2021年11月4日(木)
【素朴な疑問シリーズ】子どものメガネについて、教えてください。
Q1.近視と診断されたら、
すぐにメガネをかけなければいけませんか?
「近視」の場合、近いところは見えるので、日常生活に不自由がないなら、すぐにメガネをかけなくてもかまいません。ただし、黒板の字が見にくいと勉強にさしつかえるので、席が教室の後ろでも文字が読めるよう、視力が0.7以下になったらメガネの用意をオススメします。
Q2.メガネは、かけっぱなしにしたほうがいいですか?
「近視」が軽ければ、近くを見る時は外し、遠くを見る時だけメガネをかければ大丈夫です。「近視」が進むと、近くを見る時にもメガネがあったほうが便利なので、子どもの必要にまかせてください。メガネをかけたり外したりしても「近視」の度が進むようなことはありません。強すぎず、弱すぎず、ちょうどよい見え方のメガネをかけることは、目の発育にも重要なことです。
Q3.子どもでもコンタクトレンズは使用できますか?
コンタクトレンズは、角膜の表面に直接のせるので、外から見ただけではわかりません。そのためメガネをかけたくない人に好まれていますが、異物感があったり、角膜を傷つけたり、はめたり出したりするのが面倒だといった欠点があります。メガネにするかコンタクトレンズにするかは好みの問題とはいえ、コンタクトレンズは管理が大変です。小学生の間はメガネをかけるようオススメします。
Q4.これ以上、子どもの近視を
進ませたくないのですが。
「近視」は20代の後半まで進行するのが普通です。進行を防ぐには、これからお話する生活上の注意を実行するくらいしか手だてはありません。まず正しい姿勢で勉強や読書をするよう心掛けてください。背中をまっすぐにして少し頭を前に傾けた姿勢で、目と本の間を30センチくらい離しましょう。目の疲労を防ぐために、1時間机に向かったら5分から10分は目を休ませて、コンピューターゲームなどは40分以上続けないようにしてください。部屋の照明は明るすぎたり暗すぎたりしないよう、机に向かう時は部屋の明かりといっしょに、スタンドをつけるのが目によい照明のしかたです。確実な方法とはいえませんが、子どもの目に悪い環境は改善するように努力しましょう。
- 【監修】白根 雅子先生 医療法人しらね眼科 院長
- 【資格等】
医学博士、日本眼科学会専門医
【役職】
公益社団法人日本眼科医会 会長
広島県眼科医会 顧問(前会長)
【所属学会】
日本眼科学会
AAO(American Academy of Ophthalmology):Active member
日本眼科手術学会
日本緑内障学会
日本網膜硝子体学会
日本ロービジョン学会
日本小児眼科学会・日本弱視斜視学会
日本眼科AI学会
<経歴>
1983年 3月 広島大学医学部卒業
2013年 5月 広島大学医学部大学院卒業
1983年 3月 広島大学医学部 眼科学教室 入局
1985年 4月 カナダ トロント大学・眼科学教室留学
Toronto General HospitalにてClinical fellow
1987年 8月 JR広島病院眼科部長
1993年10月 医療法人しらね眼科 理事長兼院長
2008年 4月 広島市総合リハビリテーションセンター病院眼科
非常勤医師兼務
◎公益社団法人 日本眼科医会「子供が近視といわれたら」
(https://www.gankaikai.or.jp/health/39/)および
公益社団法人 日本眼科医会「気をつけよう!子どもの近視」
(https://www.gankaikai.or.jp/health/57/)を加工して作成。