2019年7月2日(火)
【こんな時どうする?シリーズ】Q.子どものあせもがひどいんです…。
●「あせも」とは?
◆「あせも」は、医学用語では「汗疹(かんしん)」と呼ばれます。病名のとおり、汗が関与している皮膚疾患です。
◆体内に熱がこもると汗が分泌されます。汗は、皮膚の奥にある汗腺で作られ、細い管を通って皮膚の表面に分泌され、汗が蒸発することにより体温が下がります。
◆このように汗をかくこと自体は、カラダにとって重要な反応です。
◆ただ、大量に汗をかいたままにしておくと、汗を出す管がつまってしまい、汗が皮膚の中にたまって炎症を起こして、1~3mmくらいの小さな水ぶくれやブツブツができてしまいます。この状態が「あせも」です。
●「あせも」の予防は?
◆子どもは、大人よりも汗をたくさんかきますし、皮膚が重なっている部分が多いです。首・わきの下・足の付け根など、汗がかわきにくい場所は、特に「あせも」ができやすいです。
◆「あせも」ができないようにするためには、汗をかいたまま長時間放置しないことが大切です。汗がこもらないように通気性・吸水性のよいコットン素材の肌着を着せてあげてください。汗をかいたら早めにシャワーや着替えをした方がいいですが、それらが難しい時にはやさしく汗をふき取ると「あせも」の予防になります。
●病院を受診するのはどんな時?
◆透明な水疱ができている状態で、かゆみなどの症状がなければ、数日で自然に治っていくので、病院を受診しなくても大丈夫でしょう。
◆しかし、赤くなってかゆみがある「あせも」の場合は、かきむしって傷ができて悪化してしまうことがあるので、病院で治療するほうがよいでしょう。かかりつけの小児科もしくは皮膚科を受診してください。
◆かゆみが強そうな場合には、かき傷が増えないようにかゆみ止めの飲み薬を飲んだり、弱めのステロイド軟膏を塗って治療したりします。ステロイド軟膏は適切に使用すれば副作用を怖がる必要はありません。不安があれば医師や薬剤師に遠慮なく相談してください。
- 松阪由紀(まつざか・ゆき)先生
<span style="color:#FF0000;font-size:1.125em;font-weight:bold;">JA尾道総合病院
小児科副部長</span> - ◆日本皮膚科学会認定皮膚科専門医