国内で唯一飼育のマルミミゾウ 近づく出産に「安産を祈ってます」 CFで応援の人たちが裏側見学 広島市

4/9(水) 18:44

【辰已麗アナウンサー】
「普段は入れない運動場に来ています。クラウドファンディングでマルミミゾウを応援した人たちです」

広島市の安佐動物公園で参加者が行っていたのは“ちょっと変わった”餌やり体験。
スコップを手に運動場に穴をほりゾウの好物であるニンジンを隠します。

【辰已アナ】
「ニンジンが埋まっています。見つけられるのでしょうか」

運動場に出てきたマルミミゾウのオスのダイは匂いを嗅いで地面に息を吹きかけにんじんをパクリ。
エサをすぐに見つけられないよう工夫し、生息環境に近づけることで、本来の行動を引き出す目的があります。

【辰已アナ】
「ダイのイベントですが…メイも気になっているみたいです」

となりの運動場にいたのはダイのパートナーでもあるメスのメイ。
安佐動物公園では国内で唯一マルミミゾウの飼育を行っていて去年、メイに初めての妊娠が確認されました。

現在妊娠16か月ごろと推定され妊娠前と比べておよそ150キロ体重が増えたメイのお腹は下に下がるような形となり乳房も外側に向き大きくなっているのがわかります。

赤ちゃんゾウがおなかの中でもぞもぞと…動く様子も見えるようになってきました。

園では、日本初となるマルミミゾウの出産と子育てを支援するため去年11月にクラウドファンディングをスタート。
開始から2カ月で2058人が支援し、目標金額を大きく上回る3000万円以上が集まりました。
9日のイベントもクラウドファンディングの支援者へのお礼として行われました。
【参加者は】
「双眼鏡でずっとメイちゃんのお腹見てるんですよ。『動いた、動いた』って1人で言ってます」
「毎日安産を祈っています」

【広島市安佐動物公園 ゾウ担当・佐々木直行主任】
「どんどん支援者の方、金額が増えてたので、本当にびっくりしました。無事に生まれるかどうかがまず第1ですし、元々は野生動物なので、野生に少しでも近いようにできる範囲で飼育したいと思います」

メイの出産は今年の8月から10月の間と見られています。

<スタジオ>

【辰已アナ】
今回支援者が体験したものの中にはゾウ舎、ゾウにとって寝室になる部分の見学もありました。
太い格子がついていて、冬用に床暖房もついているそうです。
これから生まれるメイの赤ちゃん用には格子の間に細かいメッシュがついたものが準備されています。
さて、今回のクラウドファンディング最終的には2058人の支援者から3090万5156円が集まりました。

このお金がどう使われるのか。
すでに発注したものには出産日を予測するための血中ホルモンの濃度を測る機械200万円そして、人工保育になった場合に必要となるミルクペット用のミルクなどを作っている会社にゾウ用に成分を調整したミルクを特注していてひとまず100万円分頼んでいるそうです。
ミルクは牛用の哺乳瓶、3Lのものでやる予定なんですが、実際どんな大きさなのか再現してみました。

ミルクを飲む姿が待ち遠しいですが、まずは無事に生まれてほしいなと思います。