財政ひっ迫の広島・府中市 建設費10億円プールに市民の反応は?

4/17(木) 17:30

きょう、広島県府中市で報道陣などに公開されたのは、新しい市民プール「府中市B&G海洋センター」です。現在の施設の老朽化に伴い、府中市がJR府中駅近くに場所を移し、建て替えました。

2階建ての建物で1階には25メートルの温水プール、2階には最新の機器が並ぶトレーニングルームとスタジオが備わっています。

この施設の建設に今、賛否の声が上がっています。

【府中市民】
「府中市は赤字や赤字や、言うてるでしょう」

その原因が、府中市の「財政危機」。
府中市は去年、市の貯金にあたる財政調整基金が2年後に枯渇するという試算を出しました。その後、一部の施策を見直すなどして基金の枯渇は免れたと言いますが、市の財政は危機的状況が続いています。

そうした中での新しい市民プールの建設。

建設費は10億円あまり、さらに施設の管理運営の委託料はこれまでの2倍以上となる年間7500万円にも上り光熱費も含めるとさらに増額する見込みです。

この委託料は市が力を入れている子育て支援費の半分ほどにもあたる金額です。

市民の思いも複雑です。
【府中市民】
「ここは平地だし、天満屋もあるからいいと思います。子供が水泳している間、買い物するとかもできるし親御さんは助かると思います」
「老人の人が多いじゃん、府中市はね。若い人だけの目的なのか、老人が多いから老人向けのリハビリ向けの施設とかあるんかな、全然わからないからね」

市は新たにネーミングライツを導入するなどして市の収入に充てると説明。プールの施設が老朽化する近隣の小中学校も授業で使用することや府中駅周辺の賑わい創出など効果を強調します。

【府中市企画財政課・赤木雄大課長】
「市民プールについても事業規模としてはかなり大きいものというふうに捉えております。街の活性化と、市内への経済波及効果というところを狙いでですね、整備してきましたので、しっかりと利用していただいてですね、町の活性化に向けてですね、取り組んでいきたいというに思っております」

市民プールは7月1日にオープンします。