2019年10月23日(水)
【子育て支援シリーズ】体罰・暴言によらない子育てをしましょう ~11月は「児童虐待防止推進月間」です~
○虐待は、どこの家庭でも起こりうることです。
子育てをしていると、子どもが言うことを聞いてくれなくて、イライラして、つい叩いたり怒鳴ったりしたくなることは、誰にでもありうることです。初めは、子どものしつけのため、愛の鞭のつもりで行っていたことが、いつの間にか「虐待」へとエスカレートしてしまうことがあります。
○体罰・暴言による子どもへの影響。
体罰や暴言は子どもの脳の発達に深刻な影響を及ぼします。最近の脳科学の研究により、子ども時代に体罰や暴言などの辛い体験をした人は、脳に様々な変化を生じている場合があることが報告されています。また、ある調査では、親による体罰を受けた子どもと受けていない子どもの違いについて、約16万人分の子どものデータに基づく分析を行った結果、親による体罰を受けた子どもは、親子関係の悪化や精神的な問題の発生、反社会的な行動や攻撃性の増加など、望ましくない影響が大きいことが報告されています。
○子どもを健やかに育むために。
子どもを健やかに育むために、以下のポイントを心がけましょう。
①子育てに体罰や暴言を使わない
一見、体罰や暴言には効果があるように見えますが、その効果は子どもが恐怖感によって行動した姿であり、自分自身で考え行動した姿ではありません。体罰は子どもの成長に「百害あって一利なし」です。愛の鞭は捨てて、子どもを「叩かない」「怒鳴らない」と心に決めましょう。
②子どもが恐怖感を持つことなくSOSを出せるように
親に恐怖感を持った子どもは、親に気に入られようと、親の顔色を見て行動するようになります。また、恐怖感を持つ親に対しては、子どもが心配事を打ち明けられなくなります。心配事を相談できないと、いじめや非行など、より大きな問題に発展してしまう可能性があります。
③爆発寸前のクールダウン
子どもが言うことを聞いてくれない時に、イライラすることは誰でもあります。疲れていたり、他にもストレスを抱えていると、子どものちょっとした行動をきっかけに、イライラが爆発してしまうことがあります。イライラが爆発する前に、クールダウンするための自分なりの方法を見つけておきましょう。「深呼吸をする」「数を数える」「窓を開けて風に当たる」などが効果的です。
④親自身がSOSを出そう
育児の負担を1人で抱え込まずに家族で分担してもらったり、自治体やNPO・企業などのさまざまな支援サービスの利用も考えましょう。子育ての苦労について気軽に相談できる友だちもできるといいですね。
⑤子どもの気持ちと行動を分けて考え、育ちを応援
子どもに「イヤ!」と言われた時、親自身が戸惑うこともあるでしょう。でも、2~3歳の子どもの「イヤ!」は、自我の芽生えであり、成長の証しでもあります。「どうしたらいいかな?」と、子どもの考えを引き出し、必要に応じて助け船を出しながら、子どもの言い分を気長に聴きましょう。「わがままな子になっては困る」という想いから、親は指示的に対応してしまうこともありますが、子どもの成長過程で必ず通る道だと大らかに構えて、子どもの意思を後押ししていきましょう。
○育児の悩みは、『189(いちはやく)』相談してください。
出産や育児に不安や悩みがある場合は、市町の母子保健や児童家庭相談窓口または児童相談所(こども家庭センター)に相談してください。また、「虐待かな?」と感じたり、虐待を受けたと思われる子どもを見かけた時も、市町の児童家庭相談窓口または児童相談所(こども家庭センター)に連絡してください。全国共通3桁ダイヤル『189(いちはやく)』に電話すれば、お住まいの地域の児童相談所(こども家庭センター)に繋がります。