男性殺害し遺体を切断したのは誰か…検察側と弁護側が真っ向対立 海への遺棄は認める 佐伯区殺人事件

2/21(金) 18:29

広島市佐伯区で知人の男性を殺害して遺体を損壊・遺棄した罪に問われている男の初公判が始まり、男は、殺人と死体損壊の罪について起訴内容を否認しました。

起訴状などによりますと殺人と死体損壊・遺棄の罪に問われている広島市佐伯区の無職渡部大地被告は、2021年10月、佐伯区にある祖母の家で、知人の植木秀俊さんの顔面をコンクリートブロックで殴るなどして殺害し、遺体を切断して佐伯区や周辺の海に遺棄した罪に問われています。

21日に始まった裁判員裁判で、渡部被告は「殺していません。解体もしていません。2度にわたって捨てたことは認めます」と殺人と死体損壊は無罪を主張した一方で、死体遺棄については起訴内容を認めました。

冒頭陳述で検察は「被告は被害者から自身や親族を罵倒され激高。コンクリートブロックで殴り死亡したことを確認して風呂場で包丁のようなもので切断して海などに捨てた」と指摘したうえで被害者男性の携帯電話の通信履歴などから殺害などに第三者が介入していないと強調しました。

これに対し弁護側は「殺害と損壊は面識のない男によるもので、遺棄もその男から指示された」と主張しました。

裁判後、渡辺被告の弁護人は会見を開き、殺害行為を行っていないと訴えました。

【落合洋司弁護士】
「我々は犯人ではないと言っている。殺害行為を行ったのは第三者であり被告人は殺害行為を行っていない」

判決は来月13日に言い渡されます。

裁判の争点

ここからは改めて今回の裁判の争点を整理します。

裁判の争点は
1「被害者を殺害し遺体を損壊したのは渡部被告であるか」
2「渡部被告に殺意があったかどうか」の大きく2点です。

21日の裁判で渡部被告は「被害者は見知らぬ男によって殺害された。遺体はその男が包丁のようなもので切断・解体した」と殺人と死体損壊は否認。
一方で「損壊された遺体を事件現場である祖母の家の庭に埋めたり海に捨てた」という死体遺棄については認めました。

検察側は母親や姉などに「単独で犯行に及んだ」と話していることや取り調べでも「殺害したのは自分である」などと供述していることから渡部被告1人の犯行だと指摘していて、動機についても「自分や家族のことを罵倒されたため」として強い殺意を持っていたと主張しています。

一方、弁護側は「殺害と損壊は面識のない男による犯行」「遺棄もその男から指示された」と死体遺棄以外は無罪を主張いています。

22日以降、親族の証人尋問などが予定されているため、どういった証言が出てくるかが注目となります。