2023年8月16日(水)
【素朴な疑問シリーズ】Q.「ディスレクシア」かもしれないと不安です。
●「ディスレクシア」(発達性読み書き障害)とは…。
「ディスレクシア」は、学習障害のひとつのタイプとされ、全体的な発達には遅れはないのに文字の読み書きに限定した困難があり、そのことによって学業不振になったり、二次的な学校不適応などが生じる疾患です。1896年に英国のMorgan先生が最初に報告しました。知的能力の低さや勉強不足が原因ではなく、脳機能の発達に問題があるとされています。そのため発達障害の学習障害に位置づけられており、2013年に改定された米国精神医学会の診断基準(DSM―5)では、限局性学習症(いわゆる学習障害)のなかで読字に限定した症状を示すタイプの代替的な用語として「dyslexia(ディスレクシア)」を使用しても良いことになりました。読字に困難があると当然ながら書字にも困難があります。そのためわが国では「発達性読み書き障害」と呼ばれることもあります。以下に初期症状をまとめて示しましたので、参照してください。
●文字が読めないわけではありません。
根底には音韻処理困難があり、表記された文字とその読み(音)の対応が自動化しにくく、それを司る脳機能の発達が未熟であるとされています。ここで留意しておきたいことは、「ディスレクシア」の子どもでは文字が読めないと表現されることが多いのですが、これが誤りであり、正しくは読むのが極端に遅いし、よく間違えるという表現になるという点です。1文字を読むのに時間がかかり、間違えることもあるといった状態では、読むだけで疲れてしまって、意味を把握する段階まで至りませんし、読書に対する拒否感が生じてしまうことになります。その結果、語彙や知識が不足して、学業不振が著しくなっていきます。さらには心身症や不登校といった二次障害の状態になってしまうこともあります。
●学齢期の初期に気づき、早く対応することが大切です。
「ディスレクシア」は、学齢期の初期に対応することで、症状を大幅に緩和することができます。「国立成育医療研究センター」の公式ホームページでは、ディスレクシアの診断と治療の推進を目的として、無料でご利用いただける動画やwebアプリが公開されています。
「ディスレクシア」は、学齢期の初期に対応することで、症状を大幅に緩和することができます。「国立成育医療研究センター」の公式ホームページでは、ディスレクシアの診断と治療の推進を目的として、無料でご利用いただける動画やwebアプリが公開されています。
◎国立研究開発法人国立成育医療研究センター「ディスレクシア」
(https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/007.html)から引用。
(https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/007.html)から引用。