オオサンショウウオの生態を損なう河川工事 研究者が配慮を訴え 広島県「配慮が足りなかった」

1/15(水) 18:29

広島大学の研究者は国の特別天然記念物・オオサンショウウオの生態を損なう河川工事が東広島市で行われていたとして県へ配慮を訴えました。

15日、意見交換会ではオオサンショウウオを研究する広島大学の清水則雄准教授や県の担当者などが参加しました。

清水准教授はオオサンショウウオの生息地、東広島市の椋梨川で行われた護岸工事で、ブロックごとの隙間が狭くオオサンショウウオが隠れることができないと指摘。環境に配慮しておらず、国が定める基本方針にも沿っていないと訴えました。

【広島大学総合博物館・清水則雄准教授】
「あの隙間では大型の魚やオオサンショウウオが(巣穴を)利用することができない。多様な生物が利用できる護岸整備を求めたい」

【県西部建設事務所東広島支所・蔵田憲明次長】
「オオサンショウウオが発見されなかったので、護岸構造まで変更する認識はなかった」

【広島大学オオサンショウウオ保全対策プロジェクト研究センター・山崎大海 客員研究員】
「現地調査で確認は難しい。豪雨災害で流されているから」

オオサンショウウオは近年、度重なる豪雨や護岸工事によって下流に流されているということです。

【県河川課・水頭顕治課長】
「我々が考えていた以外でも生息環境があることを理解した」

【県西部建設事務所東広島支所・蔵田憲明次長】
「オオサンショウウオに配慮が足りなかった」

県は今年6月までに環境に配慮した工事が必要な県内の河川を決める方針です。