2016年9月14日(水)
娘の友人関係、親が口を出さない方がいいの?
小学校高学年にもなると、とくに女の子の友人関係は複雑に感じられることもあるでしょう…。親としてなんとなく子どもの表情や様子で、うまくいってないんだなと感じたとき、どう対応したら良いのか悩むかもしれません。そこで親業訓練インストラクターの大下政江さんに伺いました。
保育園や幼稚園時代と違って、小学生になると、その日の出来事やどんな子と遊んでいるのかなど、親にはわかりにくいことも増えてきますね。
“仲良しの友達がいる“と思っていても、ちょっとした勘違いや言葉の受け止め方によって、小さなトラブルが起きることもよくあるようです。親はわが子が友人関係に悩み、泣いたり、困っていたりすると、一緒に胸を痛め、どうにかして、早く解決してやりたい、と積極的に仲裁に入りたくなるかもしれません。しかし、それが子どもにとって本当に必要なサポートになるとはかぎりません。
“仲良しの友達がいる“と思っていても、ちょっとした勘違いや言葉の受け止め方によって、小さなトラブルが起きることもよくあるようです。親はわが子が友人関係に悩み、泣いたり、困っていたりすると、一緒に胸を痛め、どうにかして、早く解決してやりたい、と積極的に仲裁に入りたくなるかもしれません。しかし、それが子どもにとって本当に必要なサポートになるとはかぎりません。
さりげない言葉掛けが一番の手助け
やがて社会に出て、たくさんの人間関係に出会う子ども達。学校や家庭は、その人間関係の土台を築けるウォーミングアップの場でもあります。
親が良かれと思って、仲裁に入り続ければ、試行錯誤しながらも、友情や信頼関係を築いていけるはずの彼女たちの成長の機会を奪うことになるかもしれません。
友達と一緒に過ごしていれば「嬉しい」「楽しい」「悲しい」「辛い」「寂しい」という様々な思いを体験していきます。それらの気持ちを味わうことで、友達にもその様な感情があることに気づき、相手を思いやる気持ちも芽生えてくるものです。
親が良かれと思って、仲裁に入り続ければ、試行錯誤しながらも、友情や信頼関係を築いていけるはずの彼女たちの成長の機会を奪うことになるかもしれません。
友達と一緒に過ごしていれば「嬉しい」「楽しい」「悲しい」「辛い」「寂しい」という様々な思いを体験していきます。それらの気持ちを味わうことで、友達にもその様な感情があることに気づき、相手を思いやる気持ちも芽生えてくるものです。
親が思う理想の友人関係を一方的に子どもに求めると、子どもからの反発を招いたり、「どうせ親には、わかってもらえない」と、子どもが『SOS』を発信しにくくなることも起きています。大切なのは子どもが安心して『今日、学校であった出来事』や『SOS』を発信できるような環境づくり。普段より食欲がないな…などの変化を感じれば、「今日は元気がないみたいだけど、何かあった?」「いつでも話を聞くよ」という、さりげない言葉かけが、子どもにとって心地よい援助になるのではないでしょうか?
また、幼少期には、「おもちゃを貸す、貸さない」、「叩いた、叩かれた」と目に見えていた小さなもめごとが、高学年の女子ともなると、はっきりとは見えづらく、親は友人関係に複雑さを感じるようなこともあるでしょう。だれか一人がグループから外れている様子が伺えたり、上下関係を感じさせる様な言葉遣いを耳にしたり・・・など、悩ましいことも増えるかもしれませんね。
親は真相を探ろうと問い詰めたり、すぐにその場で、善悪の判断を教えたくなるものです。しかし、理詰めで子どもに迫っても、子どもは「これ以上怒られまい」として、表面だけの反省に終わってしまうことも考えられます。
親は真相を探ろうと問い詰めたり、すぐにその場で、善悪の判断を教えたくなるものです。しかし、理詰めで子どもに迫っても、子どもは「これ以上怒られまい」として、表面だけの反省に終わってしまうことも考えられます。
親は感情が高ぶってくると、子どもの行為や行動についてではなく、人格自体を否定するような叱り方になることもあります。しかしながら必要なのは、どうすれば、その行動が周囲にどんな影響を及ぼしているのか、そして相手がどんな気持ちになるのかに子ども自身が気づけるような関わり方です。そのためには、親自身が友達づきあいのなかで経験してきた失敗談を話したり、「辛さ」「悲しさ」「寂しさ」を自分の言葉で語ることも、とても効果的です。
友達と親しくしているかと思えば、急に離れたてみたりと、この年代の女子の交友関係は一日ごとに変化しているようにも見えます。友達の数も多いのが良くて、少ないのは寂しいこと、と親が決めてかかることもないと思います。親には理解しがたいこともあるでしょう。彼女たちも、自分の思い通りにはいかないことを体験しながら、悩み考え、それを乗り越える力を育んでいきます。親も、今は黙って見守っていようか、それともアドバイスが必要な時なのか…と、ちょうど良い距離感を見極める感度を育んでいきませんか。
友達と親しくしているかと思えば、急に離れたてみたりと、この年代の女子の交友関係は一日ごとに変化しているようにも見えます。友達の数も多いのが良くて、少ないのは寂しいこと、と親が決めてかかることもないと思います。親には理解しがたいこともあるでしょう。彼女たちも、自分の思い通りにはいかないことを体験しながら、悩み考え、それを乗り越える力を育んでいきます。親も、今は黙って見守っていようか、それともアドバイスが必要な時なのか…と、ちょうど良い距離感を見極める感度を育んでいきませんか。
- 大下 政江(おおした・まさえ)
親業訓練インストラクター - 親業訓練協会 認定インストラクター、ふれあいコミュニケーションリーダー1級
家族は夫、2男1女、愛犬1匹。自身が余裕のない子育てをしていた時に、「親業」に出合い、 子育てを楽しめるようになったという経験から「イヤイヤ期・思春期・受験期、それぞれ様々な時期の子育てに悩む“親御さん”にその方法を届けたい」という思いから、子育てや夫婦関係・人間関係を楽にするコミュニケーション講座や講演会などで活動中。