけではなく、高齢者施設でのドッグセラピーなどもありますし、動物と一緒に過ごすって大切な時間かもしれませんね。
【コメンテーター:JICA中国・新川美佐絵さん】
「犬から癒しを貰うということもあるでしょうけども、看守部長さんおっしゃっていた通り、もしかしたら自分に居場所がない人間関係が構築できなかったという方がいらっしゃったとすると、こういうところで誰かのために、社会のために役立つという自己肯定感が高まることで更生につながる。いい効果が出ることに期待したいと思います」
この広島矯正管区では松江刑務所でも行っているということで、刑務所によりますとノウハウや設備などのハードルはあるようですが、クリアしていきたいということでした。
こちらの写真。何気ない犬の散歩の様子に見えますが…犬を連れて歩く男性は受刑者。そして、散歩しているのは受刑者を収容する刑務所の塀の近くです。
尾道刑支所では保護された犬を育てることで受刑者の更生を支援する取り組みをスタート。
広島矯正管区と犬の保護活動を行っているNPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」が連携して試験的に始めた全国初の取り組みです。
【尾道刑務支所・津村省吾看守部長】
「刑務所に入った中で、周りから指示される教育を受ける立場から、今度は傷ついている保護犬を支えてあげる、指導に役に立っていける」
今回参加した8人の受刑者が行うのは、人と保護犬の信頼関係を築くトレーニング。
「たぶん正面から来られると怖いので、そうですね。最初、こっちのほうがいいです。こうだと圧が、プレッシャーがある。こっちの手で触ってあげてください。そうです、そうです」
かわいらしい犬の様子に受刑者たちの表情も思わず緩みます。
犬にリードをつけて歩くトレーニングでは、犬の名前を呼んで振り向かせておやつをあげることにも挑戦。
「3、4歩進んだら(おやつを)あげましょう
※保護犬のロバートと散歩する受刑者
「素晴らしいですね」
※「ロバート」と声をかける受刑者
「今、すごくいいタイミングでしたね。ありがとうございます」
保護された犬を育てるという初めての取り組みに受刑者の心にも変化がー
【プログラムを受けた受刑者(30代)】
「思い出しましたね。自分がちゃんと外で生活できてたこととか。刑務所の中だと、こういう風に何かに対して優しい気持ちになることはあんまりないので」
参加した担当者も今回の取り組みを通じて受刑者たちの社会復帰に貢献したいとしています。
【NPO法人ピースウィンズ・ジャパン プロジェクトマネージャー・仁尾愛美さん】
「犬とかかかわっている時の皆さんの表情が本当に明るくてすごい笑顔なので。少しでも更生につながるように私たちも一緒にワンちゃんも含めてやりたいと思っています」
【尾道刑務支所・津村省吾看守部長】
「他者への共感性、思いやりの気持ち、そういった他人に優しくできるような人間的な成長と、社会復帰に向けた立ち直りの場としてのプログラムになればいいなと」
広島矯正管区は12回のプログラムを実施し、効果があると判断すれば正式なプログラムとして取り入れる予定にしています。
<スタジオ>
取材した毛利記者によると、受刑者は犬だけではなく、刑務官以外の人とも接することができるため、出所後の生活をイメージできるというメリットもあるようなんです。
一方で保護された犬は、野犬が多くて人に慣れていないということですから、今回の取り組みで、犬にとっても多くの人と触れ合うトレーニングになるということなんです。
この刑務所だけではなく、受刑者だけではなく、高齢者施設でのドッグセラピーなどもありますし、動物と一緒に過ごすって大切な時間かもしれませんね。
【コメンテーター:JICA中国・新川美佐絵さん】
「犬から癒しを貰うということもあるでしょうけども、看守部長さんおっしゃっていた通り、もしかしたら自分に居場所がない人間関係が構築できなかったという方がいらっしゃったとすると、こういうところで誰かのために、社会のために役立つという自己肯定感が高まることで更生につながる。いい効果が出ることに期待したいと思います」
この広島矯正管区では松江刑務所でも行っているということで、刑務所によりますとノウハウや設備などのハードルはあるようですが、クリアしていきたいということでした。