阪神淡路大震災から30年 大学生の息子を亡くした女性 若者たちへ「命ある限り懸命に生きて」
1/17(金) 18:18
この震災で当時、大学生だった息子を亡くした76歳の女性が現地を訪れています。
震災から30年が経ち記憶の風化が懸念されるなか、自身の想いを語り継ぐ姿に密着しました。
【新神戸駅に到着した加藤りつこさん】
「お久しぶりです」
16日、新神戸駅に降り立った1人の女性。
広島市安佐北区に在住の加藤りつこさんです。
加藤さんにとって1月17日は1年で最も特別な日です。
笑顔が印象的な男性。加藤さんの1人息子、貴光さんです。
当時、神戸大学法学部の2年生でしたが、30年前のあの日、兵庫県西宮市の自宅が倒壊し、亡くなりました。
【加藤りつこさん】
「あの子の命がこの世にないという悲しみ。それは一生消えることはない」
まず加藤さんは追悼行事が行われる「東遊園地」を訪問。
震災の犠牲者と生きのびた人たちの思いをむすぶ証し、「希望の灯り」の分灯に臨みました。
【加藤りつこさん】
「1.17の希望の灯りをまちとまちのつながり、人と人とのつながりを感じながら分灯した。ここに来るとあたたかい。知らない人であっても。これが寄り添うということかな。ここにに来るといつも思う」
最低気温が4.5℃となったけさの神戸市。
加藤さんの姿は宿泊先のホテルにありました。
「会場で手を合わせたい」という気持ちはありましたが、今、加藤さんは76歳…体調を考え、今年は室内で祈りを捧げることにしました。
【加藤りつこさん】
「カウントダウンが始まると本当に苦しくなる。生きていた時間をもう一度なぞるわけですから。あと何分で亡くなるって。同じことを毎年考えます。今なら生きているのに」
(午前5時46分 黙とう)
【加藤りつこさん】
「一番強く感じたのは黙とうの1分長いなということ。この1分でさえ長いのにあの子が苦しんだ3時間弱がどんなに長かっただろうって」
30年目の今年、加藤さんは神戸市内の中学校で講演会を開きました。
貴光さんが志半ばで亡くなった無念の思いを懸命に伝える加藤さん。
未来を作る若者に伝えたのは「命ある限り懸命に生きてほしい」という願いです。
【加藤りつこさん】
「命って何でしょう。なんだと思いますか?”命を大事に”ということはあなたが持っている使える時間を大事にしましょう。いい出会いをしていい人に恵まれて人生を幸せの方向に導いていってもらえるような日々を歩んでほしい」」
午後、加藤さんは貴光さんが通っていた神戸大学の追悼式に参加。
そこには先輩の想いを繋ごうと奮闘する学生の姿がありました。
【加藤りつこさん】
「夢をいっぱい抱えてこれから飛び立とうとしている若者たちに、あの当時の貴光の夢・希望を重ねて本当に涙が止まらなかった」
貴光さんから導かれた多くの人との出会いに寄り添ってきた30年間。
【加藤りつこさん】
「これからも貴光の意志があって何かが起こるんじゃないかなと。出会いがあればそこに精一杯心を込めて働いていくしかないと思っている」
震災から30年が経ち記憶の風化が懸念されるなか、自身の想いを語り継ぐ姿に密着しました。
【新神戸駅に到着した加藤りつこさん】
「お久しぶりです」
16日、新神戸駅に降り立った1人の女性。
広島市安佐北区に在住の加藤りつこさんです。
加藤さんにとって1月17日は1年で最も特別な日です。
笑顔が印象的な男性。加藤さんの1人息子、貴光さんです。
当時、神戸大学法学部の2年生でしたが、30年前のあの日、兵庫県西宮市の自宅が倒壊し、亡くなりました。
【加藤りつこさん】
「あの子の命がこの世にないという悲しみ。それは一生消えることはない」
まず加藤さんは追悼行事が行われる「東遊園地」を訪問。
震災の犠牲者と生きのびた人たちの思いをむすぶ証し、「希望の灯り」の分灯に臨みました。
【加藤りつこさん】
「1.17の希望の灯りをまちとまちのつながり、人と人とのつながりを感じながら分灯した。ここに来るとあたたかい。知らない人であっても。これが寄り添うということかな。ここにに来るといつも思う」
最低気温が4.5℃となったけさの神戸市。
加藤さんの姿は宿泊先のホテルにありました。
「会場で手を合わせたい」という気持ちはありましたが、今、加藤さんは76歳…体調を考え、今年は室内で祈りを捧げることにしました。
【加藤りつこさん】
「カウントダウンが始まると本当に苦しくなる。生きていた時間をもう一度なぞるわけですから。あと何分で亡くなるって。同じことを毎年考えます。今なら生きているのに」
(午前5時46分 黙とう)
【加藤りつこさん】
「一番強く感じたのは黙とうの1分長いなということ。この1分でさえ長いのにあの子が苦しんだ3時間弱がどんなに長かっただろうって」
30年目の今年、加藤さんは神戸市内の中学校で講演会を開きました。
貴光さんが志半ばで亡くなった無念の思いを懸命に伝える加藤さん。
未来を作る若者に伝えたのは「命ある限り懸命に生きてほしい」という願いです。
【加藤りつこさん】
「命って何でしょう。なんだと思いますか?”命を大事に”ということはあなたが持っている使える時間を大事にしましょう。いい出会いをしていい人に恵まれて人生を幸せの方向に導いていってもらえるような日々を歩んでほしい」」
午後、加藤さんは貴光さんが通っていた神戸大学の追悼式に参加。
そこには先輩の想いを繋ごうと奮闘する学生の姿がありました。
【加藤りつこさん】
「夢をいっぱい抱えてこれから飛び立とうとしている若者たちに、あの当時の貴光の夢・希望を重ねて本当に涙が止まらなかった」
貴光さんから導かれた多くの人との出会いに寄り添ってきた30年間。
【加藤りつこさん】
「これからも貴光の意志があって何かが起こるんじゃないかなと。出会いがあればそこに精一杯心を込めて働いていくしかないと思っている」