2003年9月度 TSS番組審議会報告
とき:2003年9月16日(火)午前11時~
ところ:(株)テレビ新広島 役員会議室
議題
- 10月改編
- 「同じ空の下で~その時、ヒロシマで~」
事務局より
- 新任委員の佐藤義博委員(7/1就任)と池田明子委員(9/1就任)の紹介。
- <BPO報告>
7月にBPOで受け付けた「視聴者意見」は、それまでBRCおよび青少年委員会など単体で受け付けていた頃より、<広く放送番組全般>についても受け付けるようになったため、約3倍の1215件にのぼった。
7月においては、「長崎市男児誘拐殺害事件報道について」の意見・苦情などが特徴的であった。
TSS 8月度視聴者対応報告。
審議
(1)TSS「10月改編」概要説明
- 最新在広視聴率状況についての報告
- 10月改編による新番組説明
- 改編率・自社制作比率
- 今後のビックイベントである、ワールドカップバレー・東アジアカップサッカーの説明
- TSS「青少年に見てもらいたい番組」9番組報告
- 字幕放送25番組報告
「同じ空の下で~その時、ヒロシマは~」
- 重たいテーマだと思った。
- いろいろな平和活動をしている人が登場してきたので、焦点がぼやけていた。例えばミュージシャンのコー君の活動を中心にもう少し絞った方が良かったのではないかと思う。
- 自分自身も今年の夏に「折り薔薇」を4万個作って広島に届けるという運動に参加したが、この番組を通していろいろな「草の根運動」をしている人が多いことがわかった。
- 「戦争・原爆」をテーマにした番組のわりには、あまり重くなく、「人の気持ち」というものを素直に表現していると思った。
- ご主人に反対されながらも平和運動を続けている主婦の今井さんが、活動に参加するようになった理由などがボヤけていたと思う。
- 広島の「草の根運動」とイラク戦争を対比させたのは良かったが、「イラク戦争」が起こった背景の説明が不足していた。
- コー君の歌を番組のテーマにしたのは良かった。
- 様々な人々が広島から平和を祈るというのはとても意義あることではあるが、番組として1時間見続けられるかは疑問であったし、「平和」のお説教をしているように思えた。
- 世界ニュースとの同時進行の構成はよかったが、「世界ニュース」の映像のインパクトが強すぎて、「広島」の部分が弱く見えた。もう少し、軽いタッチ「TVタックル」のような手法で描いても良かったのではないか?
- 山場の「NO WAR NO DU」の人文字の場面では、全国各地から「平和」のメッセージを胸に集まってきた人々が、もっと楽しんでいる様子を紹介して、「今度は自分も行ってみよう」と思わせるような番組にして欲しかった。
- 分かりやすい番組だと思った。一昨年の「同時多発テロ」「イラク戦争開戦」「フセイン崩壊」など世界的な一連の動きから、「広島での反戦デモ」に至る因果関係がわかりやすかった。
- 一つの方法として、今の時代の「平和」とは何かをもう一度考えてみては?今や、「平和」とは「戦争のない状態」ということではなく、「安心」であり「安全」なことではないだろうか?
- 主婦の今井さんが番組中に、「子供に愛情をかけて育てる~」という発言されていたが、これこそが「平和」の原点ではないか。
- 平和に対する意識の低い若者などを切り口にしても良いのでは?
- 被爆から58年という月日が経ち、「風化」ということが叫ばれているが、この手の番組もネタ切れの様な気がする。今一度切り口を含めて原点復帰するべきだと思う。
- 毎年この時期に、この類の番組が議題としてかかるので拝見しているが、消化不良を感じている。今年のこの番組も、正直「消化不良」であったように思う。広島の放送局としての一つの使命のようなものだから、各局とも制作しているのだと思う。そういう観点からするとよくまとめられたのではないかと思う。
これらの意見に対して、制作にあたった報道部 武ゆかり記者は、
- 最初は、違う番組を作る方向で、別の被爆者を追っていた。しかし、そのうちに「イラク戦争」が勃発し、広島での「人文字」の企画がおこり、その時点で何か新しい動きになるかもしれないと思い、番組の企画を変更した。
- 一番伝えたかったことは、「人文字」をきっかけに、平和運動をしている人や被爆者だけではなく、一般の人も「平和」について考えて欲しいということと、実際、最初の一歩をどうやって踏み出して、平和を伝えていくかという姿を見て欲しかった。
など企画意図を述べ、活発に意見交換した。
- ◆今回出席委員
- 岸田俊輔委員長・上野淳次副委員長・福島光宏・小川秀久・山田知子・池田明子・佐藤義博(敬称略)