2015年8月5日(水)
栄養バランスのとれた学校給食を参考に!
子どもと過ごす時間が増える夏休み。せっかくなら、親子で料理をしながら「食育」について考えてみませんか。そこで、広島市教育委員会 学校教育部 健康教育課食育係 主任指導主事の西尾佳代子さんに聞きました。
栄養のバランスのとれた食事を
日本人が昔から食べてきた和食は、一汁三菜など栄養のバランスを考えたものでした。しかし、食の欧米化が進み、ファーストフード・コンビニ弁当・スナック菓子などの脂質が多いものを食べるようになりました。好きなものを食べたい気持ちはわかりますが、同じものを食べ続けることで、健康に支障をきたすことがあります。また、 夏休みなど長期休暇は、生活リズムが崩れ、不規則になりがちです。夜ふかしや夜遅くに食事をすることで、朝ごはんが食べられないという偏った食生活になりやすくなります。
そこで、提案したいのが、学校給食メニュー。
「主食」「主菜」「副菜」がそろった、バランスのよい食事です。さらに「牛乳・乳製品」「果物」なども加わり、子どもたちのからだに必要なエネルギーや栄養素が摂れるよう、栄養教諭等が献立を考えています。
「主食」「主菜」「副菜」がそろった、バランスのよい食事です。さらに「牛乳・乳製品」「果物」なども加わり、子どもたちのからだに必要なエネルギーや栄養素が摂れるよう、栄養教諭等が献立を考えています。
「主食 ごはん」「主菜 ホキの照り焼き」「副菜 切り干し大根の炒め煮、ひろしまっこ汁」「牛乳・乳製品 牛乳」「果物 はっさく」
毎日の食事を大切に
小学生・中学生は、急に背が伸びたり、体重が増えたりと、からだが大きく成長する時期です。塾などの習い事から帰宅後、夜遅くに食事をする、あるいは夕方におやつを食べて習いごとに行き、十分な食事をしない子どももいるのではないでしょうか。朝・昼・夕の3度の食事を規則正しくとることが健康なからだづくりにもつながりますが、難しい日もあると思います。そんなときは、夕方におにぎりを食べて習いごとに行き、帰宅してから消化のよいおかずを食べる、というように夕食を分けて食べる方法をオススメします。こうすることで、おやつなどの間食が減り、翌日の朝ごはんもしっかり食べることができます。
苦手な食べ物の克服法
○○が嫌い、食べられない・・・といったお子さんがいると思います。親としては、好き嫌いなく食べて成長してほしい、という思いから、苦手な食べ物をどうにか食べさせようと考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。大人になると味覚は変わります。子どもの時に食べられなかったものも大人になるとおいいしいと感じた経験はありませんか。そのために必要なのが、子どものころからのいろいろな味の経験です。子どもたちの味覚を発達させるためにも、いろいろな食材、料理を食卓に取り入れましょう。
子どもたちに食育を
学校では、食育の授業を行っています。例えば、「地場産物を使った広島らしいメニューを考えよう」で、小学6年生が給食献立を考えて学校給食に取り入れたり、食の専門家の出前授業を受けたりと、食事の大切さや食文化について学習しています。ぜひ、学校で学んだことを家庭でも生かしてもらいたいと思います。
一緒に料理をしてみよう
この夏休みを利用して、親子で料理をしてみてはいかがでしょうか。例えば、公民館や学校の家庭科教室で行われている料理教室に親子で参加してみる、学校で習ったレシピをもとに一緒に作ってみる、など調理時間は倍以上かかるかもしれませんが、子どもとの時間を楽しみながら過ごすのもいいものですよ。例えば、カレーやお好み焼きなどを作って、家族で食卓を囲んでコミュニケーションをとりながら食事をすることで、子どもの「心の健康」にもつながると思います。
最後に・・・
楽しく豊かな食生活にするために作られた目標 「食生活指針」。これを参考にして、毎日の食事を見直してみてはいかがでしょうか。
出典:農林水産省ホームページより
- 広島市教育委員会 学校教育部
健康教育課 食育係 - 主任指導主事 西尾佳代子(管理栄養士)
(広島市立学校栄養教諭の経験をもつ)