2020年8月5日(水)
【素朴な疑問シリーズ】Q.プール熱って、どんな病気?
プールでの接触やタオルの共用により感染することが多いため、「プール熱」と呼ばれていますが、正確にはアデノウイルス感染による「咽頭結膜炎」という病気です。発熱(38~39度)、のどの痛み、結膜炎といった症状を来す小児に多い病気で、通常6月頃から徐々に流行しはじめ、7~8月にピークとなります。
●アデノウイルスとは?
アデノウイルスには多くの型があり、ほぼ年間を通してみられます。「プール熱」はアデノウイルス3型が最も多く、4・7・11型の場合もあります。感染経路は喉や結膜からの侵入と考えられています。プールの水が汚染されていればウイルスが粘膜から直接侵入するため、咽頭結膜炎の大きな流行になりますが、学校ではプールの塩素消毒を実施していますから、集団生活の場では飛沫(核)感染が主体になります。
●プール熱の予防方法は?
流行時には、流水と石けんによる手洗い、うがいをしましょう。感染者との密接な接触は避けましょう(タオルなどは別に使いましょう)。衛生を保つため、プールからあがったときは、シャワーを浴び、うがいをしましょう。
●プール熱の症状は?
潜伏期は5~7日で、症状は高熱の持続、咽頭痛、結膜炎です。その他、咳や鼻症状、胃腸症状を伴うこともあります。診断は患児の症状や診察所見から判断できますが、咽頭から採取した検体で外来での抗原検査も可能です。ただし、検査のタイミングが早すぎたり、検体が充分採取できなかった場合は検出率が大きく下がりますので、検査が絶対ではありません。
●プール熱の治療方法は?
高熱が長く(5日前後)続くことが多いので、疲労が強く水分が摂れないケースでは点滴を行ったりしますが、ほとんどが自然に治ります。しかし、吐き気、頭痛の強いとき、せきが激しいときは早めに医療機関に相談してください。この病気は学校感染症の第二種に分類され、発熱・結膜充血などの主な症状が消え2日経過してから登校可能となり、登校の際には医師の治癒通知書が必要となります。
- 【監修】堂面政俊先生 <span style="color:#FF0000;font-size:1em;font-weight:bold;">堂面醫院 院長</span>
- ◆小児科専門医
◆麻酔科標榜医
◆認定産業医
<a href="https://domengomachan.jimdofree.com/" target="_blank">https://domengomachan.jimdofree.com/</a>
<経歴>
国立大阪南病院麻酔科(厚生省職員)
近畿大学医学部麻酔科学教室
(麻酔・ICU・ペインクリニック・大学教員)
広島大学医学部小児科学教室(一般小児科・小児ICU)
労働福祉事業団中国労災病院(NICU・小児科・救急部)
広島市立舟入病院(小児科)
公立世羅中央病院(小児科・内科・外科・脳外科ほか全科救急)
2002年より堂面醫院継承
◎厚生労働省「咽頭結膜熱について」
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html)を加工して作成。
(https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou17/01.html)を加工して作成。