業績好調 地場流通「ハローズ」決算報告から見えた「意外な消費行動」とは

4/24(木) 20:30

広島県など中四国・関西でスーパーマーケットを運営するハローズ(本社・岡山県)が、今月発表した今年2月期の決算。そこで意外な「消費動向」が明らかになった。

ハローズの発表によると、営業収益は2000億円を超え、37期連続の増収となった。中期経営計画の営業収益目標を1年前倒しする好調ぶりを見せている。

そうした中で、意外にも、最近伸びているのは「タバコ」。
ハローズではタバコを100種ほど取りそろえ、全店舗が24時間営業している。

コンビニ顔負けだ。

これまでコンビニでタバコと弁当などを買っていた層が、比較的安価なスーパーの弁当を買い求め、併せてタバコも購入していることが考えられるという。
おにぎりを値上げしても、コンビニの価格を下回っていて、売り上げ数は増え続けている。

新商品が次々と発売されても、求められるのは低価格な商品。
新商品よりも、ベーシックな商品を欠品なく置いておくことが、顧客の安心につながっているのだという。

そして、何よりの強みが24時間営業だ。
遅い時間に来店しても豊富に並ぶ「総菜」が共働き世帯の心をつかんでいる。

食品メーカーによる値上げが相次いでいることもあり、1年間の客単価は前期比で2・9%の上昇、さらに既存店の客数は前期比で3・5%増加したことが業績を押し上げた。

しかし、客数の増加にあっても、スーパーのほかドラッグストアや量販店など他店との戦いは熾烈で「価格からは逃げられない」と気を引き締める。

他店に比べて食品の値上げ幅を小さくしていることに加え、顧客のニーズを踏まえて1カ月や3カ月といった長期の値下げ商品を用意。値下げ商品のコーナーを固定することで、対象だということを分かりやすくしている。

薄利であっても「たくさん売る」ことが過去最高益の秘訣だ。

昨期の経常利益は12期連続、純利益は6期連続の増益に。
既存店の売り上げが伸びたことに加えて、2店舗の新規出店、7店舗の大改装も奏功した。

今期は6店舗の新規出店を計画するハローズ。
さらなる増収を見込んでいる。