障がい者が描いたアートのレンタル事業 広がり始めた需要 障がい者が病院に行きやすい環境作りにも貢献
1/15(水) 20:00
マネー研究所。お金をキッカケに広島の暮らしやビジネスに関わるニュースをお伝えしていきます。
【矢野ディレクター】
この作品は、障がいのある方たちが描いた作品なんです。
しかも、原画ではなくて、レプリカなんです。
これをレンタルするビジネスが、今、注目を集めているんです。
《VTR》
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「以前報告した会社の広島本社で本田さんの作品を展示していましたが、これが終了しました。売り上げの6600円を今日お持ちしました。素敵な作品を貸してくれてありがとうございました」
障がい者のアート作品の貸し出しサービスを行っている佐々木恵理子さん。
このサービスは、障害のある人が、福祉事業所で描いたアート作品を佐々木さんの会社、「KONKON」が仲介して、ユーザーに貸し出し、そのレンタル料が、描いた人に「工賃」として届くというシステムです。
スタートして2年、需要が、徐々に広がり始めています。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「50点くらい借りられないかという話もありました。その時は(事業を)始めたばかりだったので私の方で対応できなかったのですが、私が思っていたよりもみなさん関心があるんだなとやっていて思います」
福祉事業所では、様々な障がいがある人が働いています。
事業所独自のブランド商品を作ったり、企業から委託された仕事をしたりと作業内容は様々ですが、利用者の描く絵やデザインのアート作品が、社会から注目を集めるケースがしばしば見られます。
しかし、ほとんどの場合、事業所の他の作業が日々の業務がに忙し過ぎて、それをビジネス化することが難しいのが現状なのです。
そこで、情報発信するのが、佐々木さんの仕事なんです。
今年、この取り組みが、新たな進化をみせました。
これまでは作品の原画をレンタルしていましたが、新たにレプリカを作ってレンタルするという取り組みです。
なぜ、レプリカになるのかというと。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「問い合わせが私の想像以上に県外からきたりして」
そうなんです。
遠方からオーダーがあった場合、現在は原画を扱うので、佐々木さんが自分で運んで架け替えまで行っています。
これを定期的に行うのが困難になってきたことに加えて、原画が貸出先で傷ついてしまうリスクもあるわけです。
さらに、障害がある人が描いた作品には、お客さんから「作品を買い取りたい」という申し出があった場合に、困ることが起きると言います。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「知的障がいがある方も多いので「売ってもいいですか?」と聞いて「いいよ」と言ってくれるかもしれないですが、それが本当に「いいよ」なのかが確かめきれないところがあります。もし、原画で売ってしまうとお客の元に(作品が)行ってしまって作者の元からなくなってしまう。原画を大切にしたいからこそレプリカでやりたい」
レプリカを制作する費用は、コンコンが支払います。
原画からレプリカでのレンタルに踏み切った佐々木さんですが、これが意外と大変なんです。
協力してくれる事業所があれば、訪ねて事業内容を詳しく説明します。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「今は原画なのですが、原画を私の方で額装させて頂いて大きさごとに値段を付けて」
【社会福祉法人あさみなみ・松田泰理事長】
「発信したいということはみんな思っていると思うが、そこがうまくつながっていかない。日々作業に追われていたりプログラムの消化に追われていたり、そのあたりを佐々木さんのような活動は力になると思う」
そして、集まった原画がおよそ200点。
ここからレプリカにする20作品ほどを選んでいくんですが。
【タメンタイ合同会社 アートマネージャー・山本功代表社員】
「いい作品を選ぼうというよりは、今回の目的が複製画を作って皆さんに貸し出して見てもらおういうことなので、全体のバランスで色々な作品を幅広く選べるような感じにしようと思って」
【KONKONKON・佐々木恵理子さん】
「その作品がすごく良くてもトリミングが・・・」
【タメンタイ合同会社 アートマネージャー・山本功代表社員】
「横長のサイズじゃないとこれはきっと成立しないなみたいな作品だったり、これを横を切ってというのは心苦しくて難しい」
このような流れで、レプリカが作られていくわけなんです。
佐々木さんがこのビジネスを始めたきっかけは意外なことでした。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「私が職員だった時に利用者さんが亡くなられて、彼女は病院が嫌いで(病院に)行った時には末期の卵巣がんだった」
実は、障害のある人、特に知的障害がある方は、病院を嫌う人が多いことを佐々木さんは、事業所に勤めていた時に感じていたそうなんです。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「嫌いな人は多いです。目的がなかなか分かっていない中で痛かったとかよく分からないけど色々なことをされたという思いを積み重ねていった先に病院に行くのが嫌だという気持ちになる人は多いと感じています」
この問題を解決したいと始めたのが、このビジネスだったということなんです。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「病院や医療関係の所に飾ってもらって、自分が描いた絵だったり仲間が書いた絵を見にだったら行ってもらえるかなと思って。そんなチャンスを増やしたくてアートレンタル事業をしています」
《スタジオ》
今、医療関係とか病院に飾られていることが多いんですが、サイズごとにレンタル料が決まってます。サイズが一番小さなものが3300円、中が6600円。もう一つ大きいサイズが13200円です。
【コメンテーター:広島大学法学部・吉中信人教授】
「素敵ですね。経済性だけじゃなくて、芸術性、医療のアクセスと本当にすべてがうまくマッチングしていて、いいなと思います」
【矢野ディレクター】
この作品は、障がいのある方たちが描いた作品なんです。
しかも、原画ではなくて、レプリカなんです。
これをレンタルするビジネスが、今、注目を集めているんです。
《VTR》
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「以前報告した会社の広島本社で本田さんの作品を展示していましたが、これが終了しました。売り上げの6600円を今日お持ちしました。素敵な作品を貸してくれてありがとうございました」
障がい者のアート作品の貸し出しサービスを行っている佐々木恵理子さん。
このサービスは、障害のある人が、福祉事業所で描いたアート作品を佐々木さんの会社、「KONKON」が仲介して、ユーザーに貸し出し、そのレンタル料が、描いた人に「工賃」として届くというシステムです。
スタートして2年、需要が、徐々に広がり始めています。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「50点くらい借りられないかという話もありました。その時は(事業を)始めたばかりだったので私の方で対応できなかったのですが、私が思っていたよりもみなさん関心があるんだなとやっていて思います」
福祉事業所では、様々な障がいがある人が働いています。
事業所独自のブランド商品を作ったり、企業から委託された仕事をしたりと作業内容は様々ですが、利用者の描く絵やデザインのアート作品が、社会から注目を集めるケースがしばしば見られます。
しかし、ほとんどの場合、事業所の他の作業が日々の業務がに忙し過ぎて、それをビジネス化することが難しいのが現状なのです。
そこで、情報発信するのが、佐々木さんの仕事なんです。
今年、この取り組みが、新たな進化をみせました。
これまでは作品の原画をレンタルしていましたが、新たにレプリカを作ってレンタルするという取り組みです。
なぜ、レプリカになるのかというと。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「問い合わせが私の想像以上に県外からきたりして」
そうなんです。
遠方からオーダーがあった場合、現在は原画を扱うので、佐々木さんが自分で運んで架け替えまで行っています。
これを定期的に行うのが困難になってきたことに加えて、原画が貸出先で傷ついてしまうリスクもあるわけです。
さらに、障害がある人が描いた作品には、お客さんから「作品を買い取りたい」という申し出があった場合に、困ることが起きると言います。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「知的障がいがある方も多いので「売ってもいいですか?」と聞いて「いいよ」と言ってくれるかもしれないですが、それが本当に「いいよ」なのかが確かめきれないところがあります。もし、原画で売ってしまうとお客の元に(作品が)行ってしまって作者の元からなくなってしまう。原画を大切にしたいからこそレプリカでやりたい」
レプリカを制作する費用は、コンコンが支払います。
原画からレプリカでのレンタルに踏み切った佐々木さんですが、これが意外と大変なんです。
協力してくれる事業所があれば、訪ねて事業内容を詳しく説明します。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「今は原画なのですが、原画を私の方で額装させて頂いて大きさごとに値段を付けて」
【社会福祉法人あさみなみ・松田泰理事長】
「発信したいということはみんな思っていると思うが、そこがうまくつながっていかない。日々作業に追われていたりプログラムの消化に追われていたり、そのあたりを佐々木さんのような活動は力になると思う」
そして、集まった原画がおよそ200点。
ここからレプリカにする20作品ほどを選んでいくんですが。
【タメンタイ合同会社 アートマネージャー・山本功代表社員】
「いい作品を選ぼうというよりは、今回の目的が複製画を作って皆さんに貸し出して見てもらおういうことなので、全体のバランスで色々な作品を幅広く選べるような感じにしようと思って」
【KONKONKON・佐々木恵理子さん】
「その作品がすごく良くてもトリミングが・・・」
【タメンタイ合同会社 アートマネージャー・山本功代表社員】
「横長のサイズじゃないとこれはきっと成立しないなみたいな作品だったり、これを横を切ってというのは心苦しくて難しい」
このような流れで、レプリカが作られていくわけなんです。
佐々木さんがこのビジネスを始めたきっかけは意外なことでした。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「私が職員だった時に利用者さんが亡くなられて、彼女は病院が嫌いで(病院に)行った時には末期の卵巣がんだった」
実は、障害のある人、特に知的障害がある方は、病院を嫌う人が多いことを佐々木さんは、事業所に勤めていた時に感じていたそうなんです。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「嫌いな人は多いです。目的がなかなか分かっていない中で痛かったとかよく分からないけど色々なことをされたという思いを積み重ねていった先に病院に行くのが嫌だという気持ちになる人は多いと感じています」
この問題を解決したいと始めたのが、このビジネスだったということなんです。
【KONKON・佐々木恵理子さん】
「病院や医療関係の所に飾ってもらって、自分が描いた絵だったり仲間が書いた絵を見にだったら行ってもらえるかなと思って。そんなチャンスを増やしたくてアートレンタル事業をしています」
《スタジオ》
今、医療関係とか病院に飾られていることが多いんですが、サイズごとにレンタル料が決まってます。サイズが一番小さなものが3300円、中が6600円。もう一つ大きいサイズが13200円です。
【コメンテーター:広島大学法学部・吉中信人教授】
「素敵ですね。経済性だけじゃなくて、芸術性、医療のアクセスと本当にすべてがうまくマッチングしていて、いいなと思います」