パスピー終了1カ月 バスや路面電車の「新しい乗り方」浸透した? まだ乗客が戸惑う姿も
4/29(火) 20:00
「パスピー」の終了から1カ月。
バスや路面電車の新しい乗り方はどれほど浸透してきたんでしょうか。
「ツイセキ」します。
先月末でサービスを終了した交通系ICカード「パスピー」。
県内の主な公共交通機関は「モビリーデイズ」をメインとする広電グループと、ICOCAをメインとする「それ以外」の事業者の大きく2つに分かれました。
【広電のアナウンス】
「交通系ICカードは乗るときにタッチは必要ございません。降りるときのみ乗務員の運転士のほうにタッチをお願いします」
バスや路面電車で乗り方が「混在」するようになって1カ月…
この週末、広島駅は「ICOCA」や「Suica」など全国交通系ICカードを利用する人たちにやや「戸惑い」が見られました。
反応しないモビリーデイズの読み取り機に、「ICOCA」を持った外国人が何度もタッチを試みます。
結局、2人は一度、路面電車を降りてしまいました。
専門家は同じエリアで別々の読み取り機が混在することが、利用者側の混乱と事業者側の負担も招くと指摘します。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「ひとつのシステムで運用することに強くこだわる必要はないかなと思います。利用者の方がこっちは使えないんだっけと迷う状況をつくってはいけないと思いますけど。外国人が困っているのかなと思いましたし、日本人で広島以外から来た人も「あれ?」という戸惑いを感じたところもあって、実はバス会社側もどういう風に案内をしていいのか困っているなというところも感じました」
バスや路面電車の新しい乗り方はどれほど浸透してきたんでしょうか。
「ツイセキ」します。
先月末でサービスを終了した交通系ICカード「パスピー」。
県内の主な公共交通機関は「モビリーデイズ」をメインとする広電グループと、ICOCAをメインとする「それ以外」の事業者の大きく2つに分かれました。
【広電のアナウンス】
「交通系ICカードは乗るときにタッチは必要ございません。降りるときのみ乗務員の運転士のほうにタッチをお願いします」
バスや路面電車で乗り方が「混在」するようになって1カ月…
この週末、広島駅は「ICOCA」や「Suica」など全国交通系ICカードを利用する人たちにやや「戸惑い」が見られました。
反応しないモビリーデイズの読み取り機に、「ICOCA」を持った外国人が何度もタッチを試みます。
結局、2人は一度、路面電車を降りてしまいました。
専門家は同じエリアで別々の読み取り機が混在することが、利用者側の混乱と事業者側の負担も招くと指摘します。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「ひとつのシステムで運用することに強くこだわる必要はないかなと思います。利用者の方がこっちは使えないんだっけと迷う状況をつくってはいけないと思いますけど。外国人が困っているのかなと思いましたし、日本人で広島以外から来た人も「あれ?」という戸惑いを感じたところもあって、実はバス会社側もどういう風に案内をしていいのか困っているなというところも感じました」
一方で、普段から利用する人は慣れた様子で乗り降りし、県外からやってきた観光客も乗務員らのアナウンスや「張り紙」によってなんとか「広島流の乗り方」を受け入れているようでした。
【路面電車を利用・栃木県から】
「Suicaであとからタッチしました。乗るときにタッチをしないのはやっちゃいそうになります。紙が書いてあったのでそれを見て、”あ、タッチしないんだ”みたいな」
【路面電車を利用・オーストラリアから】
「電車に乗るのは全部とても簡単だった。でもSuicaや(外国人観光客向けの)ジャパンレールパスはどう使うのかちょっと分かりにくかった」
ただ広電の電車やバスで「モビリーデイズ」の読み取り機を初めて見た人が、つい「ICOCA」などをタッチしてしまう現象は1カ月が経っても減りません。
【広島電鉄・仮井康裕社長】
「周知に時間がかかっているなと認識はしています。できるだけ分かりやすい形で交通系ICカードだけではなくて流通系のカードであるとかそういうものも利用できるような形をとっていきたい」
広島電鉄は時期を「未定」としながらも、モビリーデイズの読み取り機で全国の交通系ICカードに対応できるよう検討していて、地域に合った柔軟な料金設定などが可能な点などを強みに掲げます。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「目指すべき世界とするとモビリーデイズの端末でICOCAも読める状態。もっと先をにらんでいくとクレジットカードも読める、あるいはペイペイだとか他のシステム。未来を見据えたときには必要」
【路面電車を利用・栃木県から】
「Suicaであとからタッチしました。乗るときにタッチをしないのはやっちゃいそうになります。紙が書いてあったのでそれを見て、”あ、タッチしないんだ”みたいな」
【路面電車を利用・オーストラリアから】
「電車に乗るのは全部とても簡単だった。でもSuicaや(外国人観光客向けの)ジャパンレールパスはどう使うのかちょっと分かりにくかった」
ただ広電の電車やバスで「モビリーデイズ」の読み取り機を初めて見た人が、つい「ICOCA」などをタッチしてしまう現象は1カ月が経っても減りません。
【広島電鉄・仮井康裕社長】
「周知に時間がかかっているなと認識はしています。できるだけ分かりやすい形で交通系ICカードだけではなくて流通系のカードであるとかそういうものも利用できるような形をとっていきたい」
広島電鉄は時期を「未定」としながらも、モビリーデイズの読み取り機で全国の交通系ICカードに対応できるよう検討していて、地域に合った柔軟な料金設定などが可能な点などを強みに掲げます。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「目指すべき世界とするとモビリーデイズの端末でICOCAも読める状態。もっと先をにらんでいくとクレジットカードも読める、あるいはペイペイだとか他のシステム。未来を見据えたときには必要」
さらに迷ってしまうのが、広島市中心部の「バス」の乗り方です。
同じ路線をメインシステムが異なる会社が共同で運行している場合があります。
【呉市から】
「ICOCAです」
Q:乗り方はどうですか?
「分かっていないです。まだ」
広島市の中心部を通る「循環線」。
広電バスが出発した数分後、同じバス停にやってきたのはICOCAをメインとする赤バスの広島バスでした。
広電グループ以外は乗る時に「ICOCA」の読み取り機があるため、降りる時だけでなく「乗車時」も合わせて2回タッチが必要となります。
やはり、外国人観光客は迷っていました。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「共同運行をしている路線は、(システムが)揃っているか揃っていないかによって印象が結構変わってきます。揃っていないとなんでって思いたくなってしまうので、特に一緒に走らせている路線はサービスを同じようにしてほしい」
最新のデータで、広電のバスや電車のモビリーデイズの利用率は6割強から7割強と増加傾向に。
広島市内を走るバス会社3社も順次、モビリーデイズの読み取り機を導入させています。
複数のシステムが混在する状況で、地元の人にとってメリットが伝わりやすく、観光客に優しい仕組みづくりが求められています。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「公共交通の事業者どうしのごたごたに市民が振り回されていると思っている人がかなりいると思う。こういう運賃を用意するのでこういうサービスを用意するので、どんどん使ってくださいというような形で、前向きに連携していく動きを今後見せていかないといけない段階に入ってきた」
同じ路線をメインシステムが異なる会社が共同で運行している場合があります。
【呉市から】
「ICOCAです」
Q:乗り方はどうですか?
「分かっていないです。まだ」
広島市の中心部を通る「循環線」。
広電バスが出発した数分後、同じバス停にやってきたのはICOCAをメインとする赤バスの広島バスでした。
広電グループ以外は乗る時に「ICOCA」の読み取り機があるため、降りる時だけでなく「乗車時」も合わせて2回タッチが必要となります。
やはり、外国人観光客は迷っていました。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「共同運行をしている路線は、(システムが)揃っているか揃っていないかによって印象が結構変わってきます。揃っていないとなんでって思いたくなってしまうので、特に一緒に走らせている路線はサービスを同じようにしてほしい」
最新のデータで、広電のバスや電車のモビリーデイズの利用率は6割強から7割強と増加傾向に。
広島市内を走るバス会社3社も順次、モビリーデイズの読み取り機を導入させています。
複数のシステムが混在する状況で、地元の人にとってメリットが伝わりやすく、観光客に優しい仕組みづくりが求められています。
【呉工業高等専門学校・神田佑亮教授】
「公共交通の事業者どうしのごたごたに市民が振り回されていると思っている人がかなりいると思う。こういう運賃を用意するのでこういうサービスを用意するので、どんどん使ってくださいというような形で、前向きに連携していく動きを今後見せていかないといけない段階に入ってきた」
《スタジオ》
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「この問題は周知の問題じゃないと私は思っています。他の都市と比較して分かりにくい。公共交通は標準化がすごく重要なことで、同じような事業者がサービスを提供するんだが、乗り方は一通りになっていることが世界標準。なんとかそれを実現することが重要だということと。もう一つは運転士さんの作業の種類が多すぎること。止まる時間と待つ時間の長さにも関わってくるので、本当にシステムをシンプルにしてほしい」
外国人観光客向けの「スイカ」が発行されているなど、やはり観光客は「スイカ」や「ICOCA」での利用が多い現状にあります。
呉工業高等専門学校の神田教授は解決策として「駅や空港で乗り方の周知徹底」「乗り放題チケットを使う」をあげていました。
すでに広島には「広島たびパス」という乗り放題チケットがあり、広島駅のバス切符売り場や広島空港、一部のホテル、平和公園のレストハウスでも買うことができます。
広電の電車全線、広島市中心部のバス宮島航路が乗車可能で、こういった乗り放題チケットを観光客に使ってもらうことも「分かりやすさ」につながりそうです。
【コメンテーター:広島大学大学院・匹田篤准教授】
「この問題は周知の問題じゃないと私は思っています。他の都市と比較して分かりにくい。公共交通は標準化がすごく重要なことで、同じような事業者がサービスを提供するんだが、乗り方は一通りになっていることが世界標準。なんとかそれを実現することが重要だということと。もう一つは運転士さんの作業の種類が多すぎること。止まる時間と待つ時間の長さにも関わってくるので、本当にシステムをシンプルにしてほしい」
外国人観光客向けの「スイカ」が発行されているなど、やはり観光客は「スイカ」や「ICOCA」での利用が多い現状にあります。
呉工業高等専門学校の神田教授は解決策として「駅や空港で乗り方の周知徹底」「乗り放題チケットを使う」をあげていました。
すでに広島には「広島たびパス」という乗り放題チケットがあり、広島駅のバス切符売り場や広島空港、一部のホテル、平和公園のレストハウスでも買うことができます。
広電の電車全線、広島市中心部のバス宮島航路が乗車可能で、こういった乗り放題チケットを観光客に使ってもらうことも「分かりやすさ」につながりそうです。