2024年12月9日(月)
子どものおせち離れは深刻!?それでも知ってほしい楽しいおせちのあれこれ
年末も差し迫り、そろそろお正月に食べる料理を考えることも多いのではないでしょうか。お正月といえばおせち料理ですが、昨今は食べない家庭も少なくないといいます。今回は、子育て世代のおせちに対する認識、そして知っておきたいおせちの歴史や意味についてお伝えします。
おせち料理に消極的な子どもたち
日本のお正月の伝統文化「おせち料理」。昔は子どもたちが心待ちにしたご馳走ですが、2023年の調査では、おせち料理を「あまり好きではない」(27%)、「まったく好きではない」(12%)と回答した家庭が多数。合計すると約4割の子どもが、おせち料理にマイナスイメージを持っていることがわかります。逆に「好き」(6%)、「まぁまぁ好き」(22.0%)との回答をあわせると、約3割の子どもがおせちを楽しみにしている傾向も見受けられます。
好きなおせち料理ランキング1位は親も子どもも同じ!
興味深いのは、保護者と子どもの好きなおせち料理です。両者とも、ナンバーワンは「栗きんとん」。栗やさつまいもの風味をしっかりと味わえ、黄金色の食欲そそる色味がお正月感をより感じさせてくれるため人気があるのも納得です。
子どもの好きなおせち料理の質問では、1位の「栗きんとん」に続き、2位「かまぼこ」、3位「伊達巻」、4位「黒豆」、5位「エビ」がランクイン。6位には「(おせち料理に)好きなものがない」という答えが入りました。
保護者は1位「栗きんとん」に続き、2位「黒豆」、3位「数の子」、4位「エビ」、5位「伊達巻」という結果に。表に記載はありませんが、大人でも17位に「(おせち料理に)好きなものがない」という答えが入りました。この結果は、子どもだけではなく、大人世代もおせち料理離れの傾向を示しているともいえます。
おせち料理の代わりに食べる豪華食材
では、おせちの代わりに何を食べているかという質問には、以下のような回答が寄せられています。
・お雑煮
・お寿司
・カニ鍋
・すき焼き
・焼肉
・お刺身
・いつも通りのご飯
お雑煮はお正月の定番料理。そして1年の始まりを普段は食べない豪華な食材を使った料理で祝う家庭も多くみられます。カニをはじめとする魚介類、高価なお肉など、昨今の日本人の舌にあう料理が好まれているようです。大勢が集まって楽しめる料理という点でも納得がいきます。
家族で話そう!知って楽しいおせちの文化
おせち料理が一般的に広まったのは、江戸時代末期と言われています。年神様へのお供え料理として、五穀豊穣・子孫繫栄・不老長寿・無病息災などを願って食べる縁起の良い料理とされてきました。また、年神様を迎えるときは煮炊きなどを慎むとともに、料理を作る人がお正月に休めるようにという意味も込め、冷めてもおいしく食べられる工夫がなされています。おせち料理を食べる理由について詳細を理解している人は、大人でも少なくなっています。その認識の薄さが「おせち離れ」の原因のひとつとなっているのかもしれません。
それではここで、人気の高いおせち料理の意味をひとつひとつ紹介していきましょう。きちんと意味を知れば、子どもたちも、おせち料理に興味を持ち始めるかもしれません。
・栗きんとん…金銀財宝を意味し、財産が貯まるよう願ったものです。
・伊達巻…「伊達」は華やかさや派手さを表す言葉です。巻物(書物)に似た形から文化・学問・教養を持つことを願います。
・黒豆…「まめ(まじめ・健康)」に暮らせるようにと、邪気を払い、無病息災という願いが込められています。
・海老…ひげが長く腰が曲がっている様子から長生きを願ったもの。また、海老は脱皮をくり返していくことから、出世の願いも。
・紅白かまぼこ…形が初日の出に似ていることから使われています。赤色は「魔除け」、白色は「清浄」という意味があります。
おせち料理を食べない、好きではないという声を多く聞く現代ですが、新しい年を迎える際に日本の伝統を知るには、大人はもちろん子どもたちにとっても大切なことだと考えます。新年を迎える節目に、先人が込めた想いを一緒に感じつつ、今年のお正月は、おめでたいおせち料理をテーブルに並べてみませんか?