2023年9月8日(金)
【よくある相談シリーズ】上の子と下の子をつい比較してしまいます。
2人以上お子さんがいる場合、「ついつい、小さな下の子が可愛くて…」「ついつい、自分に性格の似ている上の子ばかり可愛がってしまって…」など、兄弟姉妹を比較してしまうことがありますよね。今回は、兄弟姉妹を比べることが良くない理由、比べないようにするためのポイントについてお伝えしたいと思います。
●兄弟姉妹を比べることが良くない理由
私たちは、幼少期から、かけっこの順位や背の高さ、テストの点数など、他者と自分を比べることで自分の立ち位置を見る経験を積み重ねてきました。
現在の教育現場では、これらの数値化できる「認知能力」だけでなく、数字で表すことのできない子どもたちの力「非認知能力」が大切にされていますが、数値化が全く良くないと言い切ることもできません。いずれにせよ、子育てのポイントは、『結果』より『プロセス』を大切にして、大人が子どもたちに声をかけて関わることです。
たとえば、運動会のかけっこ。去年は最下位だった子どもが頑張って3位になったとします。ある親はがっかりした様子で、「A君は1等賞。それに比べてあんたは3位か…」と、『結果』に焦点を当てた声かけを行いました。ある親は笑顔で「去年は6番だったけど、今年はすごいじゃん。3つも順位が上がったね。頑張ったね」と、『プロセス』に焦点を当てた声かけを行いました。同じ3位でも全く子どもの体験する世界は変わります。
『結果』だけを見て他の子と比べる声かけは、他人軸で自分を測ることを助長します。やがて子どもたちは他人軸に合わせることに必死になり、人と違う自分に不安を感じるようになっていくのです。
また、兄弟姉妹を比較するような声かけをしていると、常に他者(親)からの評価を気にして顔色を見て生活するようになるか、逆にそれが窮屈で行動が落ち着かなくなることもあるかもしれません。
『プロセス』を肯定していく声かけは、自分軸を育てます。自分ができるようになったことや自分自身の成長を感じられるようになっていくと、子どもたちは自分自身を信頼できるようになり、自己肯定感や自己効力感を育てていくことになるのです。
私たちは、幼少期から、かけっこの順位や背の高さ、テストの点数など、他者と自分を比べることで自分の立ち位置を見る経験を積み重ねてきました。
現在の教育現場では、これらの数値化できる「認知能力」だけでなく、数字で表すことのできない子どもたちの力「非認知能力」が大切にされていますが、数値化が全く良くないと言い切ることもできません。いずれにせよ、子育てのポイントは、『結果』より『プロセス』を大切にして、大人が子どもたちに声をかけて関わることです。
たとえば、運動会のかけっこ。去年は最下位だった子どもが頑張って3位になったとします。ある親はがっかりした様子で、「A君は1等賞。それに比べてあんたは3位か…」と、『結果』に焦点を当てた声かけを行いました。ある親は笑顔で「去年は6番だったけど、今年はすごいじゃん。3つも順位が上がったね。頑張ったね」と、『プロセス』に焦点を当てた声かけを行いました。同じ3位でも全く子どもの体験する世界は変わります。
『結果』だけを見て他の子と比べる声かけは、他人軸で自分を測ることを助長します。やがて子どもたちは他人軸に合わせることに必死になり、人と違う自分に不安を感じるようになっていくのです。
また、兄弟姉妹を比較するような声かけをしていると、常に他者(親)からの評価を気にして顔色を見て生活するようになるか、逆にそれが窮屈で行動が落ち着かなくなることもあるかもしれません。
『プロセス』を肯定していく声かけは、自分軸を育てます。自分ができるようになったことや自分自身の成長を感じられるようになっていくと、子どもたちは自分自身を信頼できるようになり、自己肯定感や自己効力感を育てていくことになるのです。
●兄弟姉妹を比べないようにするためのポイント3つ
それでも、どうしても比べてしまう場合、そこにはあなたの本音が隠れているかもしれません。「下の子に比べて上の子は人の気持ちが分からない子だ」。ここには、「優しい子に育って欲しい」というあなたの願望が込められているかもしれません。「上の子に比べて下の子の食べ方が汚い」。ここには、あなたが子どもの頃に「行儀良く食べなさい」と言われて窮屈だった悲しさが隠れているかもしれません。
子育てをしていると、子どもたちの中に「自分に似ているところ」が見えてきます。自分の長所に似ている時は、愛おしく感じます。しかし、自分の短所に似ている時は、まるで自分のダメなところを見ているようで辛く遠ざけたくなることも。
そんな時は、子どもの頃の自分がどんな声をかけられたかったか、立ち止まって考えてみましょう。そしてその台詞で声をかけてみてあげてください。
私たち大人は子育てを通じて、自分自身の良いところも良くないところも全部まとめて「私は私」と、親として成長するチャンスをもらっています。
「つい」やってしまう。そんな行動には自分の成長のチャンスが隠れているかもしれません。「こんな私も悪くない」。子育てを通してみんなで成長していきましょう。
- 土居和子
- 広島県教育委員会スクールカウンセラー
東広島市教育委員会スクールソーシャルワーカー
東広島市保育課保育ソーシャルワーカー
修道大学非常勤講師
ココロトモニ代表
ペアレントトレーニング、NPプログラム、BPプログラムなど保護者向け子育て講座
ティーチャーズトレーニング、事例検討会など保育士や教員向け研修会など