2024年3月11日(月)
【子育て支援シリーズ】もう読んだ?『二平方メートルの世界で』
今回ご紹介するのは、札幌の小学生・前田海音さんが書いた作文(「第11回子どもノンフィクション文学賞」小学生の部大賞受賞)を絵本化した作品。
脳神経の難病で入退院を繰り返す海音さんが3年生の春に入院した時のことです。たまたまいつもとは頭と足を逆にしてベッドに横たわると、備えつけのオーバーテーブルのうらに、子どもたちの寄せ書きのような言葉を発見しました。そうか、わたしはひとりぼっちじゃないんだ! そう気づいた海音さんは…。
人気絵本作家はたこうしろうさんが、前田海音ちゃんを訪ねて札幌へ。海音ちゃんが見ている札幌の街の風景や小学校、そして病院、なにより、海音ちゃんの心を描いた絵本です。
脳神経の難病で入退院を繰り返す海音さんが3年生の春に入院した時のことです。たまたまいつもとは頭と足を逆にしてベッドに横たわると、備えつけのオーバーテーブルのうらに、子どもたちの寄せ書きのような言葉を発見しました。そうか、わたしはひとりぼっちじゃないんだ! そう気づいた海音さんは…。
人気絵本作家はたこうしろうさんが、前田海音ちゃんを訪ねて札幌へ。海音ちゃんが見ている札幌の街の風景や小学校、そして病院、なにより、海音ちゃんの心を描いた絵本です。
●札幌に暮らす小学3年生が書いた作文に、
人気絵本作家が絵をつけた感動作。
「病室のベッドの大きさは、たて約2メートル、はば約1メートル。そのまわりをぐるりと囲うカーテンの中が入院中のわたしの世界のすべてで、ねる、食べる、遊ぶ、勉強するなど、だいたいのことはカプセルみたいな空間ですます。(本文より)」
札幌に暮らす小学3年生の主人公は、生まれたときから脳神経の病気で入退院を繰り返している。入院するとしばらくベッドの上での生活となる。お母さんは一緒にいてくれるが、放射線を使った治療のときは、ガラスを隔てて別々になる。家ではお兄ちゃんが鍵っ子になる。申し訳ない気持ちだ。どうして自分だけが病気なんだろう…。そんなある日、海音ちゃんは、病室で大発見をする。わたしはひとりぼっちじゃなかった!
実在の小学3年生が書いた「子どもノンフィクション文学賞」(北九州市主催)の大賞受賞作品に、当代一の人気絵本作家はたこうしろうが絵をつけた奇跡のコラボレーション。
誰も予想できない30~31ページ目の見開きと、ハートウオーミングなラスト。涙なしには読めない感動作。
文●前田海音
2010年、北海道滝川市生まれ。現在は札幌市の小学校に通う小学5年生。
絵●はた こうしろう
1963年、兵庫県西宮市生まれ。絵本作家。おもな作品に「ショコラちゃん」シリーズ(文・中川ひろたか、講談社)、『なつのいちにち』(偕成社)、『どしゃぶり』(文・おーなり由子、講談社)、『はじめてのオーケストラ』(原作・佐渡裕、小学館)などがある。