広島修道大学に「農学部」設置へ 環境問題や食料資源などの課題解決めざす 大学の生き残りかけ独自色を
12/24(火) 18:55
文系の総合大学だった広島修道大学が理系の「農学部」新設に向け動き出しました。その狙いを「ツイセキ」します。
【五十川記者】
「大学のキャンパス内なんですが、自治体や広島を代表する企業の担当者が分野を超えて集まっています」
広島修道大学で開かれた、「農学部」設置のための初めての協議会。
【広島修道大学・矢野泉 学長】
「広島という地域の特徴を生かした教育・研究とは何か、重要な 食・農・生き物・環境の分野の専門性を高めていくということを決定して農学部の設置に取り組んでいます」
2027年春の新設を目指し、「産学官」の協議会でカリキュラムの内容や社会で求められる人材育成について意見などを取りまとめ、実際の運営に反映させる考えです。
【協議会の委員 県農林水産局・向井雅史さん】
「(実際に)問題意識をもってもらい学問を勉強してもらうと、より即戦力といいますか、広島県の課題を解決する人材が育成されるのではと思っています」
広島市安佐南区にキャンパスを構える修道大には、現在、7学部13学科があります。
およそ6200人が通う県内最大の私立大学ですが、理系の学部設置は初めてで、「農学部」としては県内初となります。
【広島修道大学・矢野泉 学長】
「各地で抱える農業に関する問題を先導していくような立場になれるのでは。広島修道大学らしい農学部のあり方を掘り下げていきたい」
<スタジオ>
少子化が進む中、国は理系の人材育成=いわゆる「デジタル・グリーン」などの成長分野に対応する大学などに支援事業を行っていて、県内でも学部・学科の再編の動きが加速しています。
広島修道大学の他、安田女子大学は来年度から、女子大として国内初という理工学部を設置、広島工業大学もいまある学部と学科を再編し、来年度から新たな学科が誕生します。
さらに公立の福山市立大学も2027年、情報工学部を新たに開設しようとしています。
それぞれの大学が今まで以上に時代の流れを読み取り、存在意義を見出そうとする中、広島修道大学はなぜ、農学部なんでしょうか。
【五十川記者】
「大学の中に畑などもできると…?」
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「小さなものになると思いますけれど、部分的には作ろうと…」
【五十川記者】
「どの辺につくるかはまだ…」
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「それはまだ本当に決まっていないんですよ」
広島修道大学の増田尚史副学長は、「まだ構想段階で決まっていないことが多い」としながらも、従来のイメージにとらわれない「新しい農学部」をつくろうとしています。
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「農学部と言っても作物を育てたりすることだけではないので、農作物を作りますというよりも、それをどう加工するのかとか、どうやって物流にのせて、消費地に送っていくのかとか、最終的に食料品としてご家庭のテーブルにのせていくのかというところまで視野に入れているので」
社会のニーズに応えるとして「食農科学科」「生物科学科」「環境学科」の3つの学科を作り、環境問題や地方創生、食料資源の安定的な供給など、今の社会が直面する課題解決を目指します。
少子化で18歳人口が減少する中、大学独自の色を出したい危機感も根底にあります。
【五十川記者】
「私立の大学はどんな時代に来ていると思いますか」
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「淘汰でしょうね。淘汰の時代でしょうね。生き残っていかないといけない時代になってきたと思います」
<スタジオ>
改めて、近年の18歳人口と全国の私立大学の推移を見てみますと、若者が減る中で私立大学の横ばい・微増という現状があります。しかし、少子化本当に恐ろしいなと思います。
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「本当に深刻な問題ですが、一方で『理系人材が不足している』ということを文部科学省も言われていまして、それを増やしていこうと。それはすごくいい政策だと思うんですけど、一方で理系・文系ってあんまり区分けすること自体も本当に意味があるのかなって、私は思っています。今回こうやって理系学部ができることによって、周りの人たちが『理系苦手じゃない人材』となってくるっていう、ここがすごく僕は肝になっていくんじゃないかと思います」
【五十川記者】
「大学のキャンパス内なんですが、自治体や広島を代表する企業の担当者が分野を超えて集まっています」
広島修道大学で開かれた、「農学部」設置のための初めての協議会。
【広島修道大学・矢野泉 学長】
「広島という地域の特徴を生かした教育・研究とは何か、重要な 食・農・生き物・環境の分野の専門性を高めていくということを決定して農学部の設置に取り組んでいます」
2027年春の新設を目指し、「産学官」の協議会でカリキュラムの内容や社会で求められる人材育成について意見などを取りまとめ、実際の運営に反映させる考えです。
【協議会の委員 県農林水産局・向井雅史さん】
「(実際に)問題意識をもってもらい学問を勉強してもらうと、より即戦力といいますか、広島県の課題を解決する人材が育成されるのではと思っています」
広島市安佐南区にキャンパスを構える修道大には、現在、7学部13学科があります。
およそ6200人が通う県内最大の私立大学ですが、理系の学部設置は初めてで、「農学部」としては県内初となります。
【広島修道大学・矢野泉 学長】
「各地で抱える農業に関する問題を先導していくような立場になれるのでは。広島修道大学らしい農学部のあり方を掘り下げていきたい」
<スタジオ>
少子化が進む中、国は理系の人材育成=いわゆる「デジタル・グリーン」などの成長分野に対応する大学などに支援事業を行っていて、県内でも学部・学科の再編の動きが加速しています。
広島修道大学の他、安田女子大学は来年度から、女子大として国内初という理工学部を設置、広島工業大学もいまある学部と学科を再編し、来年度から新たな学科が誕生します。
さらに公立の福山市立大学も2027年、情報工学部を新たに開設しようとしています。
それぞれの大学が今まで以上に時代の流れを読み取り、存在意義を見出そうとする中、広島修道大学はなぜ、農学部なんでしょうか。
【五十川記者】
「大学の中に畑などもできると…?」
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「小さなものになると思いますけれど、部分的には作ろうと…」
【五十川記者】
「どの辺につくるかはまだ…」
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「それはまだ本当に決まっていないんですよ」
広島修道大学の増田尚史副学長は、「まだ構想段階で決まっていないことが多い」としながらも、従来のイメージにとらわれない「新しい農学部」をつくろうとしています。
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「農学部と言っても作物を育てたりすることだけではないので、農作物を作りますというよりも、それをどう加工するのかとか、どうやって物流にのせて、消費地に送っていくのかとか、最終的に食料品としてご家庭のテーブルにのせていくのかというところまで視野に入れているので」
社会のニーズに応えるとして「食農科学科」「生物科学科」「環境学科」の3つの学科を作り、環境問題や地方創生、食料資源の安定的な供給など、今の社会が直面する課題解決を目指します。
少子化で18歳人口が減少する中、大学独自の色を出したい危機感も根底にあります。
【五十川記者】
「私立の大学はどんな時代に来ていると思いますか」
【広島修道大学・増田尚史 副学長】
「淘汰でしょうね。淘汰の時代でしょうね。生き残っていかないといけない時代になってきたと思います」
<スタジオ>
改めて、近年の18歳人口と全国の私立大学の推移を見てみますと、若者が減る中で私立大学の横ばい・微増という現状があります。しかし、少子化本当に恐ろしいなと思います。
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「本当に深刻な問題ですが、一方で『理系人材が不足している』ということを文部科学省も言われていまして、それを増やしていこうと。それはすごくいい政策だと思うんですけど、一方で理系・文系ってあんまり区分けすること自体も本当に意味があるのかなって、私は思っています。今回こうやって理系学部ができることによって、周りの人たちが『理系苦手じゃない人材』となってくるっていう、ここがすごく僕は肝になっていくんじゃないかと思います」