2022年3月3日(木)
【素朴な疑問シリーズ】シンスプリントと診断されたのですが…。
「シンスプリント」は、スネの内側に痛みのおこるスポーツ障害。陸上競技の中・長距離やサッカー、バスケットボールなど、走りこむ競技の練習に励んでいる選手(特にまだ走り慣れていない新人選手)に多くみられます。また、青少年の成長段階で関節や骨の配列が不安定な状態(マルアライメント)の時に多いのも特徴です。
●「シンスプリント」の病態は?
運動時および運動後にスネの中央から下の方に痛みがおこる過労性障害で、かつては「脛骨過労性骨膜炎」と呼ばれていました。ひらめ筋・後脛骨筋などの足関節を底屈する筋や筋膜の繰り返し加えられる牽引による脛骨の骨膜の炎症です。強い痛みが続く場合は、「疲労骨折」との区別が重要です。しかし、「シンスプリント」「疲労骨折」のいずれも、初期段階はX線で証拠が写りません。両者の区別にはMRI検査が必要です。
●「シンスプリント」の原因は?
❶ランニングの量や質の急激な変化(普段は運動をしていない
初心者が急に走り始めた時やシーズン初期に多発)
❷偏平足や、足首が内側に傾いた回内足
❸足関節の柔軟性の低下や下腿の筋力不足
❹足部の疲労による衝撃緩衝能の低下
❺硬いグランドや路面での練習
❻かかとのすり減った古いシューズやクッション性の悪い
シューズの使用
初心者が急に走り始めた時やシーズン初期に多発)
❷偏平足や、足首が内側に傾いた回内足
❸足関節の柔軟性の低下や下腿の筋力不足
❹足部の疲労による衝撃緩衝能の低下
❺硬いグランドや路面での練習
❻かかとのすり減った古いシューズやクッション性の悪い
シューズの使用
●「シンスプリント」の治療方法は?
まずは、慢性化を避けるために運動量を減らし、痛みが強い場合はアイスマッサージや外用薬の使用、足底や足関節周囲の筋肉の強化やストレッチを行います。靴に中敷きを入れることも効果的で、クッション性が良いかかとの安定したシューズを選ぶことも重要です。
- 【監修】佐々木和明先生
佐々木外科整形外科医院 院長 ◆日本整形外科学会 整形外科専門医 - <経歴>
平成3年3月 昭和大学医学部卒業
平成3年4月 昭和大学病院 整形外科勤務
平成4年7月 東京都立広尾病院 整形外科勤務
平成5年7月 昭和大学病院 整形外科勤務
平成7年7月 関東逓信病院
(現NTT東日本関東病院)整形外科勤務
平成10年7月 鉄蕉会亀田総合病院(千葉県鴨川市)勤務
平成11年9月 同上(亀田メディカルセンター)整形外科医長
平成16年10月 佐々木外科医院 副医院長
平成23年4月 広島大学病院 整形外科非常勤医
平成25年4月 佐々木外科整形外科医院(名称変更)副院長
平成29年6月 院長として継承新規開院
◎一般社団法人 日本整形外科スポーツ医学会「スポーツ損傷シリーズ シンスプリント」
(http://www.jossm.or.jp/series/flie/s15.pdf)を加工して作成。
◎公益財団法人 日本学校保健会「子どもが起こすスポーツ障害」
(https://www.gakkohoken.jp/special/archives/165)を加工して作成。