2003年4月度 TSS番組審議会報告
とき:2003年4月21日(月)午前11時~
ところ:テレビ新広島 会議室
議題
- 番組名 報道特別番組「追いつめられた島-NLP誘致の背景-」<自社制作・単発>
2003年3月25日(火)24時40分~25時35分放送 - 「放送倫理・番組向上機構」設立とBROの果たした役割
ゲスト 放送と人権等権利に関する委員会機構 首席調査役 臼井 一 氏
先月で退任の原口倫子委員に替わり山田知子委員就任。
審議に先立ち事務局から報告。先月の審議会答申を受け本年4月1日より当社番組放送基準を一部改定したこと。前年度の視聴者対応状況のまとめとしてメールの件数が増えていること。9/24のナイター延長、10/25のキムヘギョンさんインタビュー、3/20イラク攻撃での特別編成などにレスポンスが集中したことなど。
(1)番組「追いつめられた島-NLP誘致の背景-」について
- 誘致が明らかになってからの色々な動きを時系列でとらえ、背景としての沖美町の過疎、合併問題などわかり易くまとめられていた。
- ニュースを見ているだけではぴんとこなかったこの問題が時系列に沿い、当事者それぞれへの丹念な取材をもとにまとめられたことでよく理解できた。
- よい番組だっただけに放送時間が深夜だったのは残念。
- 町長、議員、町民、国、大和市民などそれぞれの立場の発言を公平に取り上げていたが番組として何が言いたかったのか。
- 「追いつめられた」というタイトルに町長の立場が出ていたのか。「合併しないとこうなるぞ」とすべて問題を合併に持っていった感じ。
- 町長が説明責任を怠ったことはもっと問われるべきではなかったか。
- 島の住民の立場に立った豊かさとはなにかをもっと示すべきではなかったか。
- 問題を公平に扱った番組として高く評価したい。
- 久々に大きな問題を投げかけた番組で見終わって家族でこの問題について議論になった。時あたかもイラク攻撃であり、北朝鮮問題もあり、放送した時期的にも意義があった。
- 番組に方向性を持たせず、問題を投げかけたところも良かったのではないか。
- 谷本町長は辞任の際もっと疑問を投げかける発言があったはず。それもすべて出して欲しかった。
- ナレーション、編集もよかった。
上記の意見に対し制作担当の報道部・横川慶治は「国の財政難から平成の大合併が進められる中で首長と住民の考え方のギャップが各地で出ている。沖美町はその突出したケースだが、さらにさまざまな問題を含んでいる。番組のカギを握る前町長の単独インタビューを撮るために時間がかかり放送が少し遅れた。」と述べ、活発に意見交換した。
(2)「放送倫理・番組向上機構」設立とBROの果たした役割
まずBRO首席調査役・臼井一氏より報告
- 7月から新体制が始まる。第3者機関としてのBRC、青少年委員会、放送番組委員会は残り、運営母体が「放送倫理・番組向上機構」として一元化される。これは視聴者に対し窓口を一本化しわかり易くするとともに、外部から招聘する理事長をおくなど事務局体制を強化するため。
- BRCそのものは変わらないが委員会「決定」についてはこれまで主旨を放送するだけだったが今後当時局は「決定」に関わる対応策、改善策を決め、報告する義務を課される。
- これまで決定の主旨の放送については当時局の手前ミソ的な内容が多かった。決定が出ても局と申立て人の関係は終わらないことが多い。その点斡旋解決の場合は双方納得の上であり、申立て人の満足度が高い。
- BROには視聴者から寄せられる意見にメディア規制に関するものもあるが、放送局への声援はない。いまや視聴者と局は敵対関係に陥っていないか。権力であると見られていることを認識する必要があるのではないか。
- メディア規制に対抗していくには視聴者の支持が不可欠。視聴者との信頼関係をどう築いていくか真剣に考える必要がある。
これについて委員から質問や意見が出され、活発に議論した。
- <出席委員>
- 岸田俊輔委員長、上野淳次副委員長、大野徹、上野千歳、福島光宏、村上栄一、山田知子