2015年12月2日(水)
インフルエンザ予防のために
毎年冬が近づくにつれて、気になる病気の一つ「インフルエンザ」。今年9月には、神奈川県茅ヶ崎市の小学校で、インフルエンザによる学級閉鎖、というニュースを耳にした方も多いと思います。インフルエンザを予防するためのアドバイスを、もり小児科の院長、森美喜夫先生に聞きました。
厚生労働省によると、平成26年度のインフルエンザの推計患者数は1,535万人と発表されています。また、発症は例年より早く、12月~12月中旬から増え、1月下旬がピーク、2月から徐々に減ってくるという広島市衛生研究所のデータもあります。
(※参照 広島市衛生研究所)
http://www.city.hiroshima.lg.jp/eiken/main.html
今年度の発症が早いかどうかは、まだデータがありませんので正確なことは言えません。しかし、いつ発症するかわかりませんので、日頃から予防をするよう心がけましょう。今回は、一般的な「季節性インフルエンザ」についてご紹介します。
インフルエンザウイルス感染までの流れ
インフルエンザウイルスは、呼吸と一緒に鼻やのどから体内に入り込み、気道の粘膜に付着して細胞内に入ります。感染したウイルスが、2~3日かけて、のどや気管支、肺にまで急激に増殖していった結果、発症します。「飛沫感染」という言葉を聞いたことがあると思いますが、これはインフルエンザに感染した人の咳やくしゃみなどに含まれるインフルエンザウイルスを吸い込むことで感染した状態を言います。ほかにも、ドアノブ・机などウイルスが付着したものをふれた後に目、鼻、口などに触れることで粘膜・結膜などを通じて感染する状態を「接触感染」と言います。
インフルエンザと風邪の見分け方
咳や鼻水、くしゃみ、発熱などの症状はほとんど変わりませんが、発熱したときの体温の上がり方で判断するといいでしょう。風邪の場合、ゆっくりと体温が上がっていくのに対して、インフルエンザの場合、発熱するとすぐに体温が上がり、38℃を越えることが多くあります。また、小学生以上は、成人とインフルエンザの症状が変わりません。高熱や頭痛、筋肉痛、倦怠感など全身症状で発症し、続いて鼻汁や咳などの呼吸器症状が現れます。学校でインフルエンザが流行っているときに、お子さんが体調を崩したときは、まずインフルエンザを疑ってみてください。
ワクチンの予防接種は大切
多くの病院がワクチン接種を行っています。昨シーズンまでインフルエンザのワクチンはA型2種類、B型1種類でしたが、今シーズンからA型2種類、B型2種類という4種類のワクチンになりました。これは、A型とB型のどちらか、または両方が流行したときにでも効果があるとされているワクチンです。インフルエンザの抗体ができるまで1~3週間かかりますので、早目に注射されることをオススメします。一つ注意しておきたいのが、「ワクチン接種をしたから絶対にインフルエンザにならない」というわけではないこと。万が一、発症したとき症状が軽くなる、という認識でいてください。
日常生活で心がけてほしいこと
・早寝・早起き をしましょう。
・バランスの良い食事をし、規則正しい生活をしましょう。
・インフルエンザウイルスは、低温・乾燥を好みます。乾燥は喉や鼻の粘膜の防御機能を低下させますので、部屋が乾燥しないよう加湿器を置くなどして、部屋の湿度を50~60%に保ちましょう。
インフルエンザの潜伏期間は、2~3日が多いです。発症しないためにも、お子さんと一緒に感染予防を心がけましょう。
・バランスの良い食事をし、規則正しい生活をしましょう。
・インフルエンザウイルスは、低温・乾燥を好みます。乾燥は喉や鼻の粘膜の防御機能を低下させますので、部屋が乾燥しないよう加湿器を置くなどして、部屋の湿度を50~60%に保ちましょう。
インフルエンザの潜伏期間は、2~3日が多いです。発症しないためにも、お子さんと一緒に感染予防を心がけましょう。
- もり小児科 院長
森 美喜夫(もり・みきお) <経歴>
昭和56年、広島大学医学部卒業し、広島大学医学部小児科研修医、双三中央病院(現三次中央病院)、倉敷中央病院、土谷総合病院、県立広島病院を経て、平成12年、もり小児科開業。
現在、診療以外に、広島市新型インフルエンザ等医療体制検討委員、広島県小児科医会副会長、日本小児科医会公衆衛生委員(予防接種委員)なども務めている。
<所属学会・認定医>
・日本小児科学会(小児科学会専門医)
・日本小児科医会(子どもの心相談医)
・日本小児腎臓病学会
・日本外来小児科学会
- もり小児科
広島市南区翠2丁目27-27
TEL:082-251-1717