2024年10月15日(火)
漫画はコミュニケーション能力向上の役に立つ?人気漫画ランキング
子どもが漫画に没頭する姿を見て、「なぜ本じゃないの?」と、怖い顔になっていませんか?エンターテインメント感が強い漫画を子どもが読むことに抵抗や不安のあるパパ、ママは少なくないでしょう。しかし、活字離れを食い止め、読書への入り口となる漫画には、メリットもあります。今回は2024年に行われた最新調査を基に、コミュニケーション能力向上にフォーカスした漫画ランキングや子どもを取り巻く漫画環境をご紹介します。
異世界へ飛び立てるファンタジーやSFジャンルが人気
今年実施された小学生~中学生の親500人を持つ親へのアンケート結果から、子どもがよく読む漫画ジャンルが浮かび上がってきました。
第一位は、「SF・ファンタジー・神話」ジャンル。全体の26.8%という高い支持を得ているという結果が示されました。子どもが非日常的な物語に興味を持つことは、漫画に限らず、本や映画などにも当てはまります。現実から離れた世界観に身を置くことは、子どもならではの想像力が育つ可能性があると推測されます。
続いて、「ギャグ・コメディー」は、23.4%。「スポーツ」は23%という高い数字が出ています。「ギャグ・コメディー」は、読めば笑顔になれてパワーをもらえ、親子で一緒に楽しめる点で安心です。「スポーツ」漫画は、子ども自身が行うスポーツと漫画の世界がリンクし人気を得ている可能性があります。漫画に影響を受けスポーツを始めたという子どもも多いのではないでしょうか。私たち親世代も、青春や友情といったテーマの「スポーツ」ジャンル漫画を、子どもの頃読んだ経験は多いでしょう。
一方、「ホラー」、「グルメ」、「ギャンブル」といったジャンルになると、グッと数字が減っており、特定のニッチな層に向けたものであることがわかります。特に「ホラー」と「ギャンブル」は、暴力的表現やグロテスクな描写を含み、子どもには悪影響であると一般的に言われているジャンルです。子どもに読ませるのは適切ではないと考えられますが、一部の読者に根強い人気があると推測されます。
子どもが漫画読書に費やす時間は1日のうちわずか
子どもが漫画を読む時間についての調査では、意外にも「ほとんど読まない」と回答した保護者が最も多く、全体の約半分に達しています。これは、紙をめくるという習慣が減少していることはもとより、多くの子どもが塾や習い事などで読書時間を確保できていない傾向があると考えられます。また、親が子どもの漫画読書時間を管理している可能性も否定できません。
全体的に見て、子どもたちの漫画読書習慣は、短時間で楽しむケースが多いことが示唆されます。イラストと文字で構成する漫画は頭に入りやすく、比較的スピード早く読めるコンテンツといえるでしょう。
コミュニケーション能力が育つ漫画ランキング
子どもにコミュニケーション能力を付けてもらいたいと願うパパやママが多数派ではないでしょうか。子どもには学校内外で、幅広い交流をする機会を得てもらいたいものです。
コミュニケーション能力を育むという視点での漫画調査では、人気漫画をランキング形式で発表。1位には、バレーボールを題材とした「ハイキュー!!」が堂々のランクイン。スポーツチームの一員としての協力や対話が支持されています。2位には春秋戦国時代の中国を舞台にした「キングダム」。仲間との信頼関係やリーダーシップが描かれており、子どもたちはもちろん大人にも重要な教訓を示してくれる作品です。
3位には日本中に大旋風を巻き起こした「鬼滅の刃」が選ばれました。悪者である鬼と戦う正義性、そして家族愛や友情が激しいタッチと言葉で描かれていることから、小さい子どもから大人まで夢中になれます。4位の「ワンピース」も、仲間との絆が重視されており、長い間多くの人に親しまれています。そして「スラムダンク」と「アンパンマン」が5位に。これらの作品も、友達や仲間と絆を深めていくコミュニケーション能力に特化した内容が含まれています。特に「アンパンマン」は、困っている他者に手を差し伸べる描写が多く、コミュニケーションスキルの大切さを、世に長く伝えている作品です。
興味の幅が広がる漫画は親子で楽しんで
同調査から、パパやママが考える、漫画に影響する子どもたちの成長への期待と不安が示されました。漫画は、読むことによってメリットもデメリットもあるでしょう。ただしそれは漫画に限らず、その他の本や、テレビ、ゲーム、映画、SNSなどあらゆることに当てはまります。
コミュニケーション能力を育むためには、親がある程度介入し、子どもの年齢に適した作品を選ぶことが漫画においても重要です。
漫画は、気軽に手に取りやすく、親子で一緒に読んで感想を言い合えるなど、家族間で温かい時間をつくる大切な役割を担ってくれます。今後も、漫画をひとつのコンテンツとして捉え、子ども自身が楽しみながら漫画とうまく付き合っていける方法を考えていけるといいですね。