裁判より簡単で費用が安い 「民事調停」を知るイベント トラブルを話し合いで円満解決

1/22(水) 19:01

トラブルを話し合いで円満に解決することを目指す民事調停について紹介するイベントが広島地方裁判所で、先日開かれました。

このイベントは調停制度を身近に感じてもらおうと広島地裁が開いたもので、およそ20人の応募者が参加しました。
民事調停とは金銭の貸し借りや交通事故の損害といったトラブルを話し合いで解決する簡易裁判所の手続きです。

裁判に比べて手続きが簡単で費用が安いことなどが特徴とされています。
模擬裁判のイベントでは、パソコンの貸し借りを巡るトラブルをテーマに、実際の裁判官や裁判所の職員による模擬調停が行われました。

【模擬調停・裁判官役】
「申立人からノートパソコンに保存されているデータを(相手方に)USBメモリに保存して引き渡す。所有が申立人と相互に確認する内容で合意ができたそうですが、それでよろしいですか」

【イベントに参加した高校生】
「裁判とか民事調停とかに興味があって、(調停の流れを)順序ごとに知れたので詳しくなったと思う」

裁判所によりますと、広島簡易裁判所での調停の申し立て件数はおととし1年間で219件で、最近の件数はほぼ横ばいだということです。

民事調停とは

民事調停は、裁判と比べるとあまり聞きなじみがないですが、民事調停と裁判との違いはズバリ?

【広島大学・吉中信人教授】
何と言っても迅速簡単で費用も安く法的な解決がもたらされることです。成立すれば判決と同じ効力を持ちます。

「裁判」は、譲り合いというよりは、判決によって白黒の決着をつける作業ですが、「調停」はあくまで当事者の話し合いで譲り合いながら妥協点を探します。
そのため、調停は成立すれば円満に解決できるというわけです。

裁判に行く前に利用できる制度です。

ーー「家事事件」というのは?
「家事事件」は、離婚や相続の問題などなど家族間のもめごとについては、「調停前置主義」といって、まず、調停をしなければならないわけです。
そのため、こちらのほうがなじみがあると思いますが、民事調停のほうは最初から裁判をしてしまうというケースもあるので、もうひとつ浸透していない部分があるのかもしれません。
民事調停は、必ずしもそうではないことが一因かもしれません。