手話ダンスで伝える被爆者の思い 「二十歳を祝う集い」で披露 その舞台裏に密着
1/14(火) 20:30
広島市で13日に開催された「二十歳を祝うつどい」。
被爆80年を迎える今年、二十歳を祝うため披露された歌とダンスは被爆者の思いを伝えようとするものでした。裏側に密着です。
13日、開催された広島市の「二十歳を祝うつどい」。
会場に集まった、二十歳の若者たちを前に歌うのは、広島を拠点に活躍するアーチストのHIPPY(ヒッピー)さん。
そして、歌詞を手話の振り付けにして踊るのは、広島の手話ダンスチームSign(サイン)です。
演奏された曲「日々のハーモニー」は、ヒッピーさんが、今から5年前に作りました。曲ができた当時、ヒッピーさんを取材していました。
曲を作ったきっかけ。それは、被爆者から話を聞き「語り部」となってその体験を伝える「被爆体験伝承プログラム」にヒッピーさんが参加したことでした。
岡田恵美子さん。ヒッピーさんが体験を引き継ぐことになった被爆者です。
【岡田恵美子さん】
「私の姉は12歳で、建物疎開に行ってきますと言ったきり帰ってこなかった。慰霊碑に50周年まで名前が入っていなかった。両親が姉を探すのは知っているんよ。毎日毎日探していたのは知っている。死亡届を出していないから原爆死没者名簿に名前が入っていなかった」
被爆体験をどう伝えればいいのか?
【HIPPYさん】
「一番難しいのは(被爆を)体験していないということですね」
【岡田恵美子さん】
「被爆者の話をそっくりそのまま伝えてもらうのは到底無理です。それは言葉では言えない。遺品では感じてもらえないものがみんなあるんです、被爆者には。伝えていく方法はどんな方法でもいいと思っているんです」
2020年、「日々のハーモニー」は、ヒッピーさんが、岡田さんの思いを伝える曲として誕生しました。
式典の前日、会場でのリハーサル。
ヒッピーさんの曲で踊るのは、広島市を拠点に活動する手話ダンスチーム、Sign。手話ダンスの全国大会、「手話ダンス甲子園」の初代チャンピオンです。
代表の菊田順一さん。
この曲には、特別な思いがありました。
【手話ダンスチームSign・菊田順一代表】
「手話ダンス甲子園に出る曲を決めようという時に「君に捧げる応援歌」と「日々のハーモニー」の2曲が出た。広島から発信できるメッセージとして何か役割があるような、それが果たせるような曲だと思ったからこの曲にしました」
この曲は、被爆した人の思いと復興してゆく街を受け継いでいく人の思いが描かれています。
受け継ぐ人の思いを表現するのは、チーム最年少、中学2年生の草譯心美(くさわけ ここみ)さんと田丸友彩(たまる ゆい)さん。
この曲を最初に踊った時は、まだ小学6年生でした。
【手話ダンスチームSign・草譯心美さん】
「パートで自分のやりたい所を決めて、みんなで決めました。2番の始めが「受け継いでいく」という歌詞だったから、自分たちの方が受け継ぐ側の方だから、その歌詞をやろうとなった」
友彩さんには、心に響いた歌詞がありました。
【手話ダンスチームSign・田丸友彩さん】
「『身近な今ある幸せ』という歌詞があるんですが、戦争や原爆が投下された時は今の当り前がなかったんだなというところでぐっときて、そのつかみは自分がやりたいと思ったので。(被爆)80年だから、より一層気持ちを込めてやりたいと思ってます」
本番当日。
【HIPPYさん】
「一番私たちが楽しむ。その笑顔がこのステージからみんなに広がりますように」
会場には、二十歳を迎えた若者たちが集まりました。
あの日から80年。
被爆した人たちの多くが亡くなり、岡田さんも4年前に、亡くなりました。
いよいよ、ステージが始まります。
<♪日々のハーモニー>
昔々 今と変わりない暮らしの灯火
素晴らしいこの街の景色
塗り返せない悲しみ誰が信じよう
ただいま ただいま
まだ君は帰ってこないよ
夢も希望も家族や恋人も
家も仕事も生き甲斐も全部なくなった涙も
空が泣いた それは昨日のこと
【岡田恵美子さんの映像】
「8月6日、私が目にしたのは何も残っていない広島。12歳の姉、どこで死んだのか。行ってきますと出ていったきりきょうまで帰ってこない」
身近な今ある幸せ 気付こう 築こう
素晴らしいこの街の景色
立ち上がった故郷に ありがとう
おかえりって言えるように
この街を守っていくよ
【ノーベル平和賞受賞の映像】
「先輩たちが頑張って作ったこの景色を守っていく。もっともっと素敵に築いていくことが僕たちのやることなのかな」
鳴らせ この命 過ごす日々のハーモニー
足跡はメロディー あなたと一緒に
被爆80年を迎える今年、二十歳を祝うため披露された歌とダンスは被爆者の思いを伝えようとするものでした。裏側に密着です。
13日、開催された広島市の「二十歳を祝うつどい」。
会場に集まった、二十歳の若者たちを前に歌うのは、広島を拠点に活躍するアーチストのHIPPY(ヒッピー)さん。
そして、歌詞を手話の振り付けにして踊るのは、広島の手話ダンスチームSign(サイン)です。
演奏された曲「日々のハーモニー」は、ヒッピーさんが、今から5年前に作りました。曲ができた当時、ヒッピーさんを取材していました。
曲を作ったきっかけ。それは、被爆者から話を聞き「語り部」となってその体験を伝える「被爆体験伝承プログラム」にヒッピーさんが参加したことでした。
岡田恵美子さん。ヒッピーさんが体験を引き継ぐことになった被爆者です。
【岡田恵美子さん】
「私の姉は12歳で、建物疎開に行ってきますと言ったきり帰ってこなかった。慰霊碑に50周年まで名前が入っていなかった。両親が姉を探すのは知っているんよ。毎日毎日探していたのは知っている。死亡届を出していないから原爆死没者名簿に名前が入っていなかった」
被爆体験をどう伝えればいいのか?
【HIPPYさん】
「一番難しいのは(被爆を)体験していないということですね」
【岡田恵美子さん】
「被爆者の話をそっくりそのまま伝えてもらうのは到底無理です。それは言葉では言えない。遺品では感じてもらえないものがみんなあるんです、被爆者には。伝えていく方法はどんな方法でもいいと思っているんです」
2020年、「日々のハーモニー」は、ヒッピーさんが、岡田さんの思いを伝える曲として誕生しました。
式典の前日、会場でのリハーサル。
ヒッピーさんの曲で踊るのは、広島市を拠点に活動する手話ダンスチーム、Sign。手話ダンスの全国大会、「手話ダンス甲子園」の初代チャンピオンです。
代表の菊田順一さん。
この曲には、特別な思いがありました。
【手話ダンスチームSign・菊田順一代表】
「手話ダンス甲子園に出る曲を決めようという時に「君に捧げる応援歌」と「日々のハーモニー」の2曲が出た。広島から発信できるメッセージとして何か役割があるような、それが果たせるような曲だと思ったからこの曲にしました」
この曲は、被爆した人の思いと復興してゆく街を受け継いでいく人の思いが描かれています。
受け継ぐ人の思いを表現するのは、チーム最年少、中学2年生の草譯心美(くさわけ ここみ)さんと田丸友彩(たまる ゆい)さん。
この曲を最初に踊った時は、まだ小学6年生でした。
【手話ダンスチームSign・草譯心美さん】
「パートで自分のやりたい所を決めて、みんなで決めました。2番の始めが「受け継いでいく」という歌詞だったから、自分たちの方が受け継ぐ側の方だから、その歌詞をやろうとなった」
友彩さんには、心に響いた歌詞がありました。
【手話ダンスチームSign・田丸友彩さん】
「『身近な今ある幸せ』という歌詞があるんですが、戦争や原爆が投下された時は今の当り前がなかったんだなというところでぐっときて、そのつかみは自分がやりたいと思ったので。(被爆)80年だから、より一層気持ちを込めてやりたいと思ってます」
本番当日。
【HIPPYさん】
「一番私たちが楽しむ。その笑顔がこのステージからみんなに広がりますように」
会場には、二十歳を迎えた若者たちが集まりました。
あの日から80年。
被爆した人たちの多くが亡くなり、岡田さんも4年前に、亡くなりました。
いよいよ、ステージが始まります。
<♪日々のハーモニー>
昔々 今と変わりない暮らしの灯火
素晴らしいこの街の景色
塗り返せない悲しみ誰が信じよう
ただいま ただいま
まだ君は帰ってこないよ
夢も希望も家族や恋人も
家も仕事も生き甲斐も全部なくなった涙も
空が泣いた それは昨日のこと
【岡田恵美子さんの映像】
「8月6日、私が目にしたのは何も残っていない広島。12歳の姉、どこで死んだのか。行ってきますと出ていったきりきょうまで帰ってこない」
身近な今ある幸せ 気付こう 築こう
素晴らしいこの街の景色
立ち上がった故郷に ありがとう
おかえりって言えるように
この街を守っていくよ
【ノーベル平和賞受賞の映像】
「先輩たちが頑張って作ったこの景色を守っていく。もっともっと素敵に築いていくことが僕たちのやることなのかな」
鳴らせ この命 過ごす日々のハーモニー
足跡はメロディー あなたと一緒に