2022年12月5日(月)
【素朴な疑問シリーズ】Q.アトピーだと白内障になりやすいってホント?
●早ければ10~20代でも発症する「アトピー白内障」。
「アトピー性皮膚炎」が白内障を合併しやすいのは事実です。「アトピー性皮膚炎」の眼合併症の一つで、「アトピー白内障」といいます。顔の皮膚炎が重症で、よく目をこすったり叩いたりする患者さんにみられることが多く、気づかないうちに進行していることもあります。眼球の構造はカメラに似ていますが、もっと軟らかくて精密にできています。眼球が変形するほどこすったり叩いたりすると、取り返しがつかない目の病気につながることがあります。自覚症状がなくても、眼合併症があるかどうか眼科医にチェックしてもらいましょう。
●まずは、「アトピー性眼瞼炎」に注意。
目の周囲の皮膚に、「アトピー性皮膚炎」の特徴的な症状(赤いまだら・湿疹・むくみ・ただれ・かさつき・かゆみなど)があらわれる「アトピー性眼瞼炎」。症状が軽い場合は皮膚がかさつき、赤いまだらになる程度ですが、重症化すると上下のまぶたの皮膚が固く厚くなります。このかゆみに耐えきれず、まぶたを激しくこすったり叩いたりすると、「アトピー白内障」が発症することが多いので、眼の治療と同時に、皮膚科専門医を受診して、アレルギー反応を抑える、かゆみを抑える、感染を防ぐなどの症状に合った治療を受けることが必要です。「アトピー白内障」になると、物がかすんで見えたり、まぶしく見えたり、二重に見えたりして、進行すると視力が低下します。片方の目だけに白内障が生じた場合、初めのうちはなかなか気づかないことも多いので、見え方がおかしいと感じたり、顔の皮膚炎が重症な方は、時々片目をかくして、見え方を確認してください。
- 【監修】白根 雅子先生 医療法人しらね眼科 院長
- 【資格等】
医学博士、日本眼科学会専門医
【役職】
公益社団法人日本眼科医会 会長
広島県眼科医会 顧問(前会長)
【所属学会】
日本眼科学会
AAO(American Academy of Ophthalmology):Active member
日本眼科手術学会
日本緑内障学会
日本網膜硝子体学会
日本ロービジョン学会
日本小児眼科学会・日本弱視斜視学会
日本眼科AI学会
<経歴>
1983年 3月 広島大学医学部卒業
2013年 5月 広島大学医学部大学院卒業
1983年 3月 広島大学医学部 眼科学教室 入局
1985年 4月 カナダ トロント大学・眼科学教室留学
Toronto General HospitalにてClinical fellow
1987年 8月 JR広島病院眼科部長
1993年10月 医療法人しらね眼科 理事長兼院長
2008年 4月 広島市総合リハビリテーションセンター病院眼科
非常勤医師兼務
◎公益社団法人 日本眼科医会「アトピー性皮膚炎と目」
(https://www.gankaikai.or.jp/health/29/)を加工して作成。