2013年9月5日(木)
子どもの運動神経をよくしたい
質問
母親の私が運動音痴なので、子どもも運動が苦手。なんとかしてあげたいのですが…。
答えてくれたのは、キッズトレーニング教室「アスルート」の船木哲秀さん
答えてくれたのは、キッズトレーニング教室「アスルート」の船木哲秀さん
●運動と子供の脳の関係
ように連結されているか(シナプス)によります。ニューロンとシナプスのネットワークは、外部から受けた刺激によって個人差が生まれます。最新の脳科学の研究によって、子どもの運動能力は3、4歳~12歳ごろまでにおおよそが決まると明らかにされています。
外からの刺激を受け取る目や耳、皮膚などの器官が発達・完成するのがおよそ4歳、バランス感覚や運動機能をつかさどる小脳ができ上がるのが12歳ごろ。12歳までを運動神経を育てる「ゴールデンエイジ」といい、この時期の神経系トレーニングが子どもの運動能力を左右し、一生涯の運動神経を決めると考えられています。
外からの刺激を受け取る目や耳、皮膚などの器官が発達・完成するのがおよそ4歳、バランス感覚や運動機能をつかさどる小脳ができ上がるのが12歳ごろ。12歳までを運動神経を育てる「ゴールデンエイジ」といい、この時期の神経系トレーニングが子どもの運動能力を左右し、一生涯の運動神経を決めると考えられています。
●低い水準で推移する青少年の体力・運動能力
青少年(6~19歳)の体力・運動能力は、体力水準が高かった昭和60年ごろと比較すると、握力や走能力、跳能力、投能力などが低くなっています。その理由は、子どもたちは放課後も忙しく時間がない、防犯上の問題から外で遊べない、核家族化といったさまざまな社会的な要因が考えられます。
かつては木登りなどの外遊びで、運動神経が育まれていました。外遊びが少なくなった今はバランス感覚を養う場が少なく、こけやすかったりこけ方が悪くケガがひどくなったり、それによって運動が嫌いになり外に出なくなり運動が苦手になる、そんな負のスパイラルも見られます。また、筋力が弱いと姿勢が悪くなり、猫背によって横隔膜が開かず呼吸が浅くなって集中力も養われません。運動と勉強は連動しており、これらは比例して成長します。運動はやった分だけ成果が表れるもの。勝負にこだわる経験から正義感や判断力、人を思いやる気持ちも学びます。まさに「健全な精神は健全な肉体に宿る」です。
かつては木登りなどの外遊びで、運動神経が育まれていました。外遊びが少なくなった今はバランス感覚を養う場が少なく、こけやすかったりこけ方が悪くケガがひどくなったり、それによって運動が嫌いになり外に出なくなり運動が苦手になる、そんな負のスパイラルも見られます。また、筋力が弱いと姿勢が悪くなり、猫背によって横隔膜が開かず呼吸が浅くなって集中力も養われません。運動と勉強は連動しており、これらは比例して成長します。運動はやった分だけ成果が表れるもの。勝負にこだわる経験から正義感や判断力、人を思いやる気持ちも学びます。まさに「健全な精神は健全な肉体に宿る」です。
●すべてのスポーツに通じる身体能力が成長の伸びしろに
サッカー選手になるためには、サッカーに絞って専門技術の習得に励みます。上達するにつれて、それだけでは通用しない壁にぶち当たることがあるでしょう。そんな時に伸びしろになるのが、どんなスポーツにも通用する身体能力です。専門性を高める以上に、4歳~12歳のゴールデンエイジでの神経系トレーニングが重要です。
神経系トレーニングの実践は、「外遊び」をたくさんすること。親御さんも一緒にすることがポイントです。一定の距離を保ちながら見守り、遊びに集中させてあげてください。そして子どもたちが落ち込んだときや壁にぶち当たった時、時期を見計らって、次のステップへとさりげなく導いてあげてください。そのためには、日ごろのコミュニケーションが欠かせません。
そこで、親子で取り組むことができてコミュニケーションもとれる、楽しい神経系トレーニングを紹介します。
神経系トレーニングの実践は、「外遊び」をたくさんすること。親御さんも一緒にすることがポイントです。一定の距離を保ちながら見守り、遊びに集中させてあげてください。そして子どもたちが落ち込んだときや壁にぶち当たった時、時期を見計らって、次のステップへとさりげなく導いてあげてください。そのためには、日ごろのコミュニケーションが欠かせません。
そこで、親子で取り組むことができてコミュニケーションもとれる、楽しい神経系トレーニングを紹介します。
●親子で楽しむ神経系トレーニング
(1)じゃんけん…視覚から脳に刺激を送り、手足を動かす。反射神経を鍛える。
[1]親子で向かい合い、左手同士を握り合い、少し離します。
[2]右手でじゃんけんをして、勝ったら左手で相手の手を握り、負けたら手を引きます。同じことを、手を反対にして行います。
[3]今度は、じゃんけんに勝ったら手を引き、負けたら握ります。左右繰り返します。
[2]右手でじゃんけんをして、勝ったら左手で相手の手を握り、負けたら手を引きます。同じことを、手を反対にして行います。
[3]今度は、じゃんけんに勝ったら手を引き、負けたら握ります。左右繰り返します。
(2)キャッチボール…聴覚からの刺激を取り込み、体の左右、上下を使い分けて反応する。リアクション+連結運動。また、ボールとの距離感をつかむ定位能力を育てる。
[1]向い合ってキャッチボールをします。
[2]投げる人が「右!」と言ったら、ボールを右手で受け取り、同時に右足を出します。
[3]次は手足を使い分けます。「右!」と言われたら、ボールを右手で受け取り、今度は左足を出します。
[2]投げる人が「右!」と言ったら、ボールを右手で受け取り、同時に右足を出します。
[3]次は手足を使い分けます。「右!」と言われたら、ボールを右手で受け取り、今度は左足を出します。
(3)バランスすもう…反射神経、バランス感覚と体幹を鍛える。
[1]向かい合って直立し、相手と自分の両手を合わせて押し合います。
[2]おなかとおしりに力を入れて、倒れないようにします。
[3]片足立ちで行います。左足で立ち、右手を握り合って押し合います。
[2]おなかとおしりに力を入れて、倒れないようにします。
[3]片足立ちで行います。左足で立ち、右手を握り合って押し合います。
(4)腕立てじゃんけん…体幹と腕の力を鍛える。ケンケンした時にぶれない。
[1]腕立ての姿勢で向き合い、左手でじゃんけんをします。
[2]1回戦で負けたら腕立て伏せ1回、2回戦で負けたら2回します。
[3]手を変え、左手で支え、右手でじゃんけんをします。倒れたら負けです。
[2]1回戦で負けたら腕立て伏せ1回、2回戦で負けたら2回します。
[3]手を変え、左手で支え、右手でじゃんけんをします。倒れたら負けです。
- 船木哲秀(ふなきてつひで) キッズトレーニング教室「アスルート」代表
- 1969年9月10日生まれ。一部上場企業広告代理店の広島営業所長をへて、広島市西区庚午南にキッズトレーニング教室「アスルート」をオープン。現在キッズ、ジュニア、ジュニアユースを対象に、主に体幹トレーニング、コーディネーショントレーニング(神経系トレーニング)の指導を行う。日本コアコンディショニング協会 ベーシックインストラクター、シナプソロジー普及会 シナプソロジーインストラクター・公認教育トレーナー、日本プロカウンセリング協会 2級心理カウンセラー等。