広島県廿日市市は、去年１年間に宮島を訪れた人の数が、４８５万人をこえて過去最多になったことを発表しました。

【廿日市市・松本太郎 市長】
「過去最高を記録した要因の多くは、インバンド旅行客の影響が大きかったんだろうと思う。これからは、しっかりと地元の経済に貢献してもらえるような質も追いかけていく必要がある」

１５日の会見で、松本市長は去年１年間の宮島の来島者が４８５万４３６９人で、過去最多だった２０１９年の４６５万７３４３人を更新したと発表。

円安の影響による外国人観光客の増加や、紅葉の見ごろが例年よりも長引いたことを要因に挙げました。
一方、被爆８０年を迎える今年は外国人観光客がさらに増えることが予想されるため、観光客を受け入れる環境を整える必要があるといいます。

【廿日市市・松本太郎 市長】
「おもてなしの環境を整え、オーバーツーリズムの状況をいかに発生させないか、渋滞で地元の人に迷惑をかけることがないよう対応していきたい」

また、会見では宮島口周辺の慢性的な渋滞を緩和する社会実験の進捗を報告。
この実験は国道２号の宮島口を通過する車を広島岩国道路へ迂回させる試みで、宮島口駅前交差点では前の年に比べると通行量が最大４００台減ったほか、阿品台東橋交差点でもおよそ１０００台減少したということです。

廿日市市は、今後、すべての結果が揃い次第、社会実験の効果検証に入るとしています。

＜スタジオ＞
改めて宮島の来島者数の推移をみてみます。
１９９６年に「厳島神社」が世界遺産に登録されてから、来島者数は右肩上がりに増えています。
ＮＨＫ大河ドラマ「平清盛」が話題になった２０１２年には来島者数が初めて４００万人を超しました。
コロナ渦で２００万人前後まで落ち込みましたが、おととし開催されたＧ７広島サミットの効果で来島者数は回復しました。

林さん、宮島は広島の高校生にとっても身近な場所ではあるんでしょうか？

【林友紀さん（崇徳高校新聞部２年）】
「はい。私も昨年、宮島に遊びに行ったことがあって、やはり外国人観光客の方も多く、個人的には美味しい食べ物が宮島にはたくさんあるので、もっともっと観光客が増えてほしいなと思いました」

インバウンドの方が非常に増えていますけど、吉中さん、オーバーツーリズムの問題などもありますけど、どう両立していくかが大事そうですね。

【コメンテーター：広島大学・吉中信人教授】
「せっかくなんで、たくさん訪れてほしいんですけれども、やはり、受け入れの方のキャパシティの問題もありますので、特に外国人の方は平らなところに座れないというような方も多いので、椅子の設備を増やすとか、そういったことも必要になってくると思います」

宮島訪問税の導入もありましたから、この辺りをどう活用して、いろんな人、地元の人もそうですし、訪れる人にとっても、いい宮島になっていくか、このあたり、今後の展開にも注目していきたいなと思います。