2015年7月3日(金)
熱中症を予防するためにできること
質問: 外で遊ぶことが大好きなうちの娘。遊ぶのはいいのですが、この時期、熱中症にならないか心配で・・・予防法ってあるのですか?
西村小児科の院長、西村真一郎先生に聞きました。
西村小児科の院長、西村真一郎先生に聞きました。
熱中症とは
気温の高い室内や屋外にいることで、めまいや頭痛、熱けいれん、熱失神、熱疲労、熱射病などの症状が起こることを総称して「熱中症」といいます。熱中症は、体温を調節する機能や体内にある水分・塩分のバランスが崩れることで起こりやすくなります。通常ですと、体温が上がったら汗をかき、汗が蒸発するときに身体の表面から熱を奪うことで、体温を下げようとします。しかし、温度が高い環境にいると、体外へ熱の放出ができなくなり、熱が体内にこもることによって体温が上昇、熱中症になってしまいます。症状の軽いものから生死に関わるものまであるので、少しでも普段と違うな、と思ったら熱中症を疑ってください。特に7~8月は熱中症になりやすいので注意が必要です。
熱中症の前兆とは
「めまい」や「たちくらみ」「発汗」などの症状は熱中症の前兆です。これらの症状が現れたら、日蔭など直射日光の当たらない涼しい場所で休むといいでしょう。「これぐらい大丈夫」と放っておくと、どんどん症状が悪化していきます。早めに処置をすることが熱中症予防につながります。
こまめに水分補給を!
熱中症の対処療法は「冷やす」しかありません。症状が進行してしまったら治療法がないのが現状です。のどが渇いてから飲む、のではなく、こまめに水分補給することが大切です。出かけるときは、風通しのよい服装をして、帽子をかぶりましょう。また家にいるときも風通しを良くし、クーラーを入れるなどして部屋の中が熱くなりすぎないようにすることも予防になります。もし、倒れてしまったら服の上からバケツいっぱいの水をかけたあと、うちわであおぐなどして身体を冷やしてください。子どもだけではなく大人も熱中症になる可能性が十分ありますので、日頃から意識して過ごしましょう。
自宅で簡単に作ることのできるドリンク
誰でも簡単に作ることのできるオススメしたいドリンクがあります。1リットルの水に1~2グラムの食塩と大さじ2~4杯程度の砂糖を入れる、というお手軽ドリンク。お子さんでも簡単に作ることができると思いますので、一緒に作って親子で熱中症予防するのもいいですね。
- 西村真一郎
(にしむら・しんいちろう)
- 1982年 広島大学医学部卒業 広島大学医学部附属病院研修医
1983年 社会保険広島市民病院小児科
1986年 広島大学大学院入学
1990年より広島大学病院で助手・講師・准教授などを勤めたのち、2008年12月に
広島市安佐南区で西村小児科を開院する