質問：　うちの子は、メンタルが弱くて・・・。いつも自信がなく、めそめそしているのですが、メンタルを強くするにはどうしたらいいのですか？

パーソナルコーチの加藤　佳さんに話を伺いました。

　まず、“メンタル”とは、「精神的」「心理的」といった、心に関することを表す言葉で使われます。ここ数年、“メンタルが強い、弱い”という言葉をよく耳にします。私は、これまで多くの人たちのカウンセリングを行ってきましたが、年々メンタルが弱い子どもや大人が増えてきているように感じています。“メンタルが強い”とは、自分のことが好きで、自信がある状態であることを指し、“メンタルが弱い”とは、急なトラブルで自分を見失ってしまったり、辛いことがあったとき、いつまでも回復できない、軌道修正できない状態をいいます。

　持って生まれた性格や育ってきた環境などの要因が考えられます。例えば、勉強があまり得意ではない子どもに対して、「うちの子は勉強ができなくて・・」というように、子どもの前で否定するような言葉を言うと、「自分はできない子なのだ」と思い、自分自身（子ども）を追いつめてしまうことがあります。常に、否定するようなことを投げかけるのもよくありませんね。「友だちに対して優しい」など何か一つ良いところを見つけて褒めてあげることが大切です。何気なく言った言葉が、結果として、子どもを傷つけていることがあります。また、口には出していなくても、いつも怒っていたり、イライラしていると、子どもは敏感なので、察してしまいます。十人十色というように、一人一人性格が違うので、その子にあった褒め方をして愛してあげましょう。

　メンタルの安定は親と子の信頼関係や自信の形成によって、後天的に育てることが可能です。今からでも遅くありませんので、関わり方で気を付けたいことを、4点ほどあげます。

①ありのままの姿を肯定すること
子どもの悪い面を見つけるのではなく、理解して受け入れることが大切です。

②「がんばったね」と認めてあげること
子どもは「親に愛されたい」「認めてもらいたい」と思っています。勉強が一番になった、などの結果がないと愛されないと感じる子どもは、いつまで経っても「自分はダメな子なんだ・・・」と責めつづける傾向にあります。

③「大丈夫よ」と安心感を与えてあげること
叱るのではなく、まず優しい声かけをしてあげましょう

④子どもの話に耳を傾けて、共感してあげること
子どもの目線にたって、話を聞いてあげましょう

　親と子は、見えない絆でつながっています。まずは、自分（親）のメンタルを整えていくことが必要だと考えています。よく「子どものために（やりたいことを）我慢している」という言葉を聞きますが、我慢をすることはいいことではありません。自分の好きなことをして気分転換するなど、心が良い状態を保ちましょう。自分自身を愛し、認めてあげると、心が豊かになり、子どもにも優しい気持ちで接することができるようになりますよ。　
　また、何事も一人で抱え込まず、困ったら周りに助けを求めて、完璧主義にならないようにすることが大切です。人に頼ってください。子どもは親の鏡です。親のメンタルが強ければ、子どもも強くなると思います。子どもと一緒に成長していくことが子育ての醍醐味ではないでしょうか。

　頭ではわかっているけれど、実際には逆の行動をしてしまう・・そういった親御さんも多いのではないでしょうか。頭で理解するのではなく、上記に挙げた①～④の項目を1つで構いませんので、実践してみることをオススメします。毎日の生活に追われ、忙しい日々だと思いますが、ほんの数分でも愛されていると子どもが感じることが大切です。「自分は愛されている」、そう感じることで、心の安定がメンタルを強くすると思います。みなさんの子育てがステキな日々になるよう願っています。