2022年1月20日(木)
【よくある相談シリーズ】うちの子、お風呂がキライで困っています…。
このコメントの裏側にあるのは、「お風呂を好きになってほしい!」「お風呂に入ってほしい!」という思いだと思います。言い方を変えると「うちの子がお風呂に入るようにするためにはどうすればよいか?」ということになるでしょう。
●まずは、お風呂がキライな理由をリサーチしてみよう。
この問いに答えるためには、まず「どうなっているのか?」を考える必要があります。お風呂がキライな(お風呂に入りたがらない?)理由です。ちょっと思いを巡らせただけでも、例えば、
①夜は疲れていてお風呂に入るのがしんどい
②誰かの後に入るのはなんとなく嫌だ
③お風呂に入るのよりも優先順位の高い何かがある
④洗うのが面倒
⑤お風呂に入る必要性を感じていない
⑥お風呂場がひんやりしていて冬場は入りたくない
などが頭に浮かびます。
まずは「うちの子がお風呂がキライな理由は何なのか?(お風呂に入りたがらない理由は何なのか?)」をはっきりさせなくては、せっかく手を打っても空回りということになるでしょう。①~⑥を眺めてみると、何かが理由で入りたくない(あるいはそのタイミングでは入りたくない)のであって、「キライ」というのは適当でないような気もします。
●次に、お風呂がキライな理由に応じて、解決策を考えよう。
では、理由がはっきりしたらどうすればよいか。①が理由であれば、「じゃあ朝、入る?」、「家に帰ってすぐシャワーを浴びる?」などという声掛けができるでしょう。②なら、一番風呂に入ってもらえばよいですね。③は「それ」が終わった後で、④は全身が洗えるシャンプーで、というのはいかがでしょうか。「うちの子」が好きな香りの入浴剤を入れてみたり、ちょっと遠回りかもしれませんが、温泉に行ってお風呂に入る気持ち良さを味わわせたりするものアイデアかもしれません。
理由がわかれば手が打てる。世の中で多々ある子育て上の疑問・悩みは、ややもすると理由を突き止めずに対策に走っていることがある気がします。今回のお風呂のお悩み以外のことも、まずはその理由をはっきりさせるというスタンスが必要ではないでしょうか。
- 土井 徹
安田女子大学 教育学部児童教育学科
准教授 - 広島大学卒業・広島大学大学院修了。広島県内公立小学校を経て広島大学附属東雲小・中学校で12年勤めた後、2016年から富山大学人間発達科学部で小・中・高等学校の教員養成に従事。2020年4月、安田女子大学に着任。博士(教育学)。専門は理科教育学。現在は国内外の研究者と共同して主にESD関連の研究に取り組んでいる。