「目撃者がいない時代が来る」 教職員が被爆者から体験を聞く 証言集にまとめ教育現場で生かす 広島

2/11(火) 19:03

被爆者から被爆体験を聞き、現場の教育につなげようとする会が広島市で開かれ、教職員らが学びを深めました。

【被爆者・小倉桂子さん(87)】
「放射能というものの怖さ。一番怖かったことは、全然やけどもケガもしていない人が突然亡くなる」

11日、行われた「戦争・被爆体験を聞く会」では、8歳のときに爆心地からおよそ2.4キロで被爆した小倉桂子さんが自らの体験を語り、ウェブ配信とあわせておよそ70人の教職員などが話を聞きました。

この会は教職員を中心とした平和教育の研究機関「広島平和教育研究所」が企画したもので、今回で19回目の開催です。

被爆から80年が経ち、原爆の記憶が風化する危機感が募る中、被爆者の話を聞いて被爆体験を継承することを目指しています。

小倉さんは、去年12月のノーベル平和賞の授賞式にあわせ、ノルウェーのオスロで講演した話など、世界の今についても伝えていました。

【被爆者・小倉桂子さん(87)】
「誰も目撃者がいない時代がやってくる。残るのは遺品だけ。一番大切なのはイマジネーション、それと優しい感受性豊かな心」

【教職員は】
「明日からも子どもたちに話していけたらなと思いました」

今後、きょう聞いた話を証言集にまとめ現場で生かしていくということです。