2018年7月3日(火)
プールでうつる夏風邪 プール熱ってどんな病気?
小学生になると抵抗力がつき、元気いっぱいの頃。それでも集団生活をしていれば、風邪などの感染症にかかることもあります。
今回は子どものかかりやすい夏風邪について、すくすくキッズクリニックの院長・溝口信行先生にお話を聞きました。
今回は子どものかかりやすい夏風邪について、すくすくキッズクリニックの院長・溝口信行先生にお話を聞きました。
夏の風邪と冬の風邪、特徴的なものとしてはどんなものがありますか?
子どもの夏風邪としては「手足口病」「ヘルパンギーナ」などコクサッキーウイルス、「咽頭結膜炎(プール熱)」などアデノウイルスによる感染症が代表的なものとして挙げられます。
一方、冬はインフルエンザウイルス・RSウイルスなどの咳のかぜ、ノロウイルス・ロタウイルスなど嘔吐下痢のかぜが増えます。ただ、夏にインフルエンザにかかることもありますし、冬に咽頭結膜炎になることもありますので、単純に季節性の風邪というわけではありません。
一方、冬はインフルエンザウイルス・RSウイルスなどの咳のかぜ、ノロウイルス・ロタウイルスなど嘔吐下痢のかぜが増えます。ただ、夏にインフルエンザにかかることもありますし、冬に咽頭結膜炎になることもありますので、単純に季節性の風邪というわけではありません。
プール熱の症状はどのようなものですか?
プール熱とは咽頭結膜熱の別称です。名前の通り、目やのどに症状が現れ高熱が出ます。
潜伏期間は2日~14日、38~40℃の高熱が5日程度続きます。結膜炎症状が現れることが特徴で、両目または片目が真っ赤に充血して目やにが出ます。扁桃腺が腫れ、のどの痛みを伴うこともあります。また、頭痛や腹痛が起こったり、リンパ節が腫れたりすることもあります。咳や鼻汁はあまり見られません。
アデノウイルスには数十種類の血清型があります。中でも主に3型がプール熱を引き起こします。他にもアデノウイルス感染による病気としては呼吸器感染症、流行性角結膜炎、出血性膀胱炎、胃腸炎などがありますが、それぞれ別の血清型のアデノウイルスによるものです。
最近では迅速診断キットがありますので、早期に診断ができるようになりました。のどの粘膜からの簡単な検査で診断ができます。早期に診断できるので、以前のように細菌感染症と誤って抗生剤投与されることはなくなりました。
感染力が強いため、集団生活をしている幼児や小学生に流行しやすい病気です。
潜伏期間は2日~14日、38~40℃の高熱が5日程度続きます。結膜炎症状が現れることが特徴で、両目または片目が真っ赤に充血して目やにが出ます。扁桃腺が腫れ、のどの痛みを伴うこともあります。また、頭痛や腹痛が起こったり、リンパ節が腫れたりすることもあります。咳や鼻汁はあまり見られません。
アデノウイルスには数十種類の血清型があります。中でも主に3型がプール熱を引き起こします。他にもアデノウイルス感染による病気としては呼吸器感染症、流行性角結膜炎、出血性膀胱炎、胃腸炎などがありますが、それぞれ別の血清型のアデノウイルスによるものです。
最近では迅速診断キットがありますので、早期に診断ができるようになりました。のどの粘膜からの簡単な検査で診断ができます。早期に診断できるので、以前のように細菌感染症と誤って抗生剤投与されることはなくなりました。
感染力が強いため、集団生活をしている幼児や小学生に流行しやすい病気です。
プール熱は夏だけの風邪というわけではないのですね
かつては夏、プールの後に流行ったことから「プール熱」という名前が付きましたが、昨今ではプールの塩素消毒が徹底されているため、プールの水からの感染はほとんどありません。現在では他の風邪同様に接触感染、飛沫感染が一般的な感染ルートです。
夏に発症することは多いですが、最近は冬の感染も増えています。([表]参照)ただ、その原因はよく分かっていません。
夏に発症することは多いですが、最近は冬の感染も増えています。([表]参照)ただ、その原因はよく分かっていません。
[表]咽頭結膜熱 過去10年との比較グラフ(感染症発生動向調査週報より)
※横軸は週数で、1月1日を含む1週目から始まる
※横軸は週数で、1月1日を含む1週目から始まる
家族が感染したらどのようなことに気を付ければ良いのでしょうか?
アデノウイルスは感染力が強いため、タオルの共用は避けます。タオルは紙タオルなど使い捨てのものを使用することが最善です。
感染経路は通常、飛沫感染や手指を介した接触感染で、結膜や上気道から感染します。飛沫感染防止のためにはマスクを着用しましょう。また、乾燥にも強いウイルスですので、感染者がいれば家族がよく触るドアノブやスイッチなどの消毒をお勧めします。感染した子どもから看病する親や他の家族にうつらないよう、気を付けたいものです。
便からもウイルスが排出されます。乳幼児が感染した場合にはオムツにもウイルスが付着していますので、処分時の取り扱いは注意し、衛生に気を付けることが大切です。
感染経路は通常、飛沫感染や手指を介した接触感染で、結膜や上気道から感染します。飛沫感染防止のためにはマスクを着用しましょう。また、乾燥にも強いウイルスですので、感染者がいれば家族がよく触るドアノブやスイッチなどの消毒をお勧めします。感染した子どもから看病する親や他の家族にうつらないよう、気を付けたいものです。
便からもウイルスが排出されます。乳幼児が感染した場合にはオムツにもウイルスが付着していますので、処分時の取り扱いは注意し、衛生に気を付けることが大切です。
どのような薬が効きますか
残念ながら、現在のところ直接効く薬はありません。ワクチンもありませんので、感染を予防するしかありません。
病院では症状をやわらげる薬や点眼薬が処方されますが、抗生剤は効きません。水分補給に気を付けながら安静にして回復を待ちます。
病院では症状をやわらげる薬や点眼薬が処方されますが、抗生剤は効きません。水分補給に気を付けながら安静にして回復を待ちます。
いつから登校して良いのでしょうか?
咽頭結膜熱は学校保健安全法で第2種感染症に指定されています。第2種感染症にはインフルエンザなど感染力が強いものが指定されています。
一般には主な症状が消えてから2日程度は出席停止となります。その後、次第に排出されるウイルス量が減りますが、ウイルスは長く体内に滞在してのどからは約2週間、便からは約1ヶ月排出されると言われます。
ウイルス量が減ってくると感染力は弱まりますが、体が弱っている人にはうつる可能性もありますので、しばらくは注意した方が良さそうです。
一般には主な症状が消えてから2日程度は出席停止となります。その後、次第に排出されるウイルス量が減りますが、ウイルスは長く体内に滞在してのどからは約2週間、便からは約1ヶ月排出されると言われます。
ウイルス量が減ってくると感染力は弱まりますが、体が弱っている人にはうつる可能性もありますので、しばらくは注意した方が良さそうです。
- 溝口 信行(みぞぐち のぶゆき) すくすくキッズクリニック 院長
- 広島県安芸郡府中町大通2丁目8-21-4F
TEL 082-286-8686
クリニックの理念
成長していくこどもの手助けをすることです
所属学会・専門医
日本小児科学会(小児科専門医)
日本小児科神経学会(小児神経科専門医)
日本小児科医会(地域総合小児医療認定医)